252.親方と女王3
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「聖極の力ですか……」
聖極の力とは本来、魂に宿る特殊な力のことである。
精霊が好むエネルギーを発しており、精霊使いはこの特殊な魂を媒介にして精霊と契約する。
だがクラリスは魂だけではなく、魔力にもその力を宿しており、その魔力を媒介にリダラと取引をした。
「俺の魂はリダラによって肉体を離れ、新たな器に移し替えられた。器は知り合いに高度な錬金術を使えるヤツがいたから、そいつに作ってもらったんだ」
「じゃあ、親方のその身体って……」
「ああ、つくりもんだ。良く出来てるだろう?」
所謂、ホムンクルスというやつか。
錬金術師の中でもホムンクルスを生成できるのはごくわずかと言われている。
現代においては、それこそ錬金学会とかに所属するような高位の錬金術師しか使えないものであるのだが……親方って一体何者だったのだろうか。
謎は深まるばかりである。
「ちなみにリダラは結局どうなったんですか? 今でも親方の魂の中に?」
「さぁな。それは未だに分からないんだ。この身体になった後に接触を試みたが、音沙汰なくてな。肝心のクラリスはそれから冒険者を辞めちまって会えなくなった」
親方は過去を思い出しているのか、じっと天井を見つめる。
「だから、あいつがリダラに何の取引を持ちかけたのかも分からず仕舞いになっちまった。聞いてみたくても肝心の本人は”塀の中„だしな……」
「そうだったんですね……」
でも聖水が使えるということは、精霊使いとしての能力は失われていないということだろうけど……
「とはいえ、今では思い出の一つよ。強いて言えば生前よりもイケメンだったらなお良かったんだけどな!」
再び歯を出して親方が笑う。
だがここで一つ、疑問が浮かんだ。
「そう言えばなぜその容姿になったんですか? ホムンクルスということなら、容姿含めて作り手に意味があったんじゃ……?」
「いや? 容姿についてはその知り合いのちょっとした嫌がらせだ」
「い、嫌がらせ……?」
「おう、生前の俺がイケメン過ぎて腹が立ったので生まれ変わりはブサメンにしてやろうと思ったらしい。理由を聞いた瞬間に一発グーを入れてやったがな!」
「はぁ……」
なんだそりゃ、完全に私怨じゃないか。
それはグーで殴られても文句は言えない。
まぁ……あまりにもイケメンで俺も当事者側になったら、嫉妬の感情とか湧くのだろうか?
……と、考えてみたが身近にいたわ、ユーグという存在が。
でも不思議だ。なぜか嫉妬の感情がおきない。
イケメンなことは否定しないけれども。
「ま、いつかはクラリスに恩返しがしたいと思っているけどな。今の俺がいるのもあいつのおかげなんだから……」
「親方……」
しみじみとする親方だったが、すぐに顔をパンパンとすると、
「さ、昔話もここまでにして仕事だ仕事! あ、お前は帰って休めよ? 仕事していたらぶっ殺すからな!」
「は、はい……」
親方は俺に念を押すと、作業場に戻っていく。
その後、俺はこっそり仕事を……と思ったが、ぶっ殺されるのは嫌なので素直に帰ることにしたのだった。
本話もお読みいただき、ありがとうございます。
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