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188.(勝手に)告白作戦

久々の更新になります!

お待たせして申し訳ないです……


 面倒なことになりました。

 というのも俺はこれからリィナに告白するかも? しれないことになったのです。


 あ、予め言っておきますが俺の意思ではありません。

 あくまでガロさんのどくだんせんこ……リィナのことを思う気遣いから生まれてしまった災難なのです。


 ちなみに俺はリィナに対してそう言った感情は持っていません。

 好きか嫌いかと言われれば、好きですがあくまで『LIKE』の好きであって『LOVE』ではないのです。


「……って言ってももう手遅れだろうな……」


 洗った皿をふきんで拭きながら深い溜息をつく。

 異様なヤル気に満ちてしまったガロさんは作業を一旦止めると、爆速でリィナの元へ駆け寄っていった。


「一体何を話しているのやら……」


 具体的なことは予想できないが、一つだけ分かるのは色々と面倒なことになるだろうということ。

 でも当の本人は悪気があってやっているわけじゃない。


「まぁそれが余計に……」


 タチが悪い。

 でもはっきり言わなかった俺にも責任がある。


 今考えるべきはガロさんが考える”準備”とやらをどう乗り越えるかだ。

 それも二人とも傷つけることなく、事を収拾させるには……


「おう、シオンくん。大まかだが、段取りが決まったぜ!」

 

「うわっ!? が、ガロさん!? いつの間に……!」


 さっきまで目の前にいたはずのガロさんが背後にいるという軽いホラーが発生。

 話によれば、だいたいのプランが決まったとのこと。


「それで、どういう感じになったんです?」


 一応聞いてみることに。

 するとガロさんはガッハッハとデカい笑い声を飛ばしながら、


「うむ、よくぞ聞いてくれた! まず初めだが……」


 ガロさんはニッコリ顔で。

 先のプランを話してくれた。



 ♦



 

 んで……


「どうしてこうなった……?」


「すごい! これ本当に全部タダで食べていいの?」


「もちろんだ! 片付けを手伝ってくれたお礼も兼ねてのご馳走だからな。思う存分食べてくれ!」


 目の前に並べられるご馳走の数々。

 どこからこんだけの料理が出てくるのか……


 料理を作るからと言ってガロさんが厨房に入ってからまだ30分くらいしか経っていないというのに。


(まずは普通に食事するって聞いていたけど、ここまでするとは……)


(勝手に)告白作戦その1、食を通じて関係を深めよ。


 まず、ガロさんが提案したのは二人きりでご飯を食べろということだった。

 というのも、ガロさん曰く告白の成功確率を高めるには相手の心が豊かであることが大事とのこと。

 

 そして美味しい物を食べながら話すことによって、人は心に余裕を持つことができ、必然的に豊かさをたらしてくれる……らしい。


 本当かどうか定かではないが、自信ありげに言っていたのでそうなのだろう。

 

 そもそもここに来た理由は腹ごしらえをしに来たわけだし。


「んじゃ、後はお若い二人でごゆっくり~」


 ガロさんは意味深な笑みを浮かべると、そそくさと厨房の方へと姿を消していった。

 

「はぁ……この先どうなるんだか……」


「ん、シオン? どうかした?」


 思わず出てしまったその一言にリィナが反応する。


「あ、いや、何でもない。……食べようか」


「うん!」


 危ない危ない。

 変に心配させてしまうところだった。


 でも実際は言葉通り、不安しかなかった。

 これは、否定できない事実だ。

 

(何とかなる……よな? うん……)


 不安を消すために自分にそう言い聞かせながらも、告白作戦は幕を開けたのだった。

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