253.謎の人影
いつもご愛読、ありがとうございます!
本日も新刊発売後初の告知がありますので、是非後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!
「ふぅ……なんかここ最近は色々なことがあったな……」
工房へ報告を済ませた後、俺は帰路についていた。
俺の家は工房を起点に王都からは逆の方向に位置する小さな町の中にある。
フェルンという名前の町でここでは親方が管理している借家があるのだ。
俺は親方に拾われ、鍛冶職人として働き始めてからここに住んでいる。
ちなみに一部の工房の職人も使用しているので、住居人は顔見知りだったりもするのだ。
「あらシオンくん、今日は早いのね~」
「こんにちは、おばさん。今日は早めに仕事が終わったので」
町に入ると王都ほどではないが、小さな市場がある。
そこで贔屓にしてもらっている青果商のおばさんに声をかけられた。
「最近は魔物が良く出るって話を聞くから、道中気を付けてね~」
「ありがとうございます。あ、今日ってジュースの実ってあります?」
「ジュースの実ならちょうど今日入荷したの。買っていく?」
「はい。三つほどいただいてもいいですか?」
ジュースの実というのはいつも俺が好んで食べている果実だ。
青色のまん丸とした大きな果実で皮をむくと、少し赤みを帯びた果肉が姿を現す。
糖度が非常に高く、強い甘さがあることによる食べやすさと、何より良いのが栄養価が他の果実に比べて高いというところだ。
その上、強い滋養強壮効果もあり、健康維持にも効果を発揮する。
まさに非の打ちどころがない食べ物なのだ。
デメリットは毎日食べていると飽きるってことと、一部の栄養素が摂取できないくらいだ。
仕事でくたくたになり、満足に食事が出来ない時に重宝していたものだ。
仕事に慣れ始め、しっかりと食事をするようになってからも、時々好んで食べている。
「はい、どうぞ! 今日もサービスしておいたから!」
お会計を済ませ、袋を受け取る。
袋の中を見ると、ジュースの実が追加で2個とたまねぎやじゃがいもなどの食材がいくつか一緒に入っていた。
いつもここで食材を買うようになってから、贔屓にしてくれるようになったのだ。
「ありがとうございます。いつもすみません……」
「いいのいいの! いつも助かっているからね!」
おばさんはニコリと笑うと、俺はお辞儀をしてその場を去った。
「せっかく食材もいただいたころだし、今日は簡単な料理にでも挑戦を――ん?」
家が段々と近づくにつれて俺は異変を察知する。
借家の、しかも俺の部屋の前で佇む人影を視認したからだ。
「あれは……誰だ?」
家に到着すると、恐る恐るその人物に近づいてみることに。
『あ、シオン様!』
すると向こうもこちらの存在に気づいたようで、顔を向けてくるとその綺麗な顔立ちが視界に入ると共に、俺の名前を呼ぶ透き通った声が耳に入ってきた。
本話も読んでいただき、ありがとうございました!!
現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第23話が本日更新されました!
今回はリーフレットの可愛さ溢れるお話になっております!
ほのぼのとしつつもドキドキした瞬間を味わえるお話になっておりますので、今回も是非小説版と読み比べてみてください!
また、本作のコミックス1、2巻、そして最新刊の3巻が現在発売中ですのでこちらも是非、宜しくお願い致します!
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今後とも本作品を何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m
コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322




