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262.隠し扉

いつもご愛読、ありがとうございます!

本日も告知がありますので、是非後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!


「なんだ、そういうことだったんだね……」


「わ、分かってくれたか」


 リラちゃんの爆弾発言後、俺は全力で火消しの弁解をしていた。

 そして順を追って説明したところ、誤解を解くことが出来た。


「はぁ……そういうことか。俺は純粋(ピュア)な親友が禁忌に手を出したのかと思ってちょっとワクワクしてたのによ」


「おい」


 禁忌って言うの止めろ。間違ってはないけど。

 あと、ワクワクするな。


「す、すみません! 誤解を招くようなことを言ってしまって……」


「いや、大丈夫」


 実際そう言われたのは間違いではないからな。

 しっかり丁重にお断りしたことさえ、伝われば……まぁ問題はない。


「それよりも早く中に入ろう。無駄話していると怒られちゃうから」


 はぁ……なんか会議始まる前にすごく疲れた。

 こういう瞬間は魔物と対峙する時よりも労力使うのは何故なんだろうな……


 俺はそう思いながら、団長室の扉をノックする。

 ノックすると「どうぞ」という声が聞こえ、俺はゆっくりと扉を開けた。


「すみませんリベルカさん、少し道中で問題が発生しまして遅れてしまいました」


「大丈夫です。話は既に伺っていますから。お怪我はないですか?」


「問題ありません。ご心配をおかけしました」


 謝罪を伝えると、リベルカは俺たちを奥の方へ案内する。

 連れてこられたのは執務席の後ろ側にある本棚だった。


 ずらっと並べられているのは、兵法を記した書物や軍内に関係する書物や書類だ。


 リベルカはその中の一角に目を向けた。


「なるほど。今日の会議はそういう意味を持っているんですね」


「ええ。内容が内容だけに普段の作戦会議室は使えませんので」


 リベルカはそういうと、本棚にあった書物に手を置くと、


「アーヴェント・ブレイブス」


 その掛け声とともに隠し扉が開かれると、禁足地へと繋がる狭い階段が姿を現した。

 

 そう……ここは選ばれし者だけが入れる地。

 俺がいたころは外部漏洩してはいけない秘匿情報を共有するための会議や特殊作戦の会議をするために用いた場所だ。


 つまり、ここを使うということはそれと同等の重要な会議がこれから行われることを暗に示されているということだ。


「中へ。既に他の者は到着しております」


 俺たちが最後だったみたいで、階段を下りていくと昔と変わらない光景が目に入って来た。

 階段の狭さとは裏腹に広い空間と高い天井が俺たちを迎え入れる。


 そして何より目に付くのは、中央に鎮座する大きな円卓だ。


 ここで数多もの重要会議が開かれてきたのだ。


 ちなみに地下にこれだけ広い空間を作ったのは要人警護で一時的に匿ったりする時や地上での戦闘が激化した際に、耐久戦ができるようにするための拠点として使えるようにするためという意図があるらしい。

 しかも万が一の時には別の出口から地上へ出られるという隠し通路まである。


 まぁ俺がいた頃はそんな用途で使ったことはないのだが……


「こんばんはシオン。色々と大変だったみたいだね。怪我無い?」


 秘密の会議室に入ると、リィナが通路の近くにいた。

 

「おう、リィナか。大丈夫だ、心配かけたな」


 他にも何人か顔見知りがいたので挨拶を交わすと、円卓の前方に位置取りしたリベルカが皆に向けて声を発した。


「これで全員集まりましたね。それではこれより、緊急報告会議を始めます!」


 リベルカのこの一声で空気が一瞬にしてピリッとなると、重要会議が幕を開けたのだった。

本話も読んでいただき、ありがとうございました!!


月初めでお馴染みの更新報告になります!

現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第30話が本日更新されました!


今回はアクションシーンに加え、感動的な場面も描かれた一話になっております!

2章も終盤の内容に入っていき、更に盛り上がりが加速していきますので、是非WEB版と見比べながら楽しんでいただけますと幸いです!


また、本作のコミックス1、2巻、3巻そして最新刊の4巻が現在発売中ですのでこちらも是非、宜しくお願い致します!


下記に作品ページに直接行けるリンクを張っておきますので、まだ未読の方は是非読んでみてください!!


今後とも本作品を何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m


コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322

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