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263.失踪と魔人

いつもご愛読、ありがとうございます!

本日も告知がありますので、是非後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!


「今回皆様に集まっていただいたのは、ギルドより緊急の依頼が入ったためです。内容は二つ。一つ目はカスド連合国の国境付近の村にて大量の魔物が発見されたこと……」


 淡々と話すリベルカに皆の視線が集中する。

 彼女は一旦ここで話を止めて周りを見ると、二つ目の内容を告げた。


「そして二つ目ですが、女王陛下が行方不明になったとの報告が入りました」


「「……っ!?」」


 場がざわつき始める。

 そのカミングアウトは俺も予想しておらず、一瞬思考がフリーズした。


「どういうことですか団長!? クラリス陛下が行方不明って……!」


 一人の勇者が問いただすと、リベルカは表情を変えずに続けた。


「順を追って説明しますが、皆さんも知っての通り、クラリス陛下は長らく城内隠居をしておられました。主な国政は宰相であるアイロン・ブラッド様が担い、ルーべリックの平和は終戦から今日に至るまで保たれてきました。ですが……」


 そしてクラリス女王が隠居するようになったのは、大戦直後から女王失脚を掲げ、反女王政権勢力であったテロ組織の暗躍が原因だったことと、その組織がギルドや勇者軍、そして国家騎士の活躍によって駆逐されつつある現状を語った。


「我が特務のレッドユニオンのアジト発見は大いに貢献したと言えるでしょう。改めて此度の活躍に感謝致します」


 レッドユニオンというのは、クラリス失脚を目論んでいた組織の仮称だ。

 そのアジトを見つけたのは、リラちゃんが属する特務部隊だったらしい。


「構成員の掃討は完遂しつつありますが、先ほどシオン(かれ)から黒ローブの集団から襲撃を受けたとの報告がありました。身元を調べたところ、全員がレッドユニオン所属の暗殺者だったとのことです」


 そして先ほどの黒ローブの集団はレッドユニオンの構成員だったとのこと。

 聞けば彼らは、最近になって王都の至るところで暗躍していたらしい。


 先ほどユーグが意味深な発言をした理由はここにあったわけだ。


 とはいえ、リベルカ曰く現在は残党狩りの最中であり、組織の人間が一掃されるのも時間の問題だという。


 女王陛下自らも言っていたが、組織の壊滅は順調に進んでいるみたいだ。


「そうした前提をお話した上で、本題に戻りますが、今回陛下が行方不明になったと知らせを受けたのは、神裁決闘廃止に伴う国会会議終了後のことでした。そして記録によればその時間帯はちょうどレッドユニオン構成員の尋問時間と重なります」


 国会会議というと俺との1対1(サシ)での話し合いが終わった後のことだな……


「つまり、どういうことですか?」

 

 リベルカの近くにいた勇者が口を出すと、彼女は冷静に続けた。


「ほんの一部の構成員から聞き出した情報によれば、構成員の大半はカスド連合国籍を持ち、カスド連合国経由で今回の任務に参加していたとのことです。真偽は定かではありませんが、数人から引き出した情報なので信ぴょう性は高いと踏んでいます」

 

 なるほど。

 連中はカスド連合国の人間だったのか。


 となると、女王から聞いたカスド連合国の現状について更に意味が深くなっていくな。


 そして、同時期に起こった国境付近での魔物の大量発生、更には陛下の失踪……


 全ては繋がっていると言わんばかりの内容だ。


「ですが、気になった点が一つ。これは彼らが共通して口にしたことなのですが……」


 リベルカは一拍おくと、


「『呪いは完成されつつある。あの憎き君主は今にステュクスへ落とされることであろう』と口を揃えて告げていました」


 声色を変えずにそう言った。


「この言葉にどれほどの意味が含まれるかは不明ですが、私はこの構成員の言葉と陛下失踪の現状に因果関係があり、また今回の一件については予め仕組まれた計画である可能性が高いとみています」


 リベルカは手元にあった報告書を手に取ると、パラパラと数ページ先を開く。


「そしてカスド連合国付近に突如現れた魔物についてですが、こちらについては我が軍の偵察部隊にカスド連合国との国境付近を調べさせたところ、情報の進展がありました」


 そう言いながら、報告書の中に忍ばせていた印画を皆が見えるように円卓に置いた。


「こいつは……」


 思わず声が出た。

 そこには一人の見覚えのある顔が映っていた。


 特徴的な白色のスーツに赤いネクタイ……。

 忘れるはずがない。


 そこに映っていたのは、バルガとの戦いの前に介したベルモットと名乗る魔人だった。

本話も読んでいただき、ありがとうございました!!


お馴染みの更新報告になります!

現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第31話が本日更新されました!


今回は友情と葛藤を感じる物語となっております!

本作のヒロインズであるリーフレットとリィナの原作にはないシーンが見れますので、是非読んでみてください!


コミカライズならではの内容で新鮮な一話になっていますよ!


また、本作のコミックス1、2巻、3巻そして最新刊の4巻が現在発売中ですのでこちらも是非、宜しくお願い致します!


下記に作品ページに直接行けるリンクを張っておきますので、まだ未読の方は是非読んでみてください!!


今後とも本作品を何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m


コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322

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