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あなたはそこに、僕はどこに。(短編)

作者: 鍋ノ縁冗句

春の風が吹いている。

目の前を通り過ぎ、その度に僕の命は磨り減っていく。

春を感じる度に、僕の命は否定されていく。

誰もが母なる大地を踏みしめているのに、僕は何者でもなく、ただ宙に浮いているようだった。

そのままどこかへ飛んでいきそうで怖かった。

怖くて、寂しくて、妬ましくて、憎い。

離れていくあなた達は幸せそうにしているのに、僕はただ遠くへ飛んでいくだけで、あなた達の幸せな瞳には写らない。

僕の瞳には見えているのに。

あなた達の幸せが見えているのに、僕の不幸は無色で、透明で、飛んでいってしまう。

水のように美しくもなく、空気のように美味しくもなく、僕はただ、飛んでいく。

誰かが放った銃弾は当たるのに、誰かが棄てたゴミは落ちてくるのに、誰かが吐いたツバは当たるのに、僕の姿は誰にも見えない。

誰かの声は聴こえるのに、僕の声は聴こえない。

僕には見えるのに、あなた達には、僕の姿が見えていない。

僕は、夕焼けの空に融けてしまいたい。

あの美しい夕焼けの空に。

誰かに見て貰えるだろうか。

美しい夕焼けならば、僕の姿は見えるのだろうか。

はたしてそれは僕なのだろうか。

少しセンチな気分になったので、サッと書いてみました。

悪くないっっと思っていただけたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  悪くないっって思いました(笑)  いや、好きです。「螺鈿(ごめんなさい、これ何と読むのでしょう)の星屑」にもありましたが、「何故生まれてきたの」という一言とか、「下降」とか。  大袈裟…
2020/05/30 16:59 退会済み
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