Ⅲ. マッドヘッドベアー
ぜえっ、ぜえっ、はあ、
やった!俺はやったんだ!勝ったんだよ!あの化け物に!
何があったか、話そうではないか。あの熊さんとの死闘を、手に汗握る戦いを!
♦♦♦
逃げれませんね、熊さんからは。
頑張ったんですけどね、無理でしたね、はい。
だからですね、俺は思ったんですよ、逃げれないなら戦うしかないじゃんってね。
「死にさらせやああああ熊公おおおう!!」
ばきいぃっ
熊さんの顔面を思いっきり殴ってみるが、こっちの骨が砕けただけで、熊さんはびくともしやがらない。ちくしょーいてーな。
吸血鬼に転生してなかったら死んでたね。ほら、ステータスに超再生ってあったじゃん、あれのおかげで骨が砕けようと腸が飛び出ようとも死なないからね。便利。
くそったれめ、吸血鬼の本気パンチだぜ?見たところマッハはいってる感じなんだぜ?それなのにびくともしやがらねえなんて、一体どんなステータスしてやがる。というわけで、いったん熊さんから離れて、鑑定発動!
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種族 マッドヘッドベアー
レベル Lv999
生命力 9998/9999
魔力 9999/9999
攻撃力 9999
魔法 狂気ノ魔弾
魔法適正 狂気
固有スキル 狂気化
スキル 爪武術Lv99
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ああ、モンスターだと表示される情報が減るのね。ってそうじゃねえよ!何だよこいつ、Lv999って、バケモンじゃねえか!勝てるわけねえだろ!ほら見て見ろよ、マッハパンチでダメージ1しか喰らってやがらねえの、詰みですわこんなん。
熊さんは俺が離れた瞬間にまた距離を詰めてくる。スピードまでもやべーのな!
ゴウッ
グチャアと、熊さんのパンチが俺の腹に食い込む。
「オポェッ、グボッ、ごほっごほ、えあああ、痛いじゃないかこんちくしょう!」
「これでも食らいやがれ!波動拳!」
俺は某ゲームの必殺技を熊さんにぶち込む。
「ぎゅおおおおおおおん!」
熊さんの逝き声が森に木霊する。
原理はわからんが、なんかできた!殺れた!
こうして死は回避されたのだ!
パーパッパパー、リーシャはレベルが二十上がった!