Ⅳ. 迷宮があったから潜りたい
名前 未設定
性別 ♀
年齢 9
種族 吸血鬼清楚
職業 無職
レベル 21
生命力 100/100
魔力 100/100
攻撃力 100
魔法 波動拳モドキ
魔法適正 基本全属性
+α
固有スキル 日本安心楽々パック!これであなたも日光浴ができる!
超再生Lv1
スキル 鑑定Lv5
生活Lv1
成長促進《超》Lv1
精神耐性Lv10
苦痛耐性Lv10
空腹耐性Lv10
スキル取得Lv1
これが俺の今のところのステータスだ。
熊さんは強かった。あれ一体だけでレベルが20も上がるくらいには。
さて、ステータスで名前が未設定とあるが、その通りこの世界の俺にはまだ名前がないらしい。
なんと名付けたものだろうか。俺は一つの名前を思い浮かべた。
「リーシャにしよう」
パッパパパー、名前がリーシャになった!
何故リーシャなのか、特に理由はない。前にネトゲで使っていたキャラの名前だっただけだ。
♦♦♦
森を抜けようと歩みを進めていると、不思議なものを見つけた。
大きな穴だった。
ぽっかりと空いた中はがらんどうで、一見ただの洞窟に見えるかもしれない。
しかし俺は気づいた、その洞窟の表面が妙に滑らかだということに。
「ああ、あれか、ダンジョンってやつか」
何故そう思ったのか、根拠などはどこにもない。リーシャの脳みそは前世のころから、理解しやすいテンプレなものを好む傾向があったから、それの影響かもしれない。
「じゃあ、入ってみるか」
リーシャは軽率な人間であった。行動に付きまとうリスクという物が全く理解できない、想像できない人種なのである。
「暗いなあ、腹が減った」
暗闇を歩くリーシャは非常に暢気なことを考えていた。正真の間抜けである。
「きしゃああああああ!」
「うわっ、なんだ!?」
ぶちゅ
「手になんか変なもんがついた」
しかしそんなリーシャにはそんな間抜けで救えない一面を覆すだけのチートじみた能力があった。
リーシャは馬鹿なので、今手のひらで潰してしまった生き物がレベル10のガーゴイルであったことも理解していなかった。