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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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今こそ行動する時

 劉勲が起こした騒動により、呉郡は騒然となった。

 暫くの間蒋幹が郡治を行う事となったが、太守不在という事で郡内に暮らしている者達は不安に陥っていた。


 無論、その騒動は隣の丹陽郡に居る劉備の耳にも入っていた。

「呉郡の太守である朱桓が郡内に派遣されていた劉勲の部下を殺したという噂が聞こえて来たが、どう思う?」

 劉備からすれば、あまりに不可解な情報なので、本当に起きたのかどうか気になっていた。

 その場には徐福と馬順の二人がいたが、問われた二人は既に事の真偽を調べていた。

「どうやら、その様です」

「現地にいる密偵の報告ですと、朱桓が発狂して劉勲の部下を殺したそうです」

「何と、では呉郡はどうなっている?」

「蒋幹というものが太守代行となり治めているそうですが、呉郡では不安に満ちているそうです」

 徐福達の報告を聞いて劉備は頷いていた。

「・・・・・・では、今ならば呉郡は切り取れると見るべきか?」

 劉備が本気なのか、それとも意見を述べているのか分からない事を述べた。

 二人はどちらなのか分からなかったが、とりあえず答える事にした。

「確かに、今ならば呉郡を切り取る事が出来ます。ですが、そうなりますと益州に逃げるという事が出来なくなります」

「ですな。加えていえば、我らが呉郡を切り取るのを孫権が指を咥えて見ているなどしません。必ず何かしらの妨害を仕掛けてきます。そんな事になれば、この地から逃げるという事が出来なくなります」

 二人の意見を聞いて、劉備は手を振った。

「分かっている。しかし、この状況は我らが益州へと逃げるのに使えるのではないか?」

 劉備の言葉に、馬順がその通りと頷いた。

「ええ、その通りです。此処は呉郡方面に兵を回し攻めると思わせて、荊州へと向かう準備を進ませましょう」

「ふむ。そうするか」

 馬順の策を聞いて劉備も頷くと、徐福が口を挟んだ。

「問題はどれだけ兵を回すかですな。あまり少なすぎては、牽制と思われるだけかもしれません。とはいえ、我らも連れて行く兵も必要ですから、少なすぎては守るのに困ります」

「ふむ。そうだな」

「とはいえ、全軍連れての行軍は時が掛り、兵糧が尽きるかもしれません。ですので、あまり多く連れて行くののも考えものです」

「・・・・・・二人はどう思う?」

 暫し考えた劉備は二人に尋ねた。

 尋ねられた二人は暫し考えていた。

「現在我が軍は三万おります。全軍連れての行軍は時が掛り過ぎます」

「ですな。ですので、一万ほど連れて行くのが良いと思います」

「その一万の兵の家族も連れて行くのだろうな?」

 劉備がそう訊ねるので、馬順は耳を疑った。

「家族もですか。そうなりますと、行軍の時が掛ると思います」

 馬順はそれは止めた方がいいのではと思うが、徐福は賛同した。

「兵も家族を連れて行けば、安心するでしょう。もし置いていけば、家族が気になって我らに付いてこなくなるかもしれません」

 徐福が賛同するので劉備は満足そうに頷いた。

 そして、その後、連れて行く兵は一万五千の兵と家族を連れていく事に決まった。

 残りの兵は呉郡への牽制と各県を守る兵として配備される事となった。

「では、直ぐに命を伝えに参ります」

 徐福はそう言って、その場を離れて行った。

 その背を見送った劉備は馬順に訊ねた。

「此処の所、気が滅入っていた様に見えたが元気になったな」

「そうですな。何でも、久しぶりに友人と会い話した事で、元気になったと言っていました」

「友人? 名は聞いたか?」

「いえ聞いておりません。ですが、同門の友人と聞きました」

「同門というと、司馬徽という者の弟子という事になるな」

「そうなりますな」

 馬順がそう言うのを聞いて、劉備は妙に気になった。

(司馬徽の門下という事は、曹昂の配下になった諸葛亮と龐統が居るな。まさか、徐福に内応を図って来た? いや、如何に同門と言えどそれは考え過ぎか)

 流石に考え過ぎだなと思った劉備は、考えていた事を頭から振り払った。

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― 新着の感想 ―
演義で描かれた荊州の劉備と共に逃げた民衆、あれは実は劉備がまんまと逃げおおせるためにわざと民衆を煽動して劉備の逃走路を民間人で溢れさせたなんて説がありますね。 当時の曹操軍は名実共に官軍で天子の民であ…
兵の家族を連れて行くなんて、劉備は害虫ですね・・・ 演技では自発的に民が着いていったけど、今回は強制的だ! 兵の家族にとっては迷惑千万な話だ。(生活基盤を無くし、命の危険に晒されるから) 果たしてどの…
お?w耳長の中になにやら楔が打たれたかなw忘れようとも、重要な選択提案されたときに(こいつは曹操と通じているのでは?)の疑念が常にちくちくし始めるか
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