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225.リラちゃんの願い

いつもご愛読、ありがとうございます!

本日は後書きにてお知らせがありますので、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです!


「行きますよ、シオンさんっ!」


 同時に呪文を叫ぶと、先に仕掛けてきたのはリラちゃんからだった。

 素早い身のこなしで懐に入りこむと、一気に死角へと回り込む。


「貰いました!」


 彼女はその一刀で勝利を確信していたみたいだ。

 刹那の速さで我が相棒を振りぬく。


 でも、それでは甘い。


「えっ……弾かれた!?」


 死角から放ったはずの一刀は俺の剣の壁に阻まれ、その反動でリラちゃんの態勢が一気に崩れる。


「次はこっちから行くよ!」

 

 すかさず相手の隙をつくと、今度は俺がリラちゃんの懐に入り込む。


「よ、避けられない!?」


 テンポよく、相手の眼差しをしっかり見て次に起こすであろう行動パターンを予測する。

 そしてその行動パターンに備えた動きをすることで相手の動きを封じこんでいく。


 特にリラちゃんは頭で考えて戦うタイプだ。

 だからこそ、素直で分かりやすい。


「はぁっ!」


 俺は素早く剣を振りぬき、相棒の剣体を狙う。

 しかし流石は女王陛下の妹君、一瞬の間合いに反応すると、身体全体でその一撃を受け止めた。


「はぁ……はぁ……」


「やっぱり強いね。流石はクラリス女王陛下の妹だ」


「シオンさんこそ、動きが異次元すぎます。わたしの行動パターンを全て読んでくるなんて……」


「目線をずっと見ていたからね」


「目線?」


「そう。人にはどうしても隠し切れない癖というものがある。それが目線だ。人は動くとき、一瞬でもそちらの方向を向くように本能が働くからね」


「なるほど……」


 とはいえ、それを完全に消し去る方法は存在する。

 感覚で動くことだ。


 相手の気配を肌で察知し、音や周りの環境で行動を把握することだ。


「つまり、自分の置かれている環境と一体になるということかな」

 

「そんなことができるんですか!?」


「こればっかりは感覚とかの問題だから、何とも言えないけど、リラちゃんならできると思うよ。実際、さっきの攻撃は凄く良かった。あの判断力は並大抵のものじゃない」


「ほ、本当ですか?」


「本当だ。だから自信を持っていいと思う。って偉そうに何言ってんだ俺は」


「いえ、そう言ってもらえてすごく嬉しいです。もう一人のわたしじゃないと、戦えないって思っていたので……」


 二つ目の人格のことか。

 確かにあの時戦った時のリラちゃんは凄まじく強かった。

 

 何とか鎮圧は出来たが、割とギリギリなところもあったし……


 って、ちょっと待てよ。


「そういえばリラちゃんは解放の呪文を唱えたのにどうして普通の人格を保っているんだ?」


 前回は呪文を発動させた瞬間に二つ目の人格が露わになっていたが……


『あぁそれなら我が抑えておいたのだ。どうやらこの娘の人格変異は一定の魔力を聖威剣から吸い上げない限り、発現しないみたいなのでな』


「そうなのか!?」


 グランはコクリと頷いた。

 ということは解放の際に魔力の制御さえ上手くできるようになれば、無理に人格を変異させることはないってわけか。


「まぁとりあえず剣の調整が上手くいっていることは分かったから、今回はこの辺に――」


「ちょっと待ってください、シオンさん!」


 この辺で一度終わろうとした時にリラちゃんが止めに入った。

 そしてすぐさまグランの方を向くと、


「グランさん……その、一つが頼みがあるのですが」


『なんだ?』


 リラちゃんは真剣な目の色でグランを見つめると、


「私の力をもう一段階解放してくれませんか。……私のもう一人の人格を呼び覚ます為に」


 何かを願うように、拳を強く握りしめながらそう言った。

コミカライズURL:https://comic-boost.com/series/322


本話もお読みいただき、ありがとうございます!

前書きでお伝えしたお知らせですが、本日comicブースト様にて連載されています同作品の最新話が更新されました!


第3話は1章の物語が大きく動く起点となる話に仕上がっています。

物語の本筋は変わりませんが、漫画版ならではの描写もあるので、是非読んでみてくださいっ!


上記のリンクより、連載ページに飛べます!

何卒応援のほど、宜しくお願い致します!!

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