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Ⅷ. カガリを追う
カガリという少女を助けたら叩かれた。何が悪かったのか俺にはわからない。何で?
何故なのか理由すら分からないという彼女の名前はリーシャ。どうやら頭の病気は転生しても治ることはなかったらしい。
カガリはリーシャに平手打ちをかました後、森の奥のほうへ走って行ってしまった。そっちには凶暴な魔獣がわんさかいるというのに。
「仕方ない、追いかけるとするか」
リーシャはキチガイだったが、流石にか弱い少女を見捨てる程の外道ではなかったようだ。
リーシャは森の中をかける。
カガリを見つけるために。
「ぎゃああ!いってぇ!マジいってぇ!」
前方から女の叫ぶ声がした。
カガリか?急がなければ!
リーシャはさらに速く走った