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14.挑戦状

おかげさまで総合ポイント1万越えを達成することができました!!

応援していただき、本当にありがとうございます!


これからもどうぞよろしくお願い致します!


 Cクラス。

 勇者軍では育成段階になるこの層は勇者人生の始まりと共に現実とのギャップを大いに味わうことになる。


 俺も入った当初は色々とギャップに悩まされたものだ。

 

 あ、逆の意味でね。


 理由としてはあまりにも周りのレベルが低すぎることだった。

 

 勇者になるためには聖魂を覚醒させることが最低条件。

 だがその際に剣術や体術と言ったものは選別の対象にはならない。


 なのでほぼ8割方の人間が剣術を学んだことのないど素人ばかり。


 俺でさえも独学で勉強したのにそういう人間の方が珍しかった。

 もちろん、チラホラと実力のある者もいたけど本当にその程度。


 ちなみにさっき会ったユーグはその中の一人。

 あいつは元々剣術の師となる人物に鍛えられていたからか、周りとは動きから何まで違った。


 中身はまぁ……あんな感じだが。


 そして今はリーフレットの言う通り、ちょうどCクラスであろう者たちが鍛錬をしていた。


「懐かしいな。昔を思い出すよ」


「勇者軍にいた頃の?」


「ああ」


「それならわたしも一緒の気持ちだよ。みんなスタートは同じなんだから」


「だな」


 毎日剣を振っていたあの頃。

 夢でもあり、憧れだった勇者への道。


 それとは別に未だ誰にも話したことのなかった俺の真意。


 今思えばまだほんの数年しか経っていないのに全てが懐かしく感じてくる。


 終わり方は酷かったけど。


「……わたし、勇者になれて本当に良かったと思ってる」


「いきなりどうした?」


「いや、特に意味はないよ。単純にそう思っているだけ」


「そうか」


 勇者になれて良かった……か。 


「しーちゃんはどうなの? 勇者になってどう思った?」


「俺は……」


 どう思ったのだろう。

 考えたこともなかった。


 ただなることだけを目標にして剣を振り続け、なった後もすぐに新しい目標ができたから感傷に浸ることもなかった。


「……どうなんだろう、な。分からないや」


「ええっ! 嬉しかった~とかなかったの?」


「あんまりだな」


 別に嘘じゃない。

 これが俺にとっては適当な回答なのである。


「ふーん、流石はしーちゃん。そういうクールなところも昔と変わってないね」


「人なんてそんな簡単に変わるもんじゃないだろ」


「そう……かな。少なくともわたしは……」


「ん、なんだって?」


「う、ううん! 何でもない!」


 何かを小声で言ってたみたいだが全然聞こえなかった。

 

 なんか少し頬が赤いような気がするし、大丈夫なのか?


「あ、あはは。なんかお堅い話になっちゃったね。話題変えよっか」


 リーフレットが苦笑いを浮かべながら、そう話す。


 と、その時だ。

 何かいいことを思いついたのか突然手をポンと叩く。


「そうだ! 気分転換に今からあれをやらない?」


「あれ?」


「うん! ちょっと待っててね」


「お、おい! どこへ行くんだ?」


「大丈夫。すぐに戻るから」


 と、言ってどこかへ行ってしまった。

 

(な、なんなんだ?)


 だが数分後、リーフレットはすぐに帰ってきた。


 両手に何か持っているようだが、あれは……訓練用の木刀か?


「お待たせ、しーちゃん。はいこれ」


「はいって……これ木刀じゃないか」


「そうだよ。相手に木刀を渡されたってことは何を意味するか、分かるでしょ?」


「お、お前……まさか俺と一戦やるつもりか?」


 やるというのは勇者の間では模擬試合のことを指す。

 言葉の言い回しによっては色々と誤解を生むが、基本的にやると言ったらこれである。


「うん。Cクラスのみんなを見ていたらわたしも身体を動かしたくなっちゃって」


「で、俺に付き合えと?」


「そゆこと~!」


 元気よく返答してくるリーフレット。

 ひと昔前の彼女なら絶対に出なかった言葉だ。


 正直、違和感しかない。


「どうする? もししーちゃんが嫌なら――」


「いや、大丈夫。やろうか、模擬戦」


「ホント? やったぁ!」


 俺はリーフレットの手から木刀を受け取る。

 

 ちょうど俺も今の自分がどれだけ前よりも鈍っているか知りたかったし、それに……。


(リーフにどれだけの実力があるのか興味あるし)


 ……というわけで、俺はリーフレットの提案によって模擬戦をすることとなった。

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