表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

202/263

202.第三の魔人

お待たせ致しました。更新です!


「こ、これは……」


「どうやら情報は本当だったみたいだな……」


 現地につくと、その場は地獄絵図と化していた。

 

 身体をボロボロにして倒れ込む勇者たち。

 

 相当過激な戦闘があったのだろう。

 辺りには血が飛び散っていた。


「意識は……まだあるみたいだな」


「こっちも大丈夫だよ」


 一人一人、安否の確認を取っていく。

 幸いなことに全員命までは奪われていなかった。


 全員、重症なことに変わりはないが。


「救護隊の方はどうなっている?」


「今向かっているみたい。時間はもう少しかかるみたいだけど……」


「何とか回復魔法で繋ぐしかないな」


 中には適度に魔力を送らないと、生命の維持が難しいものもいた。


「しかも一撃か……」


 負傷者の身体を見てみると胸元に深い傷のようなものが。

 魔法によって傷つけられたものだからはっきりとは見えないが、この傷が深手となった原因みたいだ。


 他の負傷者も場所は違えど、同じような傷跡があった。


「まさに一瞬でやられたわけだな」


 それなら展開の早さも納得がいく。

 だがそれと同時にあまり認めたくはなかった事実も明るみになってきた。


 間違いなくこれは例の魔物の仕業ではない。


 それとは別の強大な()()によって彼らはやられたのだ。

 

 ここまで充実した魔力を一気に与えるなんて、普通では出来ない。

 

 それにどういうわけか、全員致命傷は回避されている。

 このレベルの魔法を放てる輩なら、命を奪うことなんて簡単だっただろうに……


「やはり、また――ん?」


 この時、謎の感覚が俺の脳裏を横切った。

 そして脳内にガンガン響く魔力の圧。


「遂に現れたか……」


「し、しーちゃん? どうかした?」


 俺が怪訝そうに空を見上げていると、リーフが不思議そうに俺を見てくる。

 リーフはまだ気づいていないみたいだ。


「みんな気をつけろ! 黒幕のお出ましだぞ!」


 声を張り、みんなに指示を送るが。


「く、黒幕って……誰もいないぞ?」


「シオンは分かるの?」


 ユーグもリィナも気づいてない様子だった。

 

 が、その時だ。


「おやおや、少し回廊から顔を出しただけで気がつかれるなんて。やっぱり、君は別格なんだね」


 どこからか聞こえてくる透き通った声。

 若い男の声だ。


 その声が聞こえた後、空に謎の大きな扉が現れる。

 扉はゆっくりと開くと、中から魔人がその姿を露わにした。


「ま、魔人……!」


「やっぱり、そう来たか……!」


 その姿を見て、皆の警戒態勢はマックスまで引き上げられる。

 先ほどまでの和やかな空気から一変、緊迫した空気へと転化した。

 

 扉から現れた魔人は宙からそっと地に足をつけると。


「やぁ、初めまして。君たちがゴルド達を倒した勇者一行だね?」


 爽やかに挨拶をしてくる。

 見た目こそ、金髪の爽やかイケメンという感じだが、騙されてはいけない。


 こいつの魔力は想像を遥かに超えるレベルだった。

 それもゴルドやバルガとは比較にならないくらいの。


「何者だ」


 俺がそう一言飛ばすと。


「おっと、いきなり出てきて自己紹介をしないのは不敬だったね。申し訳ない」


 これまた爽やかに言葉を返してくる。

 魔人は胸元に手を添え、丁寧に礼をすると。


「改めて……初めまして、勇者の皆さん。僕はヴァンゴッド=フォン・サタン、魔王軍序列第五位……『統べる者(ドミネーター)』の一人です」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻冬舎コミックス様より
コミックス4巻発売中!
現在「comicブースト」様にて好評連載中です!
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件

i801353


↓comicブースト様連載サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



↓幻冬舎コミックス様紹介サイト↓
俺の冴えない幼馴染がSランク勇者になっていた件



アルファポリス様より
小説2巻発売中!
無能と蔑まれし魔術師、ホワイトパーティーで最強を目指す

i801359


↓アルファポリス様紹介サイト↓
無能と蔑まれし魔法使い、ホワイトパーティーで最強を目指す

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ