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61話 姉と弟の楽しい職業訓練

超短いですが漫才風にしてみました。

 ニート(Not in Education, Employment or Training, NEET)とは、教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない状態を指した造語である。


 ――Wikipedia――



「どうした弟よ。愛読していたラノベがアニメ化されたときみたいな複雑な表情をして。おっ、弟がウィキなんて珍しいな」


「姉よ、ちょっと、この一文をよく読んでみろ」


「ニートとは、教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない状態を指した造語である……これがどうかしたか」


「つまり職業訓練さえ受ければ、とりあえずニートは卒業出来るということか……」


「まぁ、そうなるだろうな。そんな面倒臭いもの私はやらんけど」


 猛烈に脳内を駆け巡っていくひらめき。俺はキッチンカウンターに立ち、姉を振り返りました。


「おい姉、ちょっとコンビニ店員の練習でもしてみないか」


「弟よ、話が読めてきたぞ」


「今この場で職業訓練だ!」


「それでいいのか弟よ。妥協に妥協を重ねて自分を誤魔化していくのが人生なのか弟よ」



 ~姉と弟の楽しい職業訓練『コンビニ店員』~


 姉とキッチンカウンターを挟んで対峙しました。姉はいかにもやる気がなさそうに耳をほじって突っ立っていますが、訓練さえ行えばあとはこっちのものです。これでもう町内会のマダムたちからニートのことで余計な詮索をされずに済みます。

 俺もお客さま役として、姉に無理難題を押しつけて店員レベルを向上させてやることにしましょう。


「あ、店員さん。会計いいかな」


「ムカつくんで敬語を使ってくださいお客さま」


「うおい。これくらいの事で腹を立てるな姉よ。それに笑顔がない。それじゃあ接客は務まらん」


「お客さまはもしかしてアレですか。『お客さまは神さまだ!』とか自分で言っちゃうタイプのお客さまですか。だったら私にも考えがありますよ」


「やめろその喧嘩売るときの剣呑な目。黙って会計しろ会計」


「チッ……えー、ボールペンがいってーん。消しゴムがいってーん。三角定規がいってーん。ドラクエバトル鉛筆がいってーん」


「いつのまにか小学生客設定になってるし俺。まぁいいや。あ、あとファミチキくだい」


「ここにはLチキしか置いてませんけど!?」


「あ、すみません、ここローソンだったのか。じゃあLチキでいいや……ってやめろ姉その敵愾心たっぷりな目! どんだけファミマに対抗意識燃やしてんだよ!」


「えー、ただいまローソンでは『魔法少女ミルキー☆エリカ』フェアを開催しております。いかがっすかねお客さま。このローソン限定エリカ☆バスタオルは」


「いや別にいいです。早く会計済ませてください」


「あ、お客さまはもしやミルキー☆エリカ知らないクチですか。だったらこちら全13話収録のDVDボックスをお付けしておきますね。えーDVDボックスがいってーん。お会計合わせて五万円になりまーす」


「DVDボックスのせいで値段一気に高騰したよ! 勝手に商品を追加して布教するのやめろ姉よ。余計なことしなくていいから、店員は黙って客の要望にだけ応えていればいいんだ。ったく、全然ダメだお前は! やり直しやり直し!」


「……もういいし。ていうか客とかうぜえし。私、店員とか向いてねえし……」


「接客ってのは一朝一夕で身になるものじゃない。何度も練習していこう、俺もとことん付き合うから」


「あーうぜえ」


「よし、じゃあ二回目な。店員さーん会計お願いしまーす」


「はいはいかしこかしこ。えーボールペン型バイブがいってーん、凄十がいってーん、安全戦士コンドムがいってーん、お風呂でねっとりローションがいってーん、もはやモザイクが意味を為さないシリーズDVDがいってーん。合計で三万――」


「アダルトショップにしてんじゃねえ!」

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