246.この御恩は……
いつもご愛読、ありがとうございます!
今回は新作の告知がございますので、是非後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!
「改めまして、今回は突然の模擬戦の申し出に応じていただき、ありがとうございました」
「お役に立てたのなら良かったです」
いきなりお誘いを受けた上にあのような事実を述べられた時は驚いたが、何とかなってよかった。
「この御恩は必ずお返ししますので、何かお困りごとがあれば何でもおっしゃってくださいませ」
「いえ、別に俺はそこまでのことは……」
そういうと、女王様は鋭く首を横に振った。
「そういうわけにはまいりません。経緯や形はどうであれ、一般市民である貴方を政治利用したのには変わりありませんから……」
なるほど。確かに向こう側の立場からすればそうなるのか。
今回の決闘を承諾した理由は女王様からの直々の申し出ということと、あのような話を聞いた上で、頼られたから……というのもあるが、根本的な理由は魔王にも関係していることだった。
勇者軍に関与している限り、魔王関連のことは決して無関係ではない。
むしろ国全体でそのような体制を整えてくれるのは軍としてもありがたいしな。
彼女の言う通り、今は人同士で争っている場合ではないのだ。
ゴルドやバルガの一件、そしてヴァンゴッドからの直々の殺害予告……これらを鑑みると魔王軍側が本格的に動き始めているのは紛れもない事実だからな……
「分かりました。もし何かありましたら、ご助力いただけますと嬉しいです」
そういいつつ、俺は淹れてもらったコーヒーを更に一口含む。
女王様もリラックスしているのか、紅茶の香りを楽しみつつ茶菓子を味わっていた。
「こちらも改めてになってしまいのですが、魔剣の制作依頼を受けていただきありがとうございました。やはり私の目に狂いはありませんでしたね。あそこまで自在に制御できる魔剣はレーヴァテイン以上です」
「そこまで褒めていただけるとは……感無量です」
職人冥利に尽きるとはこのことだな。
伝説の魔剣レベルの代物を求められていたから、正直不安だったけどまさかここまで好印象を得られるとは……
「これでようやく私の使命を果たすことができます……」
「あの……差し支えなければでいいのですがその使命とは一体……」
膝の上でぐっと拳を握る彼女に俺は勇気を絞って聞いてみると、クラリスは静かに頷いた。
「そうですね。貴方様にはお話しておいた方がいいかもしれません。この話は恐らく勇者軍にも関係してくることですから……」
彼女はそういうと、再度砂糖が溶けきった甘々な紅茶を一口含む。
そして何か覚悟を決めたような眼差しをこちらに向けてくると、女王様は話し始めた。
本話もお読みいただき、ありがとうございます!
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