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〇〇系女子×〇〇系男子。  作者: 相良亜貴
9/10

ふわふわ系女子×甘々系男子。

隣の席の天音(あまね) (れい)さんは友達は多くないけど、先生からも、クラスメイトからも信頼されていて、誰に対しても誠実に、優しく対応する。そんな天音さんは4日前からの俺の彼女だ。


「天音さん、ここがどうしても英訳できないの。教えてくれないかな」

「あ、ずりー!天音さん、俺にも教えて!」


とある1人のクラスメイトを皮切りに、俺も、私も、と囲まれる彼女は学年トップ。皆から頼られていて、凄いなあとは思うけど。


「なんだ、優良(ゆら)。ヤキモチか?」

「五月蝿い、壱。妬いて悪いか。天音さんは俺の彼女だ」


友人・高槻(たかつき) (いち)の言葉にムッとする。


「ただいま〜…っと、今日も玲は人気者だね〜」


妙におっさんくさい気がするのは俺だけか。顔の広い水原(みずはら) (あずさ)もススス、と俺に近寄り、「ヤキモチですか」とニヤニヤしながら言う。


「言えばいいじゃん。玲は俺のだ!って」


ねえ、高槻。 そうだな。そんな風に言葉を交わす2人。

俺だってそうしたい。でも、そんなことをすると、天音さんに嫌われるかもしれない。

悶々と考えていると、あ、と小さく声を上げた水原。


「そういえば、さっきひかりん告られてたよ。場所は中庭、相手は3年」

「お前は…、くそ、早く言え!」

「いってらっしゃーい」


走っておそらく中庭に行く壱。“ひかりん”こと咲野(さきの) ひかりは壱の彼女さん。2週間前に付き合い始めたが、彼女さんは未だに告白される。


「ほら、高槻は行ったよ?木夏(きなつ)は行かなくていいの」

「……行く」


ファイト、と励まされて、輪の中に体を滑り込ませる。


「天音さんは、俺の彼女なんだけど」

「知ってるっつうの」


何回目の自慢だよ、とクラスメイトが呆れ顔。確かに、この4日間はずっとアピールしてた気がする。


「あんまベタベタすんな、ばーか!行くよ、天音さん」


彼女の手を取り、引っ張って教室を出る。ちょっと走って、空き教室に逃げ込んだ。


「木夏君、ダメですよ、あの言い方は」

「分かってる。あとで、皆に謝る。それと、天音さんにも。ごめん」

「えっと、なんで私に?」

「……嫌じゃない?」

「なんで嫌になるんですか!嬉しいです」


ふわりと笑った彼女に、鼓動がはやくなる。不意打ちが多い彼女を持つと、心臓が頑張りすぎて寿命が縮む…。


「木夏君」

「え!?あ、はい!」

「その、」


天音さんが何かを言いかけた瞬間、空き教室のドアが勢いよく開いた。


「あっぶなー…。あ、木夏と玲じゃん。ごめんねー、邪魔しちゃって」

「…何してんの」

「高槻に追いかけられてる。ひかりん、告られてなかったらしくって」


男の先輩と話しているところを遠目から見て、告白の現場だと思った水原。壱が「俺のに触んな」と言った直後に勘違いだったことが発覚。「お前のせいで恥かいた」と怒られたらしい。


「梓さん、大丈夫ですか?」

「ん、大丈夫。そろそろ高槻もどこかに行っただろうし、私は退散するよ。じゃあ、あとは2人でごゆっくり〜」


やっぱり、水原はおっさんくさい。


「ったく、台風みたいな奴だなー…」

「ふふ、そうですね」

「……あのさ、さっき、何か言いかけたよね?何?」

「えっと…、名前で呼んでもらえませんかってお願いしようと思ったんです」

「名前?」

「駄目、ですか」


小さくしゅん、としながらも聞いてくる天音さん。可愛すぎる!


「………玲」

「っ!はい、木夏君」

「…駄目。俺のことも、名前で呼んでよ」

「ゆ、優良君」

「…」

「…」

「…」

「…」

「あーもー、何これ、恥ずかしすぎる…」

「ふふ、ちょっと照れますね」


両頬を淡く染めている玲は、トテツモナク可愛くて、思わず、ギュッと抱きしめる。


「玲の心臓、めっちゃドキドキしてる」

「優良君も」


互いに小さく笑って、額をくっつける。


「玲」

「はい」


キスしてもいい?


小声で聞くと、聞かないでください、なんて返ってきた。



玲にそっとキスを落としながら、『毎日玲が好きになっていくんだな』と、思う。


玲も同じであれば。


そう願いながら、もう一度キスを落とした。


どうも、Transparenzの相良亜貴です。

一応ですが、この話で「○○系女子×○○系男子。」は完結となります。あくまでも、一応です。何かこういった話が書きたくなった時、更新していこうとは思っています。その時は「ああ、更新したんだな」とチラッとでも見ていただけると幸いです。


また、今年度より受験生へと進級するので、全く更新のない日々が続くと思います。ご了承ください。


この作品の登場人物は、他の作品に関連してくる可能性が高いです。新シリーズも始められたらなあ、と思いつつ、この作品の誰かを出演させようかな、なんて思ったり思わなかったり。楽しみにして頂けると嬉しいです。


では、また皆さんに会えることを楽しみにして。



*2017/02/12 加筆修正しました。

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