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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十章

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話をしていると

 数日後。


 曹昂は諸葛亮の元を訪れていた。

 用意されている屋敷に着くと、事前に来る事を伝えていた為、諸葛亮と妻の黄月英の二人が出迎えに来てくれた。

「お話があると聞きましたが。何か有りましたか?」

「此処で話す事ではないので、部屋で」

「分かりました」

 諸葛亮は曹昂の顔を見て、何か大事な話があるのだと察して、そのまま自分の私室に案内した。

 部屋に案内されると、曹昂は室内にある座席に腰を下ろした。

 諸葛亮も使用人に茶の用意を命じた後、近くの席に腰を下ろした。

 程なく、使用人が茶を持ってきて席に置くと一礼し部屋を後にした。

 曹昂が茶に口を着けると、諸葛亮も茶を飲んだ。

 喉を潤すと、曹昂が口を開いた。

「今日来たのは、先生には前々から聞きたい事があって、こうして余人を交えず来たのだ」

「左様ですか。それで、聞きたい事とは?」

 諸葛亮は茶を置くと、曹昂を見つつ訊ねた。

「先生は劉備の事をどう思っておいでで?」

 曹昂は直球に訊ねた。

 諸葛亮は劉備に会ったので、どう思っているのか気になっていたのだ。

 史実では諸葛亮は劉備に仕えているが、三度その元に訪れた事に感銘して仕えたと言われている。

 曹昂も同じように三度、諸葛亮の元に訪れて食客になり、其処から家臣となってくれたが、劉備に会って見て、どう思っているのか気になっていた。

 其処で、余人を交えず聞いてみる事にしたのだ。

 曹昂の問いに、諸葛亮は即答せず暫し考えた。

「・・・そうですね。一代の傑物と言っても良いでしょうな。尋常の者であれば死ぬような状況を生き残っているのですから。部下も少なくなったとはいえ優れた者達ばかりです。運と実力を兼ね備えておりますが、惜しむらくは己の感情を制する事が出来ないという所ですな」

「感情を制する事が出来ない?」

 どういう意味なのか分からず、曹昂は首を傾げた。

「人伝に聞いた話なのですが、殿との戦で劉備の義弟である張飛が捕縛された時、殿は降伏する様に告げると劉備は降伏したそうですな」

「ああ、そうだ」

「これはつまり、身内を斬り捨てる事が出来ないという事です。将たる者、時には身内を斬り捨てる非情さも必要。それが出来ぬという事は感情を制する事が出来ないのです。その様な者には、天下は取れぬでしょうな」

「成程な。まぁ、劉備はその内、討たれるであろうな。所で、お主の友人も劉備の元に居ると聞いているぞ」

「はい。ですが、もう間もなく劉備の元から離れるでしょう。既に策は仕掛けておりますので」

 諸葛亮が自信満々に答えた。

 それは、どんな策なのか気になったが、話さない所を見て曹昂はその内分かると思い聞かない事にした。

 その後、暫し雑談に興じていると、部屋の外に控えていた趙雲が入って来た。

「お話し中に失礼します。殿、揚州から文が届きました」

「揚州から?」

 劉備が何かしたのかと思い、趙雲から文を受け取り広げて中を改めた。

 すると、驚くべき事が書かれていた。

「・・・・・・はぁっ⁉ 呉郡太守の朱桓が同郡に派遣された劉勲の部下を殺した⁉」

 何でそうなるのか分からず、曹昂は声をあげて驚いていた。

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― 新着の感想 ―
裏切り内乱しまくってる劉備と中原安定させながらつぶあんこしあんとか萌えとかしてる平和な?曹操だと徐庶の母も劉備の配下じゃ心配するよね  
40年前の話で申し訳ないが、初代三國志をやりこんだせいが朱桓といえばハゲ頭のおっさんのイメージがあるw
あれ?17章で使者として劉備に会ってませんでした?
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