Ⅰ. 消えるゾウさん
カクヨムに載せてるやつ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887648658
我が名はリーシャ、吸血鬼である。今年で14歳になる、生粋の日本人である。
え?吸血鬼で名前がカタカナな日本人がどこにいるんだって?ここにいるじゃないか。まあ、訳を話そう。
♦♦♦
痛え、腹が燃えるように熱い、肺は真綿を詰められたように息苦しい、俺、死ぬのかな。畜生、理不尽が過ぎるぜ・・・・・・
ホー、カッポホッホホー、ホー、カッポホッホホー
キジバト?いや、なんか鳴き方が違う。なんだよカッポって、そんな鳴き声の鳥なんていたか?・・・ん~、居ないわ、そんな鳥居ないわ。
え、じゃあこの鳥何?キジバト違うの?違うって言ってんだろ!
ええと、まず落ち着け、キジバトモドキのことを考える前に何か重要なことを忘れていないか?何だっけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ!そうだ!
なんで俺生きてんだ?!
俺は確か、あのときは休日で学校も休みだったから、家でゴロゴロしていたはずだ。そしたらなぜか、部屋に強盗が押し入ってきたんだ。そして俺が驚いて腰を抜かしているうちに、強盗はバールのようなものを僕の腹に突き刺して!(365文字戻る)僕は死んだはずだ。・・・すみませんねぇ!冒頭でちょっとばかりかっこつけて!そうだよ、俺は生き様から死因まで平凡(死因は平凡じゃないだろ!)な男だよ!俺の死因に特別な因果とかないから、ごめんね?
兎も角、俺は確かにあのとき、腹にバールのようなものをぶち込まれて昇天したはずなのだ。キジバトモドキといい、俺といい、誠不思議なことしかないわけだが、気にしてもしゃあない。
そういえば、傷跡とかあるんかな、ほら、バールぶち込まれた時の。傷があればあれが夢じゃなくて、何故か奇跡的に僕が回復したという証明になるだろう。
というわけで、シャツをめくってみる。
肌は白くて、すべすべで、傷跡なんて一つもなかった。あれぇ?なんで?白い肌?すべすべ?しかも傷がない?いやおかしくね?
ばっ!俺は勢いよくズボンを下してみる。ああ!脛毛がねえ!ツルっつる!・・・まさかな、ええい!ママよ!
俺はパンツも一気に引きずりおろしてみる。ない、毛が無い!チリチリがない!ゾウさんもねえじゃねえか!ふざけんな!割れ目しかねえじゃねえか!
・・・・・・割れ目?
『悲報!俺氏女体化!』
俺がママになれるんだよ!
「なんでえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
キジバトモドキの居る、見知らぬ森の中、俺の叫びがこだました。
・・・・・・そういえばここ森でしたね、言いそびれてましたよ。