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スキル習得

城にある訓練所まで来た勇人達はそれぞれ訓練用の武器を手渡され、正しい武器の使用方法を教えて貰っていた。


勇人には剣を、隼人は杖を、凛には弓と言った具合にそれぞれ自分達に合った武器を持ち、武器の使い方を城の中で最も秀でた者達にそれぞれ指導して貰う。


「ユウト様は筋が良い、流石は世界を救われる勇者様ですな、元々剣の心得があったので?」


「いえ、剣なんて持った事も振った事すら無かったですよ」


初めは振り方も体さばきもぎこちなかった勇人だったが異能(タレント)のお陰か上達するのが早く、マグオート王国の騎士団を纏める団長が勇人に対して指導して驚いていた。


「これならばスキルの方も指導しても問題ありますまい」


「スキル、ですか」


勇人はスキルと言うものが良く分からなかった。

勇人だけでなく隼人や凛も同じであろう、何せスキルと言うものが存在しない世界から来たのだ。


「良く分かっておられないようですから実際に見ていただいた方が良いかもしれませんな」


そう言うと剣を抜いた団長の身体が仄かに光ったように見え


「《スラッシュ》」


剣を振ったかと思えば斬撃が5m程先にある訓練用の人形まで飛んでいく。


「これが、スキル」


それを見た勇人は息を飲む。

自分の常識から離れた出来事が目の前で起こったのだから無理もない。


「驚かれているようですが、ユウト様も使えるようになりますぞ、スキル習得には鍛錬と素質が必要ですがユウト様には素質があります。後は鍛錬だけですのでいずれ使いこなせるようになるでしょう」


そう言われてもピンとこない。


「出来ればコツみたいな事を教えてもらえれば助かるんですけど」


「そうですな、スキルにもよりますが基本的には自分の身体に力を巡らすように意識する事が大事ですな。特に《スラッシュ》などの武技系スキルは必須と言っても過言ではありません」


「武技系スキル?」


その後の説明によるとスキルには大まかに3種類あり、《スラッシュ》等の自分の身体を使い発動させる技の事を武技系スキルと言うらしい。

2つ目は魔力系スキルと言って魔法を使う上で必要になってくるもので、《火魔法》だとかが代表的なものらしい。

後は耐性系スキルと言って《火耐性》などがあり、それがあると火に対して耐える力が上がると言った具合らしい。


「武技系スキルは職業によって変わってきますが剣なら剣を、槍なら槍を使い続ける事でそれぞれの武技系スキルを覚える事が出来ますぞ、魔法に関して私は門外漢ですが、自分に合った属性魔法により習得出来るスキルが変わってくると聞いております。耐性系スキルは火なら火を受ける事によって習得出来ますが、習得には苦痛を伴う事を覚悟していただきたい」


「スキルと言っても種類があるんだ」


勇人はスキルについて聞き、大まかにどんな種類がある等を知り自分はとりあえず武技系スキルを覚えるのが一番早そうだと思った。


(魔法も気になるけど、そっちは適正がある隼人に今は任せて置くとして前衛なら武技系スキルかな)


「団長さん、さっきのスキルを出すのに力を身体に巡らすって言ってましたけど」


「自分の中に意識を向けてみてくだされ」


そう言われて目を瞑り自分の中に意識を向けてみると今まで感じなかった力強いものを感じる。


「何か身体から湧き上がってくるものがある!」


「それを身体の隅々に行き届かせるイメージで広げるのです」


(広げる、っと、難しいな)


団長の言う通りにしようとするが思ったようにイメージが纏まらない。いや、イメージはしっかりとしているのだがなかなか上手くいかない。


それどころか段々と立ち眩みのようなものまで感じてきた。

先程から剣を振って多少疲れてるとは言え立ち眩む程では無いと思っていたので少し驚くが


「ユウト様大丈夫ですかな?スキルを使用する際にMPを使いますので立ち眩むようなら少し休まれた方が宜しいかと、立ち眩みはMPが切れかけてる証拠です故」


勇人はその理由を聞き落ち着き


「MP切れ、ですか」


肩で息を吐きながら尋ねる。


「魔法と同じ、スキルも魔力を使いますのでな、少し休むとMPは回復していきますので今は休まれた方が良いかと」


しばらく休憩すると言われた通り身体の調子が戻ってくる。

回復すれば訓練を再開する。疲れたら休むを数度繰り返し、やがて


(身体に巡らす、身体に巡らす)


「ユウト様!目を開けてくだされ!」


そう言われて勇人は目を開けて自分の身体を見ると自分の身体が仄かに白く光っていた。


「俺の身体が、光ってる!?」


「おめでとうございます!ユウト様その光はオーラと言いまして、スキルを使用する前段階のようなものです。その状態では魔力が垂れ流しになるため長時間その状態でいる事はオススメ致しません」


「だからさっきよりも疲れるのか」


光を収め勇人はその場に座り込む。


「オーラを出し続けると誰しもそうなってしまいますのでスキルを放つ瞬間にオーラを巡らすのが正しいスキルの使い方です」


団長の言う事を砕けて言うとスキルを使う瞬間全力を出すと言う事で、勇人はそんな感じだろうと理解する。


「ですが流石は勇者様だ。オーラを発現するのも早いがオーラの属性が聖属性とは」


「属性ですか?」


「はい、オーラにはその者の属性を見極めるポイントにもなります。オーラの色で赤なら火、黄色なら雷と言った具合に、ユウト様は白、つまりは聖属性を持つと言う事なのです」


属性等言われてもピンとこないが、団長が少々興奮気味なのは聖属性が珍しい属性で神に愛されている者の証であると言われているからだと教えてもらう。


「オーラを出せたのであれば後はスキルを放つのみ!斬撃を飛ばすイメージにオーラを乗せて剣を振ってみてくだされ」


回復した勇人は言われた通りに剣を振るうと


「《スラッシュ》」


勇人の振った剣から斬撃が飛ぶ、その瞬間。


–––スキル、《スラッシュ:LV1》を習得しました。–––


頭の中に声が響く。


「頭の中に、声が」


「声を聞きましたか?それはスキルを習得した際に聞こえる通称天の声と言いまして、女神様がスキルが習得したのを教えて下さっていると言われております」


天の声、にわかには信じられないが実際に自分に起こったのだから信じるしかなかった。


「スキル習得おめでとうございます。こんなに早くスキル習得をなされるとは、通常早くても一月から半年、中には習得出来ずに生涯を全うする者もいると言うのに、まさか1日で習得なさるとは」


勇人を褒めちぎる団長に勇人は少し恥ずかしくなるが安心も覚える。


(これで最低限の力はついた。この力を伸ばして2人を守っていこう)


自分が他人を守る力を身に付けたためだ。

団長の話ではスキルにもレベルがあり、そのスキルを使い続ける事でレベルが上がり威力の上昇や派生スキルの習得が出来、スキルを極めれば上位のスキルも習得出来ると言う。


この世界で生き抜くためにはスキルを上手く使い、誰も失う事なく目的を果たす事を胸に誓いその日の訓練は終わったのだった。


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名前:ユウト


《種族》人間


《年齢》18歳


《職業》勇者


《レベル》1


《EXP》0/100


《HP》200/200


《MP》10/10


《STR》E(F+)


《DEF》E(F+)


《INT》E(F+)


《DEX》F(G+)


《AGL》E(F+)


《LUK》F(G+)


異能(タレント)

際限ない成長アンリミテッド・グロウ

成長上限がなく、全てのスキル習得が早くなる。

取得経験値に+補正がかかる。(1.5倍)


《スキル》

new【スラッシュ:LV1】

斬撃を5m程飛ばす事が出来る。

レベルが上がれば飛距離が伸び、斬撃の数も増える。


《加護》

【女神アストレアの加護】

ステータス全般に+補正がかかる。(効果:小)

正義感が強くなる。(効果:小)


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現在公開出来る情報


【スキル】

武技系スキル、魔法系スキル、耐性系スキルと大まかに3種類あり習得方法はそれぞれ異なる。


【オーラ】

スキルを使用する際などに身体から出る光の総称、又己の中にある力の事。

主に自分の属性に沿った色に光るが魔道士などの魔法を使う者は使用した魔法属性の色に光る。




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