表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

205/266

205.隔離される魂

お待たせ致しました。

更新です!


 歪んだ空間の中で。

 ただ一人しかいないはずなのに、聞こえてくる奴の声。


 耳元で囁いてくるそれは、圧倒的な余裕を感じた。


「さぁ、君は彼らと同じ末路を歩むのか否か……試させてもらうよ」


 間違いなく奴の声だ。

 だが、可笑しい。


(身体が、思うように動かない……?)


 まるで誰かに身体を操作されているかのように。

 俺の身体は不自由になっていた。


 身体を動かすことだけじゃない、声すらも自由に発せなくなっていたのだ。


 そして何より面倒なのは、奴の姿が全く見えないこと。

 視界に広がるは暗闇のみ。


 孤独を感じるその空間には物音さえ一つもしない。

 もちろん、リーフたちやグランの声も。


 ただ聞こえてくるのは奴からの不快な声だけだった。


「さて、早速君にも味わってもらおうか。魂を傷つけられるその痛みを……」


 なんだ、魂を傷つけるって……うっ……!


 途端に身体に謎の刺激が走る。

 痛みというただ単純なものではない。


 感覚的には段々と身体が蝕まれていくような感じだ。


(どう、なっている……)


 いつものように力を行使しようにも、身体が言うことを聞いてくれない。

 ただ他人に身体全体を弄られているかのような不愉快な感覚だけが延々と続いた。


「へぇ、君も中々しぶといね。普通の人なら、もう倒れているくらいなのに」


 なに言ってるんだ……こいつは。


「まぁ、他の勇者たちでもこれくらいなら耐えられたんだから君が何ともないのは当然のことか。なら、君にはもっと上の段階で試してみようかな」


 上の……段階? ……ぐはっっ!


 またも身体全体に響き渡る謎の衝撃。

 今度はさっきの比ではない、単純な痛みも感じるほどの感覚が俺を襲った。


(う、うっうぅ……!)


 まるで身体が張り裂けそうなくらいの痛み。

 でも目に見えた身体への影響はない。


 痛みと摩訶不思議な感覚と奴の声。

 俺がこの空間で感じるのは、それだけだった。


「おぉ、これでも耐えるんだ。結構強めにいったつもりだったんだけど、やっぱり君だけは別格みたいだね」


 悠々とした声が耳に入って来る。

 完全に遊ばれているみたいだ。


(どうにか打開する方法は……ん?)


 一つ、ここであることを思いついた。

 それはさっき奴が言った「魂を傷つける」という言葉だ。


 仮に俺の魂だけを抜いて別の次元に置いているのだとしたら……


(……やってみるか)


 この空間において、俺は奴に抵抗する手段を持たない。

 ならば、俺が奴に対抗する術を手に入れるには……


 グラン、気づいてくれ。俺の意志を……!


 目を瞑り、身体全体に走る痛みに耐えながら、俺は相棒に語り掛ける。


 すると。


「ん、なんだ?」


 突然空間を切り裂くかのように一筋の光が俺の身体全体を包み込んだ。

 そして同時にあの声が俺の耳に入ってきた。


『シオン、シオン……!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻冬舎コミックス様より
コミックス4巻発売中!
現在「comicブースト」様にて好評連載中です!
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件

i801353


↓comicブースト様連載サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



↓幻冬舎コミックス様紹介サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



アルファポリス様より
小説2巻発売中!
無能と蔑まれし魔術師、ホワイトパーティーで最強を目指す

i801359


↓アルファポリス様紹介サイト↓
無能と蔑まれし魔法使い、ホワイトパーティーで最強を目指す

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ