234.初めての相手
いつもご愛読、ありがとうございます!
さて、今回も月1回のご報告がありますので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです!
「「女王陛下が直々に決闘を申し出ただと?」」
「「今まで誰一人として決闘の申し入れを承諾したことがなかったあの陛下が?」」
女王が一言そういうとお付きの騎士たちが揃ってざわつき始めた。
「周りの方がおっしゃっているように、私はこの人生の中で一度も決闘の申し入れを受けたことがありません。逆もまた然りです」
クラリスは周りからの声に付け加えるようにしてそう言った。
「つまり、自分が初めての相手になると……」
「そういうことになりますね」
軽ーいノリでそう言っているが、これはとんでもないことだ。
一国の長がただのしがない元勇者の一般人に決闘を申し込む。
これがどれほどのことを意味するか……
「もちろん、お断りしていただいても構いません。これはあくまで私の我儘ですので」
とはいえ、周りは突然のことで無駄にヒートアップしている。
こういうビッグニュースが拡散が早いもので、どこから聞きつけたのか、さっきよりも人が増えていた。
もうこの時点で俺に断るという選択はほぼないに等しい。
ここで断ってしまえば女王の顔に泥を塗ってしまうことになる。
本来ならば丁重にお断りしたいところなのだが……
「分かりました。女王陛下がそうお望みなら、喜んで剣を振るいましょう」
「ありがとうございます。では準備してきますので、少しお待ちいただけますか? 案内は城の者にさせますので」
クラリスはそういうと、足早に去っていった。
なんだか少し嬉しそうな感じだったけど……
「シオン様!」
女王が去った後、別の方向から走ってくる人物が一人。
「あれは……マクドエルさん?」
重い鎧を着たまま軽快な身のこなしで現れた若い男騎士は以前初めて城に訪問してくれた時に女王の元まで案内してくれた戦士長のマクドエルさんだった。
「ふぅ、どうやらまだ始まっていないみたいですね」
マクドエルさんは汗を拭うと、ほっと一息ついた。
「マクドエルさん? どうしたんですそんな慌てて」
「おっとこれは失礼致しました。実は先ほど女王陛下より招集がかかりまして、決闘試合のジャッジ役を仰せつかったのです。闘技場での試合は団の重役がいないといけませんからね」
「闘技場? 鍛錬場でやるんじゃないんですか?」
「本来は鍛錬場でもいいんですが、殿下にとってはあの場所が一番いいのでしょう。唯一自分に素直になれる場所ですから」
「……?」
どういう意味だろう。
何か特別な場所なのだろうか?
そんな話をしていると、一人の女騎士が俺の元にやってきた。
「シオン殿、闘技場への案内の準備が整いましたのでご同行願います」
本話も読んでいただき、ありがとうございました!
毎度おなじみ、月一回の告知です!
現在comicブースト様にて連載中の『俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件』の第9話が本日更新されました!
本話では本作のお調子者枠であるユーグの勇士が見られます。
コミカライズ版ならではの表現で彼のギャップが一段と際立っているので、是非読んでみてください!
また、本作のコミカライズ1巻が10月24日より発売されています!
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コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322




