265.編成
いつもご愛読、ありがとうございます!
本日も告知がありますので、是非後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!
秘密会議は流れるように進んでいった。
レッドユニオンなる組織の暗躍、クラリス女王の失踪、カスド連合国側に潜む魔人の影……
整理するにはしきれない情報が次々と出されていく。
ただ一つ言えるのは、こうした出来事の終着点が同じである可能性があるというところだった。
「我々が行う任務としては主に二つ。一つ目は女王陛下の捜索と救助、二つ目はカスド連合国に面する国境付近の調査及び魔物の掃討です。前者については、レッドユニオンの残党掃討も含まれます。そして後者については――」
「発見次第、魔人討滅も視野に入れる……ということですね?」
一人の勇者が横から割り込んだ。
リベルカがそれを聞くと、コクリと頷いた。
「ですが、担当する任務についてはこちらで割り振らせていただきます。今回は陛下のお命もかかっている以上、迅速に対応を進めないといけません。班についてはこちらで臨時編成をさせていただきましたので、確認の後、各班ごとに集合、点呼確認の後に割り振られた作戦会議室に向かってください」
リベルカがそういうと編成表を広げた。
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秘密会議が終了すると、俺は割り振られた班員と共に指定の作戦会議室に足を運んでいた。
誰と組むことになるのだろうと、内心ドキドキしていたが、それは杞憂に終わった。
「この前の遠征メンバーと変わらないとは……」
「なんか不満そうだな」
そういってきたのは、我が親友である悪友でもあるユーグ・フリードマンだ。
「不満っていうわけじゃないが、代わり映えしないなと思っただけだ」
今回の編成メンバーは俺とユーグ、そしてリィナとリーフレットを含めた5名だ。
充てられた任務は女王陛下救出を含めたレッドユニオンの残党処理。
迅速な対応が必要とする同任務は迅速かつ殲滅力の高い勇者を配置するということで、俺たちが選ばれたとのことだ。
「いいじゃない。わたしはみんなと組めて安心した。変な下心ある隊員と組むことになったら地獄だったし……」
「確かに王都の巡回任務でさえも、二人きりになった途端に詰めてくる隊員とかいたよね……」
リィナとリーフは嫌な過去を思いだしたのか、苦い顔をしていた。
二人とも顔立ちはいいから、そういった経験の話は後を絶たないのだろうが……
「リーフもそんな経験があるのか?」
「え? まぁちょっとだけ……あ、でも変な誘いに乗ったことはないよ! わたし、強引に迫ってくる人とかすごい苦手だし……」
つい、そんなことを聞いてしまった。
リーフがそんな現場に出くわしていたことを想像すると、心に小さな針が刺さったような感覚がしたからだ。
だがリーフがそんな輩を悉く跳ねのけていたことを聞くと、その感覚は徐々に消えていった。
「……」
「ん、しーちゃん? どうかしたの?」
心配そうに俺の顔をリーフが覗き込んできた。
「いや、なんでもない。今後も気をつけろよ。お前はその……美人なんだからさ……」
「……っ!」
俺がそういうとリーフの顔が咲き誇る花の如く赤みを帯びていった。
だが周りを気にしたのか、リーフは反対側を見つつも、
「う、うん……気を付ける。ありがと、しーちゃん」
ボソッと言った。
「はいはい。お二人ともなんか良い感じになっているけど、もう着いたから」
「「……っっっ!?」」
リィナの一言で、ドキッとした。
それはリーフも同じだったみたいで、いきなり背中からどつかれたような感覚が全身を駆け巡った。
気がつけば、作戦会議室の目の前だった。
リィナは俺たちの先を行くと、手元に持っていた認証キーを取り出す。
「そういえばシオンはあの人に会うのは初めてだったね」
「あの子?」
「今回の5人目の勇者だよ。名前は――」
リィナがそう言いながら、認証キーを扉の前にある指定の場所に翳すと、会議室の扉が開かれる。
瞬間、眩い光が部屋の中から放たれると、共に色鮮やかな蝶の幻影が俺たちの身体をすり抜けていった。
本話も読んでいただき、ありがとうございました!!
お馴染みの更新報告でございます!
現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第33話が本日更新されました!
今回はアクションシーンがメインのスピード感ある一話となっております!
本話から2章のクライマックスに入っていき、バルガとの戦いが更に盛り上がっていきますので、是非読んでみてください!
特に今回はシオンのカッコよさがより際立っていますよ!
また、本作のコミックス1、2巻、3巻そして最新刊の4巻が現在発売中ですのでこちらも是非、宜しくお願い致します!
下記に作品ページに直接行けるリンクを張っておきますので、まだ未読の方は是非読んでみてください!!
今後とも本作品を何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m
コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322




