251.親方と女王2
いつもご愛読、ありがとうございます!
本日は二つ告知がありますので、是非後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!
「相棒って……どういうことですか?」
親方はしばらく目を瞑った後、口を開いた。
「俺の身体の中には精霊がいたんだ。昔の俺は俗に言う精霊使いだったんだよ」
精霊使いとはその名の通り、精霊と契約を結び使役することで力を得る人たちのことを言う。
だが、その数は非常に少ないと言われている。
俺も勇者時代に遡っても精霊使いという言葉は知っていても会ったことはない。
理由としては、そもそも精霊と単身契約することが非常に困難であることだ。
契約する際はその人物の持つ魂を精霊と結びつけなければならない。
その時に精霊の力が勝っていると、魂自体が力に吞み込まれて雲散してしまう。
故に歴史上、精霊と契約する際は複数人で契約を結び、魂を分割して結びつけることで一時的にその力の一部を使うことができるというのが一般的となっている。
そんなわけで、精霊と単身契約をする精霊使いは別格の存在なのである。
「親方があの精霊使いだったなんて……」
「しかもただの精霊じゃない。当時は精霊王と呼ばれた最上位精霊と契約を結んでいたんだ」
「精霊王って……」
俺は前に精霊園にて精霊王ルシアと会った時のことを話すと、親方は目の色を変えて俺に迫ってきた。
「お、お前……彼女に会ったことがあるのか!?」
「え、ええ……」
「そうか……今のあの子は立派に王をしているのだな……」
「彼女を知っているんですか?」
「知っているも何も、俺が契約したのはルシアの母……前精霊王のリダラだ。当時のルシアは下位精霊レベルの力しかなかったから、そんな子が精霊王とは驚いたもんだ。もっとも、精霊園にお前が足を踏み入れたこと自体が一番の驚きだったがな」
親方はガハハッといつものように盛大な笑いをあげる。
それにしても、精霊王と契約していたなんて……
もしかして俺の師匠は世の中から見ても別格の存在なのではないだろうか?
まぁ、ドレイク家の人間という時点で少しだけ予感はしていたけども……
「んで話を戻すが、俺はある依頼の最中に致命傷を負った。治癒魔法は効かず、後は死を待つのみだったが、クラリスが自らの魔力と引き換えにリダラに取引を持ち掛けた。それが魂の移植だったわけだ」
「でも契約者以外の人間が取引をすることって可能なんですか?」
「本来ならば不可能に近い。というのも取引も契約と同様に魂の一部を精霊と結びつけなければならないからだ」
親方が言うには取引の内容次第でどれだけの密度の魂を結びつけるか決まるとのこと。
とはいえ、精霊の力に耐えゆる魂であることが前提条件になるのは変わらないので普通の人間では単身での取引はほぼ不可能だという。
「だが彼女は特別だった。厳密には彼女の魔力が……といったところだが」
「魔力ですか? 魂ではなく?」
親方はコクリと頷くと、神妙な面持ちで話し始めた。
「ああ……彼女の魔力には精霊が最も欲する力、聖極の力が宿っていたんだ」
本話も読んでいただき、ありがとうございました!!
今回は二つ告知がございます!
まずは、現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第22話が本日更新されました!
今回は物語に出てくるあの人が驚きの展開で登場します!
小説版とは異なるワクワクする展開になっているので是非読んでみてください!
二つ目ですが、本作品のコミックス第3巻が【7月24日】に発売が決定致しました!!!
いつも応援、ご愛読いただき、ありがとうございます!!
追加情報等がでましたら、X(旧Twitter)や活動報告にてお知らせしていこうと思いますので、是非チェックをお願い致します!
また、本作のコミックス1、2巻も発売中ですのでこちらも何卒宜しくお願い致します!
下記に作品ページに直接行けるリンクを張っておきますので、まだ未読の方は是非読んでみてください!!
今後とも本作品を何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m
コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322




