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200.真実を知りに

200話目の更新になります!

いつもご愛読、ありがとうございます!


「全滅って……本当なのか?」


「うん。突然通信が途切れたみたい。何度も応答しても返答がないみたいだから……恐らくって司令部から」


 束の間の休息をしている中、突如として告げられた悲報だった。

 場所はここから少し離れた別エリア。


 予め20人近い勇者を投入していたらしいのが、その全てが全滅したらしい。


(妙だな……)


 確かに園内にいる魔物の力量は平常の魔物を上回る力を持つが、大袈裟なほどではない。

 まともに訓練を積んでいる勇者ならば十分に対処可能なレベルだ。


 それも、人数がいれば尚のこと。


 現場には20人近くの勇者がいたらしいから、もしこの魔物が相手なら全滅するというのは考えにくい話だ。


「……」


「しーちゃん? どうしたの、そんな難しい顔して……」


「いや、なんか妙だなって思ってな」


「妙って……?」


「この程度の魔物で全滅するほど勇者たちも軟じゃないはずと思ってな。しかもまだ現場入りしてそこまで時間は経っていないんだろ?」


「う、うん。まだほんの数十分くらいだと思う」


「確かにそれならシオンの言う通り、妙だな。あまりにも展開が早すぎる」


 ユーグも同様に疑いを見せていた。

 こういう時にこそ、こいつと思考がよく被るんだよな。


 それ以外は一部例外を除いて被らないのに……

 

 これが、長年の勘ってやつなのか。


「要するにシオンは別の人物が勇者たちを壊滅させたって言いたいの?」


「そういうこと。まぁ、現時点ではあくまで推測に過ぎないけど……」


 昔よりも質が衰えているとはいえ、勇者は選ばれし人間にしかなれない。

 その辺の冒険者たちとはワケが違う。

 

 最近では組織改革の一環で鍛錬に対する意識の変革もあって、だいぶ身のある訓練が出来ているはずだから尚更だ。


 それでも尚、簡単に捻りつぶせる相手がいるとすれば……


「相手は恐らく大物だな」


「魔人級ってこと?」


「多分な」


 もしかすれば今回の一連の事件の黒幕の可能性だってあり得る。

 魔物に対しても妙な違和感を感じたし、予想は限りなく当たっているだろう。


 でも実際に行ってみたいことには分からない。

 現場を見ずに憶測だけで物事を語っても何の意味もないからな。


 それに、壊滅してから時間があまり経っていないからまだ敵は近くにいるはずだ。


 もっと深く考えれば俺たちを誘き出そうとしているのかもしれないが……そこまで考えてしまってはキリがない。


「とりあえず現場に行ってみよう。リーフ、救護部隊への連絡はできるか?」


「出来るけど、一応今偵察部隊が現場に向かっているらしいから、状況によっては救護部隊もすぐに駆けつけてくると思うよ」


「そうか。でもそれなら尚更早く現場に行かないと」


 被害が増えては元も子もない。

 相手が仮に魔人級なら、一般勇者に対処は困難を強いることになる。


「んじゃ、そうと決まれば行きますか! 今日は忙しい一日になりそうだ」


「でもいい機会。この前の借りはきっちりと返させてもらう」


 何故かやる気溢れるユーグとリィナ。

 そんな二人の姿を俺とリーフは脇で見守っていた。


「な、なんか……二人ともやる気だね……」


「あ、ああ……」


 やる気になるのはいいことだが、空回りはよしてくれよ。


 そう心で思いながらも。

 俺たちは現場へと急行するのだった。

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