表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1002/1005

此処だけの秘密に

 注意されないように話を作りましたが、注意されたら別の話を投稿します。

 数刻後。


 ようやく、宴が開かれた。

 侍女達が酌をし、妓女達が奏でられている音楽に合わせて踊っていた。

 宴に参加している者達は妓女の踊りよりも、侍女達が身に纏っている旗袍に目が行っていた。

 見慣れない服装という事もあるが、裾に切れ目が入っており其処から見える白く艶めかしく足が見えた。

 胸元が大胆に開かれており、其処から胸が見えた。

 普段見慣れている女性の衣装に比べて、露出が激しいので目が行くのも無理が無いと言えた。

 曹操はと言うと、侍女達の衣装になど見向きもせず出された膳に手をつけていた。

(特に美味いという訳ではないな。あいつは何をするつもりだ?)

 妓女達の踊りも特に珍しいというものでも無かった。

 これと言って面白い事が起こらないので、曹操は顔にこそ出さなかったが興ざめしていた。

 やがて、音楽が止むと妓女達が踊るのを止めた。

 皆、もう踊りは終わりなのかと思っていたが、其処に別の妓女が出て来た。

 その妓女が身に着けている衣装は、先ほどまで踊っていた妓女達の衣装と変わらなかった。

 音楽が奏でられると、妓女が踊り始めた。

 その踊りも特に珍しいものでは無かった。

 皆、何故一人だけ踊っているのだろうと思っていると、妓女が音楽に合わせて身に着けている衣装に手を付けた。

 何をするのかと思ってみていると、妓女は衣装の一部を脱ぎ出した。

「「「えっ⁉」」」

 妓女が衣装を脱ぐのを見て、曹操達は目を剥いていた。

 驚く曹操を他所に、妓女は音楽に合わせて衣装を脱いでいく。

 曹操達が妓女に目を奪われているのを、曹洪は離れた所で見て笑っていた。

(いやぁ、子脩に相談した甲斐があったな。皆、目を奪われているわ)

 以前曹昂に相談し、面白い衣装がないか訊ねた事があった。

 その時に旗袍の他に脱衣舞ストリップのことについて教えてもらった。

 曹昂としては、バニーガールの衣装でも教えようとしたのだが、その時に衣装がこの時代では作るのは無理だと思い、別の事を教える事にした。

 史実でも好色で有名な曹洪は宴会を催した際に、薄着の歌姫に舞楽を行わせたという話を思い出し、脱衣舞の事を教えたのだ。

 それを聞いた曹洪は脱衣舞ついて詳しく聞いた。

 話を聞いて、早速自分の屋敷に居る妓女に脱衣舞を教えて躍らせてみた。

 最初こそ拙かったが、今でも人に見せても金が取れるのではと思える程に熟達していた。

 そう思い返している間にも、裳と上衣が脱げていた。

 そうして、露わになったのは肌着では無く、紐が通された三角形をした上衣で胸は隠されており、股間部分にも紐が通された三角形の下衣を穿いてあった。

 曹昂は脱衣舞なので、脱ぎやすいようにビキニも教えたのだ。

「「「おおおおおおおっっっ」」」

 素肌を大胆に晒しながら踊る妓女を見て、宴に参加している者達は声を震わせていた。

 目が妓女に集中していた。

 ほぼ裸同然な衣装で踊っている妓女は、やがて胸を隠している上衣に手を掻けた。

 皆、まさかと思い思わず唾を飲み込んだ。

 そんな思いに応えるように、妓女は微笑みながら上衣を脱いだ。

「「「うおおおおおおおおっっっ⁉⁉⁉」」」

 露わになった女性の象徴を見て、皆声を上げた。

 あまりに大きい声で、部屋全体が揺れていた。

 妓女は暫し半裸の状態で踊っていたが、下衣にも手を掛けて艶めかしく踊り出した。

 その踊りを見て、皆言葉を失っていた。

 曹洪は曹操に近づき話しかけた。

「いかがです? 中々面白い趣向でしょう。着ている服を脱いで踊る。誰もそう思いつかないでしょうな」

 曹洪が笑いながら話しかけていたが、曹操は無言であった。

 何も言わないのを見て、もしかして気に入らなかったのかと思い、曹操の顔を覗き込んだ。

 その顔は、雷に打たれたかのように衝撃を受けていた。

「・・・・・・これは何といえばいいのだろうな?」

「どうかしましたか?」

「妓女が身に着けている衣装を踊りながら脱ぐ。それを見ていると、何か脳裏に光ったのだ。これは何と言えばいいのか・・・・・・ああ、これはあれだ」

 曹操は話しながら、脳裏に浮かんだ物を言葉にしようと考えていると、思いついたのか手を叩いた。

「あれとは?」

「萌だ」

「もえ?」

 曹洪が首を傾げながら言うと、曹操は頷きながら語りだした。

「そうだ。草木が芽生えるような感覚。まさしくこれは萌だっっっ」

 曹操は拳を握りながら叫んだ。

 曹洪は詩人の曹操らしい表現だなと思っていた。

 

 やがて、宴が終わると曹操は此度の催し物は誰にも告げる事を禁ずるように述べた。

 その代わり、定期的に今回の催しを開くと言うと、皆喜んでいた。


 萌。

 この言葉は曹操が脱衣舞を初めて見て、呟いた事で生まれた言葉とも言われている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
燃え上がれ!燃え上がれ!曹操~
萌えで済むか、燃えまで行くか……
このお話を差し替えるなんてとんでもない! 他の方も書いてますが様式美って大切だと思います(ぉ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ