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239.次の国づくりにむけて

いつもご愛読、ありがとうございます!

今回も宣伝がありますので、是非後書きまで

読んでいただけると嬉しいですっ!

 

 神裁決闘そのものをなくす。

 彼女の口から確かにそういい放たれた。


「神裁決闘そのものをなくすって……」


「ずっと思っていたのです。私が望む国家のあり方に神裁決闘のようなものがあっていいものかと」


 ルーべリックは彼女の口からも出たように戦闘思想の強い者が集まり建国した国家だ。

 戦争によって国家の立場を辺境国から強国へと確率させ、その軍需産業で富を築いた。


 遡っていけば、勇者軍という組織が出来たのもそういった歴史を紐解いていくと、その内の一端に過ぎないことが分かる。


「大戦が終戦し、人同士の争いが収まった今、次に向けての国づくりをしないといけないと思ったのです。新たな脅威に対抗するためにも……」


「魔王……ですね」


 彼女はコクリと頷いた。


「魔王ガルーシャ復活の件は前々からお話を伺っております。故に今は人同士で争うのでなく手を取り合う時代へと変わってきています。そんな中で我が国が築き上げてきた文化の中には見直すべき点があると思ったわけです」


「その第一歩が神裁決闘の廃止というわけですか」


「そうです。この裁判は簡潔で分かりやすいですが、罪人を強く取り締まるという点では懸念点がありますので」


 まぁどんな罪を犯しても決闘に勝てば問答無用で釈放だもんな。

 悪人だろうが何だろうが、強ければ許されてしまう……


 負ければ即処刑ではあるし、今の神判官がクラリス女王の内は罪人を釈放するということはほぼないわけだが、現在の世と長期的なスパンを鑑みると懸念点はあるのだろう。


「私が敗北すれば神裁決闘の廃止に向けて大きく前進することができます。一部の古い人間(ひと)から反発はあるかもしれませんが、現状神判官になれる資格があるもので一番適任なのは私ですからね。そして周りからは現国家勢力で最強とも謳われている。そんな存在が負けたら影響が出ることはまず間違いありません」


「それで自分にその圧倒的な力を見せつけてほしいと……」


「その通りです!」


 簡単に言うぜ。

 相手は大戦の英雄だぞ? 


 普段は人を軽々しく褒めたりしないあの親方ですら、目を見開いてその凄まじさを豪語するくらいの人だ。


 確かにクラリス女王くらいの実績と英雄譚がある人間が今やただの【一般鍛冶師】に負けたとなりゃ大事だ。

 王女の言う通り、様々な方面で影響が出ることは必至だろう。


 だが、そんな相手をボコボコに出来るのか……?


「そういう演技をする……ってわけにはいかないんですかね?」


「そんなことをすれば一発でバレてしまいます。観客の中には武術に長けた人間が山ほどいるんですから。仮に上手く立ち回れても、代々王族に従えてきた騎士家系の貴族たちの目は誤魔化せません」


 八百長は禁じ手ってわけか。

 まぁ、仮にそれでバレたらそれこそ大事になるしな。


 どちらにせよ危険な橋であることに変わりはない……か。


「貴方の実力は陰ながら聞いております。どうかその力、私と国の為に分けてくださいませんか?」


 もう一度イエスといった以上、引き返すつもりはない。

 とはいえ……女王陛下をボコボコまでに出来る確証は全くもってないが。


「男に二言はありません」


 そう告げた後だ。


『これより――』


 会場の方から特別決闘の開催のアナウンスが聞こえてきた。

 それと共に大きな歓声が地面を揺らす。


「そろそろですか。では、後ほど……」


 そういうとクラリスは静かに会釈をして去っていった。

 色々ととんでもないことを任された気がするが……


「やるしかない……か……」


 色々と考えたいことはあったが、それらを強引に振り払うと、俺は覚悟を決めるのだった。

本話も読んでいただき、ありがとうございました!!


おなじみ、月一回の告知でございます!

現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第12話(後編)が本日更新されました!


今回は後編になります!

1章の山になるシーンに入っていき、オリジナル要素も

ありますので小説版と見比べてみて楽しんでいただければと思います!


また、本作のコミカライズ1巻が昨年の10月24日より発売されています!

こちらも是非宜しくお願い致します!


下記に作品ページに直接行けるリンクを張っておきますので、まだ未読の方は是非読んでみてください!!


コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322

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