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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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争いの原因

 時を少しだけ遡り、朱桓が呉郡に太守として政務に励んでいた頃。

 丹陽郡に劉備が居るという事で、劉勲と参謀として蔣幹が派遣された。

 劉勲は嘗て袁術に仕えていたのだが、見切りをつけて同僚の張勲と共に独立した。

 だが、孫策と戦い本拠地にしていた皖城が落とされた。その戦いで張勲は戦死。劉勲は曹操の元に逃亡した。

 余談だが、皖城が落とされた際、袁術の一族も居たのだが、袁術の悪政により多くの民の恨みを買った事で兵達が見つけるなり皆殺しにしてしまった。

 孫策としては殺すつもりもなかったのだが、それだけ袁術の恨みが深かったと思い、兵達を不問に付した。

 逃げて来た劉勲は旧知の仲なので、曹操も無下に扱う事はせず官職と爵位を与え遇する事にした。

 蔣幹は揚州出身、劉勲は揚州に居たので土地勘が居るという事で派遣された

 朱桓としては、自分一人いれば十分と思っていたが、朝廷から派遣された者達を無下にすれば何らかの処罰を受けると思い、とりあえず受け入れる事にした。

 その後、孫権と劉備に対する対処で話し合っていたのだが。

「だから、此処は朝廷からの命を待つべきだっ」

「何を温い事を言っている。敵が何時攻撃するか分からないのだ。兵を増強するべきだっ」

 評議の場で朱桓と劉勲が意見をぶつけあっていた。

 朱桓は今兵を集めれば、劉備を刺激するだけなので、朝廷から兵を出す命が出てから集めるべきと言うと、劉勲は反対に今すぐに兵を集めるべきだと述べた。

 意見がぶつかり合う中、蔣幹は何も言わなかった。

 二人の熱意が強いので、迂闊にどちらかの肩を持てば反感を買い何をされるか分からなかったからだ。

 意見をぶつけあっていると、やがて暴言が混じり始めた。

「一郡の太守ふぜいが儂に意見する出ないわっ」

「何をっ、曹丞相の温情で取り立てられても、碌な活躍もしていない駄将が何を言うっ」

「たかが、一地方の豪族風情がっ。無礼な口を叩くな!」

「虎の威を借る狐がっ。ほざくな!」

 最早、意見ではなく罵詈雑言をぶつけ合うだけになっていた。

 此処に至っては、蔣幹も二人の間に入り仲裁した。

 

 その後。何度も評議を開くが、朱桓と劉勲が意見が合わず平行線を辿っていた。

 劉勲は苛立ち、側近達に怒りをぶつけていた。

「ええいっ、あの分からず屋のせいで、儂が活躍する場が無くなるではないかっ」

 劉勲は曹操の温情で三品官の雑号将軍の一つである征虜将軍と華郷侯の爵位に就いていたが、戦場に出る事が無く碌に活躍をしておらず功績を立てていなかった。

 このままでは不味いと思い、呉郡に派遣された事で好機と思い兵を増強し、口実を作り丹陽郡か会稽郡に攻め込み功を立てたいと考えていた。

 だが、朱桓により阻まれていた。

「このままでは、いかん。何か策はないものか」

 劉勲の問いに側近達は考えていると、一人声をあげた。

「では、いっその事、暗殺すればよいのでは?」

「なにっ⁉」

「殿は曹丞相と親しくしております。朱桓を暗殺したとしても、劉備が刺客を放ったと言えば疑われる事も無く信じられるでしょう」

「おお、確かにな」

 劉勲は曹操の元に転がり込んでいた頃から、曹操と親しいという事で思いあがる様になっていた。

 主もそんな思いがあるからか、部下達も何をしても許されていると思っていた。

 そして、劉勲は側近達と共に朱桓を暗殺する謀議を話し合っていた。

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― 新着の感想 ―
殺された部下が、実は勘違いで巻き込まれた蔣幹さんだったという事で無いことを祈るばかり。
三毒の情報網に引っ掛かったら即終了で処されるレベルだな
許攸といい劉勲といい、なぜ友人の権力を自分も使えると思うのか…。
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