227.狂戦士再び
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リラちゃんの決意を聞いたところで、俺たちも覚悟を決める。
『シオンよ』
グランが何か含みのある感じで俺の名を呼んでくる。
その意図は聞かずとも何となく察した。
「分かってる。もし何かあった時は俺が責任を持って止めるよ」
『うむ、頼むぞ』
グランとて、リラちゃんのもう一つ人格が覚醒すればその力を抑制することは容易いことではない。
それに一時的にリラちゃんの聖魂と結びつくため、内側から抑え込むのは困難を極める。
もしそうなれば俺が力づくで抑え込むしかない。
「……よし、準備はいい?」
「いつでも大丈夫です」
リラちゃんは最後に深く息を吐くと、鋭い眼差しを向けてくる。
『では、ゆくぞ!』
グランの声と共に剣体が光り輝く。
「う、うぅぅぅぅっ!」
どんどんと高まる魔力。
それに付随して赤く禍々しい霧が彼女を包みこんだ。
「もしかしてあれが……」
だがじっくり観察している暇はない。
向こうはもう既に覚醒を終えていた。
「はぁ……はぁ……ふ、ふふふっ!」
途端に不気味な笑みを浮かべ、その赤く光り輝く眼光を向けてきた。
「また……会えたな。黒き勇者……」
黒き勇者とは俺のことだろうか。
「この時は待っていたぞ……あの時は油断したが、今回はそうはいかない」
姿勢を低く保ち、変わらずその眼光で威圧してくる。
「覚悟しやがれ……っ!」
言葉よりも先に身体が飛んでくる。
「くぅっ……!」
これを刃で防ぎ、そのままノックバックさせられる。
「オラオラオラァ! どんどん行くぞぉ!」
すかさず連撃を繰り出す。
回避と護身術、これらを駆使して何とか防ぎきると、一旦距離を置いた。
「くっ、なんなんだこの力は……」
前戦った時も明らかに強くなっている。
グランの力が上乗せされているのだろうが、基礎的な能力も前よりも上がっているように思えた。
「はっ! あの攻撃を全て防ぎきるとはな。流石はあの小娘が見込んだ男だ」
ケタケタ笑いながら、再び俺に刃を向けてくる。
「こりゃ……油断していたら持っていかれるな」
最初は様子を見ながら……とか思っていたが、そんな余裕はないみたいだ。
向こうは本気で俺をぶっ倒そうとしてきている。
そう、明確な殺意があった。
一歩間違えればやられるのはこちら側だ。
それにさっきの流れからして、もうここにリラちゃんはいない。
完全にもう一つ人格に飲み込まれている。
となればもうやることは一つ。
全力で止めるだけだ。
「さぁ、もっと楽しもうぜ! この戦いをよ!」
来る……!
そう思った時だった。
「うっ! な、なんだ!?」
突然、リラちゃんの身体が光り輝くと白い霧みたいなものが彼女を覆い始めた。
同時に掠れ声ながらも、奥底に眠る彼女の声が響き渡った。
「わた、し……は、ま、けな、い……っ!」
コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322
本話もお読みいただき、ありがとうございます!
本日5/3からcomicブースト様にて連載されています同作品の最新話が更新されました!
第4話もオリジナルなシーンが盛り込まれています!!
これから本格的に盛り上がってきますので、是非読んでみてください!
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