Ⅱ. 森のくまさん
前回のあらすじ!
ひょんなことから転生してしまった私は14歳の中学生!でもでもなんだかおかしいの・・・
あれぇ?!私女の子になってる?!
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はい、こんな感じでした。あと俺は男です(確固たる意志)
いや、女かもしれんね(前言撤回)
まあ、見てくれよ、俺の股間をさあ・・・
表面はつるっつるで、毛も一切生えていない不毛の地。そこに現れた一筋の光は、地面に割れ目を作り出したのです・・・
まん〇だろお?はっきり言えよ、はっきりい!お〇んこだるおぉぉん?
そう、俺の股間には、男にならついていて当たり前の、ホースがなくなってしまっていたのだ。代わりに現れたのはアワビだったのだ。うせやろ?
まだ未使用だったのになあ、悲しいなあ、畜生。
女になってしまったのは仕方ない、俺はそう思うようにした。そんなことで悩むよりも、まずはここがどこなのかとか、食料はどうするんだとか、そっちのほうが先決だからね。
ここがどこなのかというのは、多分異世界なんだと思う。だって見たこともない木が生えてるし、キジバトモドキのカッポって鳴き声が聞こえるし、逆にここが地球なんだとしたらどんな魔境なんだと。まあ、たとえ異世界じゃないのだとしても、地球外であることは確実だな。食料のほうは・・・後で考えよう。
もしここがテンプレなろうワールドな異世界なのだというのなら、定番のあれがあるはずだ。そう、ステータスだね。
俺は「ステータスオープン!」と叫ぶ。が、何も起こらない。あらあ、恥ずかし!大声で叫んじゃったよ!
と、心の中で悶えていると、ブンッ、と音を立ててステータスウィンドウが表示された。・・・・・・いやおせーよ!あるならさっさと出てきてくれてもいいじゃん!
さてと、俺のステータスはどんなもんですかねっと。
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名前 未設定
性別 ♀
年齢 9
種族 吸血鬼《清楚》
職業 無職
レベル 1
生命力 10/10
魔力 10/10
攻撃力 10
魔法 なし
魔法適正 基本全属性
+α
固有スキル 日本安心楽々パック!これであなたも日光浴ができる!
超再生Lv1
スキル 鑑定Lv1
生活Lv1
成長促進|《超》Lv1
精神耐性Lv1
苦痛耐性Lv1
空腹耐性Lv1
スキル取得Lv1
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・・・比べるものがいないから、何とも言えないステータスだなあ、と思ってしまうのだけれど、どうだろう。
っていうか、やっぱり俺女の子になってたのね。しかも吸血鬼って、人間ですらないやん!でもこの『日本安心楽々パック!これであなたも日光浴ができる!』とかいう変な名前の固有スキルのおかげで、俺はどうやら吸血鬼のくせに日中も堂々と外に出歩けるようだ。カーズ様かな?
とりあえず種族の件とか考えるのは後回しだね。ステータスが確認できたからお次は食料調達だ。どこかに兎でも居ねえかな。
がさがさっ、キュキューイ!
おや、さっそくお出ましのようだ。幸先がいいね。俺は上機嫌で後ろを振り向く。
く
ま
さ
ん
だ
ぁ
アイエエエエ! クマサン!? クマサンナンデ!?熊ってあんな鳴き声しなくない!?キュキューイ!じゃねーじゃん!どっちかってーとグギャオオオオン!って感じじゃん!詐欺じゃないかこんなの!
俺は何を思ったのか腹を見せて倒れこんだ。これは、あれだ、よく犬が降参です~って意思表示するときにするあれだ。現実逃避ともいう。
見逃してね☆テヘペロって感じの表情を作ってみせるけれど、熊さんは依然俺のことを見つめたままで、目をそらそうともしてくれない。なんだよ、惚れたのか?
熊さんと五分ほど見つめあっていただろうか。心臓の鼓動がバクバク頭に響いてうるさい。これって、もしかして恋?(違います)
俺も熊さんも微動だにしないけれど、熊さんのその能面みたいな表情からは、オマエ、ゼッタイ、ニガサナイ。という強固な意志が感じられる。モテるってつらいね!
このままじゃ絶対らちが明かないので、勇気を振り絞って動き出してみる。目指すは熊さんの反対側、全力ダッシュでGO!逃げ足だけには定評のある俺だから、きっと逃げ切れる!
ガシッ
駄 目 で し た 。
逃げようとした僕の肩を、熊さんが勢い良くつかんで離さない。ねえ、放してくださいってば!お願いします!何でもはしません!
俺はジタバタ暴れて必死の抵抗を見せる、が、無駄!いくら暴れようとも熊さんは僕を放してくれない。
「ライダー助けて!」
来ません!ここは異世界です!
「誰か助けて!」
来ません!ここは人っ子一人いない森の中です!
「ママ――――――――!!」
ママは女の子を産んだ記憶なんてありません!
次回「俺死す」デュエルスタンバイ!