250.親方と女王1
いつもご愛読、ありがとうございます!
今回も告知がありますので、是非後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!
「女王陛下と俺の関係……か」
「あ、もし話しにくいことであれば無理には……」
「いや、いいさ。お前さんにはもう俺がドレイク家の人間だったというトップシークレットを話しちまったからな」
親方は不敵な笑みを浮かべてくる。
あの話がトップシークレットだったのか。
いや……冷静に考えればそうか。
創作話のような内容だけど、事実と受け止めればとんでもないことなのだし。
「なぁに、女王様……いやクラリスは昔の俺を知っているってだけだ」
その言い方は旧知の仲と言わんばかりの雰囲気を感じた。
「昔というのは転生する前のこと……ですか?」
親方はコクリと頷くと話を続けた。
「もう何年も前にはなるが、俺とクラリスは元々冒険者仲間だったんだ。あ、当時はクリスって名前だったかな」
「じょ、女王陛下が元冒険者だったんですか!?」
これは驚きの事実である。
「まぁな。俺もその時は彼女が国の第一王女だってことは知らなくてよ。後で知った時は度肝を抜いたさ。気が合ったヤツだったから、冗談でセクハラしちまってたし」
「親方……」
何をしたか気にはなるが、その辺はあまり追及しないことにしておこう。
「その時にまぁ色々と武勲を立てて、その積み重ねで俺たちはかけがえのない戦友になっていったってわけだ」
「そうだったんですね……」
あの女王様が元冒険者だったとは……
理由は分からないけど、実力を肌で感じた今なら納得できる。
あの女王様の強さは普通の鍛錬だけで仕上がっているものではなかったのだと。
「いやぁ、それにしても思い出すと色んなことがあったな……例えば他の冒険者仲間に唆されてクラリスの入浴中を攻めにいったりとか! 見つかった時はマジで死ぬかと思ったな……あの目は本気だったし……」
「なにやってんですか……」
そんな子供みたいなことを……
唆されたといっているが、これは間違いなく親方の意思でもあるな。
「まぁまぁ若気の至りってやつだ! 今でも美人だが、若かりし頃のクラリスはそれはもう絶世の美女だったからな。アプローチをかけていった男たちの心をへし折っていく姿はまさに氷雪の女って感じだったし」
「ちなみに親方もその一人だったり……?」
「……」
親方は急に黙りだすと明後日の方向を見始めた。
ああ……これは間違いなく何かあったな。
親方はこれ以上は聞かれたくなかったのか、コホンとわざとらしい咳払いをして話をリセットする。
「それに……今俺がこうして生きているのもあいつのおかげだしな」
ボソッと親方が呟く。
「生きているのもって……まさか親方が転生できたのは……」
俺がそこまで言いかけると親方は昔を思い出すように静かに頷いた。
「ああ……クラリスが取引をしたんだ。俺の中にいた〝相棒〟とな」
本話も読んでいただき、ありがとうございました!!
いつもの告知でございます!
現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第21話が本日更新されました!
今回は遂にコミカライズ版オリジナルキャラが登場します!
女王謁見から、小説版とは一味違う展開になっていますので、是非小説版と読み比べてみてください!
また、本作のコミックス1、2巻も発売中ですのでこちらも是非、宜しくお願い致します!
下記に作品ページに直接行けるリンクを張っておきますので、まだ未読の方は是非読んでみてください!!
今後とも本作品を何卒よろしくお願い申し上げますm(__)m
コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322




