242.決着
いつもご愛読、ありがとうございます!
本日もコミカライズの告知がありますので後書きまで読んでいただけますと嬉しいです!
また、後書きでも告知していますがおかげさまで本作のコミックス2巻が9月22日に発売が決定致しました!
詳細は活動報告に随時内容を上げていきますので、ご確認いただけますと幸いです!
「参りますよ……お覚悟をっ!」
言葉と共に弾丸の如くスピードで彼女が迫ってくる。
先ほどよりも早く鋭い動きだ。
だが今の俺にとっては障害というほどにはならなかった。
「……ッ!?」
だが向こうも予想をしていてか、先ほどのよりもギアをあげてくる。
「くっ……!」
そこからは激しい剣の打ち合いだった。
一歩も譲らぬ攻防に流石にギャラリーたちも驚きを隠せないようだった。
「な、なんだあれは……」
「ウソだろ……あの姫様と互角にやり合ってるなんて……」
そんな言葉が飛び交う中、俺はようやく彼女の一撃を捉えると瞬時にはじき返し、そのまま剣体で押し切った。
「まだです!」
相手も負けじと応戦する。
だが、剣気を纏った俺の模造剣がうなりを上げ、更なる圧が王女に降りかかった。
「うっ、この力……は!」
「申し訳ありません、クラリス様。ここで決めさせていただきます!」
間髪入れずに、一撃二撃。
攻撃を加えていくごとに、俺のスピードはより速くなる。
「くっ…うっ……!」
防護用の鎧を着ているとはいえ、彼女にかかっている負荷は相当なものだろう。
しかしここまできたらもう止められない。
やると決めたらやる!
男に二言はないのだから……!
「これで終わりです……!」
そして最後の一撃が彼女の胴体を突こうとした瞬間だった。
「な……!」
なんとその一撃を完璧に素手で受け止めたのである。
「まだです……まだ……!」
なんという執念だろう。
その姿を見ただけで彼女がこの一戦をどれだけ本気でやっているかが分かった。
でもそれ以前に彼女としてのプライドがそうさせているのだろう。
ここまでやられていてもなお、奮起を見せる不撓不屈の精神……
なるほど。これが親方も慕う『大戦の英雄』ということか。
「でも……!」
俺だって何も抱えずにこのフィールドに立ったわけじゃない。
初めこそ驚きはしたが、俺は彼女の提案に首を縦に振ったのだ。
この圧倒的アウェーな空間で女王と戦うなんて正直、断れるなら断りたいくらいだ。
だが俺は彼女の……国を率いるとはどういうことかということの一端を見た。
その覚悟に応えるためにも……俺はやると決めたんだ!
「な……に? この力、さっきよりも……!」
権威者にここまでしたのだ。後のことは正直怖い。
でもその辺は女王様がなんとかしてくれるだろう……うん。
「殿下、お覚悟を……!」
とにもかくにも、今はこの試合に終止符を打つ。
俺は更に剣に剣気を込めると、そのまま彼女を吹き飛ばした。
「ぐっ……!」
クラリスは壁に思い切り叩きつけられると、
「そう……ですか。これが……勇者様なのですね……」
小さく吐いたその言葉と共に、彼女は微笑むと眠るように目を閉じたのだった。
本話も読んでいただき、ありがとうございました!!
毎度おなじみの月一回の告知でございます!
現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第15話が本日更新されました!
今回はシオンとリーフレットの共闘というオリジナル展開で進んでいきます!
物語も1章の終盤になっており、小説版とはより視点の異なる要素が詰まった一話になっていますので、是非読んでみてください!
また、本作のコミックス2巻が9月22日に発売が決定致しました!
既に予約も始まっていますので、こちらも是非宜しくお願い致します!
下記に作品ページに直接行けるリンクを張っておきますので、まだ未読の方は是非読んでみてください!!
コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322




