表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

258/266

258.団らん

いつもご愛読、ありがとうございます!

本日はコミックス新刊の告知もありますので、是非後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!


「じゃあ食べよっか!」


 テーブルに3人分のシチューが置かれる。

 三人で「いただきます」と合わせると、共同で作ったシチューを口に運んだ。


「うん、旨い。控えめに言ってこれは世界狙えるわ」


 俺の手は止まることを知らない。

 自動人形(オートマトン)のように勝手に手が動くのだ。


「い、いつも思うけどしーちゃんは大袈裟だよ……」


「大袈裟なものか。普通に店を開けるレベルだと思うぞ」


 冗談ではない。

 それくらい俺の身体はリーフのシチューが大好物になっているのだ。


『うふふ、良かったですねリーフレット』


「うぅ……」


 耳まで赤くするリーフに微笑むヴァイオレット。

 対して俺は既に2杯目のおかわりに入っていた。


 にしても、今回のはいつも以上に美味しく感じる。

 二人に比べれば微々たるものだが、今回は何かしらで手伝えたという実感が美味しさに拍車をかけているのだろうか?


「そういえば、ヴァイオレットも普通に食事はするんだな」


 ふとシチューを食べていると気になったので聞いてみる。


『食事はできますよ。まぁしたところで特に意味はないのですが』


「だよな」


 味覚とかあるのだろうか?

 特異な存在が故に多くの疑問が浮かんでくる。


『でもこうして食卓を囲むことの温かさを感じるのはとても新鮮です。今までは戦いに身を置くのが普通でしたから……』


 ヴァイオレットは若干虚ろな表情を浮かべた。


「聞いたことがなかったけど、ヴァイオレットはどんな戦いを経験してきたの?」


 リーフが質問すると、ヴァイオレットは穏やかな笑みを浮かべながら答えた。


『果てしなく終わりの見えない戦いです。幾度の戦争と犠牲を見て、愚かにも同じことを繰り返すヒトに疑問さえ浮かんだことがありましたね』


「そっか……苦労してきたんだね」


 終わりの見えない戦い……か。


 俺たちはどうなのだろうか?

 勇者と魔王の戦いなんてそれこそ根源の歴史を辿れば数世紀にも渡って繰り広げられている戦いだ。


 そして今も、また新たな戦いが始まろうとしている。

 

 魔王……俺はその存在に相対したことはないが、勇者としての最終到達点は魔王の消滅だ。

 50年前も今では英雄と呼ばれている勇者たちは魔王の完全消滅を試みたらしいが、叶わず封印をするという決断になったらしい。

 

 想像を絶するほどの力を持っているのは明白だ。

 

『申し訳ございません。こういう団らんをしている時にする話ではありませんでしたね。お詫びにこの後、特製のプディングを御馳走致しましょう』


「えっ!? 今日持ってきているの?」


『はい。一応こういう時に備えて作っておきました』


「やったぁ! 久しぶりにあの至高の味が……」


 アホ毛がピンピンと嬉しそうに反応するリーフに、


「プリンのことか? それにしても嬉しそうだな」


「当然! しーちゃんも一度は彼女のプディングを食べた方が良い。あれを食べたらもう生半可なプディングを食べられなくなるから」


「そ、そうなのか?」


『ふふふ、大袈裟ですよ。確かにお菓子作りに関しては少し得意ではありますが』


 その後、シチューを食べ終わった後、俺たちはヴァイオレットにプリンを御馳走してもらった。

 味はリーフの言った通りだった。


「う、旨すぎる。なんなんだこれは……」


 甘すぎず、滑らかな食感に加えて濃厚さもあり、最下部に溜まっているカラメルのほろ苦さがプリンにマッチしていて、何とも言葉に表すのは難しい味だった。


 ただ、一つ言えるのは美味しいという言葉だけでは不十分なくらいの代物であったということだ。

 確かにリーフの言ったことは大袈裟でもなんでもなかった。


『ふふ、お褒めに預かり光栄でございます』


 ヴァイオレットはニコリと笑った。

 隣にいたリーフはもう完全に虜になっており、恍惚とした表情を浮かべながらプリンを食べている。

 

「恐るべし、聖威剣の作るデザート……」


 人様もいつか人間以外の種族の台頭によって職に溢れる日が来るのだろうか。

 前にチラッと聞いたことがあるが、自動人形という存在が人の代わりに動いている国もあるらしい。


 現実になればある意味、魔王の出現よりも恐ろしい事象になるかもしれないな……


 そんなことを思いながら、俺は体感したことのない味に浸るのだった。

本話も読んでいただき、ありがとうございました!!


さてさて、いつもの更新報告になります!

現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第27話が昨日より公開されております!


今回は驚きの展開が盛り込まれた一話になっております!

原作にはないコミカライズオリジナルの超展開がありますので是非、読んでみてください!


また、本作の第4巻が3月24日(月)に発売されることが決定致しました!

応援いただき、本当にありがとうございます!


既に一部のサイトにて予約が始まっているみたいですので、是非チェックしてみてください!

詳細は随時活動報告やXにて告知致しますので、是非ご確認いただけますと幸いです。


Xは私のトップページの右側にあります「ウェブサイト」と書かれているところをクリックすると飛ぶことが出来ます!


また、本作のコミックス1、2巻、そして最新刊の3巻が現在発売中ですのでこちらも是非、宜しくお願い致します!


下記に作品ページに直接行けるリンクを張っておきますので、まだ未読の方は是非読んでみてください!!


今後とも本作品を何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m


コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻冬舎コミックス様より
コミックス4巻発売中!
現在「comicブースト」様にて好評連載中です!
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件

i801353


↓comicブースト様連載サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



↓幻冬舎コミックス様紹介サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



アルファポリス様より
小説2巻発売中!
無能と蔑まれし魔術師、ホワイトパーティーで最強を目指す

i801359


↓アルファポリス様紹介サイト↓
無能と蔑まれし魔法使い、ホワイトパーティーで最強を目指す

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ