豪華な天井
できるだけ毎日投稿を目指しております。
パチっと目をあけると、今まで見たことない天井がそこには広がっていた。
綺麗な絵画が描かれた天井。
ここはどこ?私は誰?いやいや私はタチアナ、奴隷で男として生きて…
「お目覚めですか?」
ハッとして横を見ると、綺麗に結い上げられた白い髪をした優しげな女性が微笑んでいた。
深い紺色の足首まであるワンピースに汚れ一つない真っ白なエプロン。
年齢を感じさせない凛とした立ち姿。
どこか漫画やアニメで見たようなメイドさんがそこに立っていた。
「…あの…わ…僕は」
混乱して女の言葉が出そうになったがそれを飲み込んだ。
メイドの女性は微笑みを隠さず、静かに状況を説明してくれた。
ここは王宮の外れ。
第一王子の持ち物でありここに私を連れてきてくれたのも、その第一王子である。
私は2日程寝込んでいた。
着ていたものがかなり汚れていた為、メイドであるリナさんが着替えさせてくれたらしい。
ん??着替え??…て事は…
不安げにメイドのリナさんを見つめると
「足の裏は傷が多少付いておりましたが、目立った傷は残っておりませんので安心して下さいませ。お嬢様」
ニコリと微笑み綺麗な一礼をしてくれた。
慌てて頭を下げたが、お嬢様って事はやっぱり…バレてるよね。そりゃそうだ。
「暖かい飲み物をお持ちしますね。少しこの場を離れますが何かございましたらそちらのベルを鳴らして下さい。すぐに伺いますので。」
リナさんが手を指した方向を見ると、綺麗な宝石がいくつかついたベルが置いてある。
まさかこれを鳴らして呼ぶなんて…恐れ多くてできません…。
ジッとベルを見ている私を確認したあと、それでは…失礼致します。と綺麗な礼をして
リナさんは音もなく部屋から出て行った。
「さて…どうしようかな…。」
ふうっとため息をつきながら窓を眺めていた。
今の状況を整理しておかないと…。
お読みいただきありがとうございました。