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ステータス

「以上が異能に関する事です」


カトレアが異能(タレント)について説明していた。

異能とは特殊な能力という事らしい。

しかも所持している者の数も少ないという事だった。


「それでユウト様とリン様、ハヤト様にも異能を所持しておられるのを確認しております」


「それで肝心なのはどのような異能を持っておるのかという事だ」


キャメリア王がカトレアに続きを言うように急かす。


「はい、まずはユウト様の異能ですが【際限ない成長アンリミテッド・グロウ】というものです。前例のない異能ですが、異能名からしてどうやら成長する上での上限がないようですね」


成長する上限がない、それは言い換えればどこまでも強くなれるという事である。

勇人にはそのような力が自分にあるという自覚はなかった。


しかし


「俺にそんな力が・・・」


自身の異能について聞き覚悟を決めたような表情で勇人は呟く。


「リン様の異能は【射手の真髄(アーチャー・エスンス)】というもので、弓系のスキル習得が早くなる異能のようです」


「弓・・・」


凛は日本にいた頃に弓道を幼少からしていたため、弓には思い入れがあった。


「最後にハヤト様の異能ですが【魔道士の真髄(メイジ・エスンス)】で、おそらくリン様と同系統のものかと思われます。しかしこちらは弓ではなく魔法習得が早くなるようですね」


「魔法、ですか」


魔法と聞き、少し気分が良くなるものの自分に扱えるものなのか不安を感じる隼人であった。


「以上が皆様の異能についてになります。それ以上詳しく知りたいと思いましたら、自身の意識に自身の能力を知りたいと思えば自分の力、すなわち『ステータス』を見る事ができます」


「見る事が出来る?」


勇人は不思議に思いカトレアに聞き返す。


「はい、原理は私達にも解明出来ておりませんが、古来より伝えられているのは、神の力によるものとだけ」


「神の力、ですか」


隼人が半信半疑な表情で呟くのを見て勇人も似たような感想を抱いていた。


(なんだか違和感を感じる。神はどうして自分の力を見る事が出来るようにしたのだろうか?)


「勇者達よ、言われただけでは実感できまい。一度自身のステータスを確認してみてはどうかな?」


キャメリア王に言われ引っ掛かりを感じながらも勇人達は自分の能力を見ることにした。


(思えば良いと言っていたけど念じれば良いのか?)


勇人は心の中で『ステータス』と念じてみると


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


名前:ユウト


《種族》人間


《年齢》18歳


《職業》勇者


《レベル》1


《EXP》0/100


《HP》200/200


《MP》10/10


《STR》E(F+)


《DEF》E(F+)


《INT》E(F+)


《DEX》F(G+)


《AGL》E(F+)


《LUK》F(G+)


異能(タレント)

際限ない成長アンリミテッド・グロウ

成長上限がなく、全てのスキル習得が早くなる。

取得経験値に+補正がかかる。(1.5倍)


《スキル》

ーーーーー


《加護》

【女神アストレアの加護】

ステータス全般に+補正がかかる。(効果:小)

正義感が強くなる。(効果:小)


➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖


自分のステータスが心の情景に浮かんできた。


「これが、ステータス」


出てきたステータスをみて勇人はゲームみたいだと感じたがステータスに少し気になる事があった。


(名前がフルネームじゃない、スキルは何も覚えてないから空欄なんだろうけど加護?それに正義感が強くなるってどういう事なんだろう)


異能については教えてもらったが加護と言うのがどう言ったものかは今一つ分からない。

しかし正義感が強くなるのは少し気になったが、ステータスに補正があるのでデメリットがないと勇人は判断した。


「皆様ステータス確認はされましたか?」


カトレアが3人に聞く。

3人とも確認したと返事をするとカトレアがステータス表記について教えてくれた。


「職業については職によりスキル取得の種類が決まったりします。魔道士なら魔法系スキルと言った具合にです」


「レベルは上がればステータスが上昇致します。EXPはレベルが上がるまでに必要な経験値のことです」


「HPは生命力の事で自分の命に直結するステータスです。MPは魔法やスキル使用時に消費します」


「STRは力の事でこれが上がる事で攻撃力が上がります。DEFは頑丈さの事で上がる事で防御力が上がります」


「INTは魔力の事で魔法の威力に関係しています。DEXは器用さに関係し、製作などに影響します。残りのAGLは素早さでLUKは運の事となっております」


カトレアが説明してくれたが加護については説明されてなかったため勇人は聞いてみる事にした。


「加護について教えてくれませんか?」


「すいません勇者様は加護持ちでしたね。加護とは神が我々下界の民に与えたもうた慈悲なのです。加護が授けられるとステータスが上昇する効果があります」


「正義感が強くなるとはどういう事なんですか?」


気になっていた加護の効果についても聞いてみる。


「正義感・・・ああ!勇者様は女神アストレア様の加護を授かったのですね!その効果は加護を受けて下さる神がこうあれと我々の道を示して下さっておられるのですよ」


要するに導いてくれていると言う事らしい。


「皆ステータスの確認は出来たようだ。それで私達の願いを聞いてもらいたいのだが・・・」


キャメリア王が願いを伝えてきた。


「・・・元の世界に帰ることは出来るのでしょうか?」


隼人が恐る恐る聞いていた。

それを凛も不安げな表情で見ている。


「う、む、こちらが勝手に呼んだ手前非常に言いにくいのだが」


「お主達が元の世界に帰る手段は無いのだ」


「な、帰れないんですか!」


帰る手段は無いというキャメリア王の言葉に3人は衝撃を受ける。


「勇者召喚は神託を受け近年出来た技術でな、神の力ならいざ知らず、我等人の子の力では現状召喚は出来ても帰還させる技術は無いのだ」


キャメリア王が申し訳ないと3人に伝える。


「そっちが勝手に呼んでおいて帰れないなんておかしいじゃない!」


凛が怒り王に言い寄るが


「凛!落ち着くんだ!」


勇人がそれを止める。


「王よ、勇者様方は一気に色々な事があり更には帰れないという事で混乱されているご様子、とりあえず日を改めてお話をされてはいかがでしょうか?」


「うむ、それも致し方あるまい」


王が控えている兵に指示を出す


「皆さまこちらへどうぞ」


「とりあえず休ませてもらってこれからの事を3人で話し合おう」


勇人は2人に提案して2人は渋々それに従い玉座の間を後にする。





〜〜3人が去った後の玉座の間〜〜


「で、あれらは使えるのか?」


キャメリアはカトレアに問う


「一応勇者ですから使い方次第という事でしょうか、他の2人よりかはマシかと」


「腐っても加護持ちだから使えない事もないでしょう王よ」


カトレアが答え、控えている大臣達も王に答える。


「もし使えない時が来るのであれば分かっているな?」


「もちろんその時は研究所に」


「うむ、そのようにな」


王がカトレアに指示を出す。


「しかし、ユウト、とな」


「はい、偶然でしょうが少し驚きです」


「まさか、()()と同じ名とはな」


「王よアレにもはや名などあって無いようなものですが」


「確かにアレは既に抜け殻のような物だからな」


何かに対して2人は話し


「では王よ私はこの辺りで、次の準備に入ります」


「うむ、力になるのなら良し、その時の準備はしておかねばな」


王が呟きカトレアが玉座の間を後にする。




勇人達の知らないところで状況は動いていく、本人達は何も知らない今はまだーーー




現在公開出来る情報


《異能》

生まれた時に取得する特殊な能力。

一万人に一人程の割合で持って生まれる。

どのような異能かは人によって異なる。


《ステータス》

能力を表す値の総称。

各値にG-からSで表され、Sに近ければ近いほど強いものになるが、一般的にはGからEまでが標準な値である。

それなりに実力がある者でも大体DからB-ぐらいの値しか辿りつけない。


《加護》

神や精霊などから授けられる。

加護を得るとステータスに補正が掛かったり、スキル習得が早くなったりする恩恵がある。

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