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〇〇系女子×〇〇系男子。  作者: 相良亜貴
8/10

姉系女子×シスコン系男子。

「結婚すんの?」

「そう」


3つ上の姉は付き合って4年目の彼氏と結婚することになった。3日前にプロポーズされたらしい。


「結婚式って、いつ?どこで?つーか、どんな人?」

「もー、矢継ぎ早に質問しすぎ!」


明るく笑う姉は幸せそうだ。誕生日に好きなものを買って貰った時とか、大会で良い賞を貰った時、そんな時の笑顔。


「えーっと、結婚式は来年の6月で、ハワイでするの。結婚相手はー………この前家に来た時、居なかったっけ?」

「いつ」

「先週の日曜日。挨拶に来たの」


照れたように頬を染めて笑う。幸せな時の笑顔とは違う、初めて見る笑顔。


「…その日大会だったよ」

「あ、ね、どうだったの?我が弓道部の後輩君よ!」

「優勝した。…写真は?」

「おめでとうございます!」

「ふざけなくていいよ」

「もー、冷たいんだから。写真はあるよ。この前旅行したの」

「は?どこに?」


質問しすぎだって、と笑う姉。スマホを出して結婚相手の写真を見せてくれた。明るい姉に似合う、優しそうな人。


「北海道に行ってきたの!ラベンダー畑が綺麗だったなー…。あ、あんたも彼女出来たら一緒に行きなよ!」

「行かねーし。…プロポーズってどんなのだった?」

「えーっとね、ふふ、ふふふふ、」


幸せそうな笑いが止まらない姉。

ちょっと怖い。


「秘密!ふふふ、」


ニヤニヤしながら秘密、なんて。聞きたくても、聞けない雰囲気。


「…部屋にいるから、晩御飯出来たら呼んで」

「え、ちょっと、」


姉の焦った様な、困った様な声を聞きながら、自室のドアを閉める。


「結婚って、まじか…」


姉が長い間付き合っている人がいることは知っていたし、そろそろ結婚するだろうとも思っていた。だけど、姉の口から聞くと、衝撃は大きい。

ベッドの上に四肢を投げ出し、落ち込んでいると、呼び鈴が聞こえた。玄関のドアを開ける音がして、続いて姉のはしゃぐ声が聞こえてきた。


「あ、悠月(ゆづき)、彼が私の婚約者の笹原(ささはら) 理人(りひと)さん。理人さん、弟の悠月です」

沙月(さつき)ちゃん、弟がいるって言ってたね。はじめまして、悠月君」

「…どうも。何で敬語?」

「璃人さん、2つ年上だもの」

「聞いてない」

「言おうと思ったら、悠月が部屋に行っちゃうんだもん」

「は?」


姉と言い争っていると、クツクツと喉の奥で笑う理人さん。


「悠月君、しっかりしてるんだね」

「…」


脈絡の無い話に何も言えず、黙って理人さんを見る。


「俺にも悠月君と同じくらいの妹がいてね。しっかりしてて、悠月君と雰囲気が似てるから」


しっかりしてるんだろうと思ったんだ、と優しい笑みを浮かべて言った。


「…姉ちゃんを幸せに出来るんですか」

「ちょっと、悠月!」

「んー…、ごめんね、幸せには出来ない」

「は?」

「俺は、幸せにするんじゃなくて、一緒に幸せになりたいんだ」


一方的に幸せを与えるんじゃなくて、2人で幸せを作りたい。

笑みを浮かべながらも、強い口調で言う彼は幸せそうに「俺はもう幸せだけどね」と姉を見ながら付け加える。


「……結婚おめでとう」

「ありがとう」

「ありがとう、悠月」



*****



「ね、ちゃんと綺麗!?」

「うん、綺麗」

「…」

「何」

「悠月が素直なとこ、初めて見たかも…」

「前言撤回。ブース」

「悠月!」


新婦の控え室から出て、隣の新郎の控え室へと逃げる。


「悠月君」


白いタキシード姿の義兄の横に、見知らぬ女子。


「兄さん」

「あ、莉奈(りな)ははじめましてか。奥さんの弟さんの、悠月君。悠月君、俺の妹の、莉奈」

「はじめまして。莉奈です」

「はじめまして。悠月です」

「悠月君、沙月ちゃん綺麗だった?」

「ノーコメントで」

「えー…、その言い方は余計に気になるよー」

「じゃ、私が代わりに見てきてあげるよ」

「えっ!莉奈狡い!」

「兄さん、式まで見ないって決めてたでしょ」


じゃあね、と言って控え室を出た莉奈さん。


「理人さん」

「ん?」

「姉さんを、よろしくお願いします」

「うん。必ず2人で幸せになるよ」


天気は快晴。

海がすぐそばにある教会での結婚式。

姉の望んだ場所で、姉が愛する人と、共に誓を立てる。


今日、姉は世界一幸せな妻になる。

お久しぶりです!

私は学生です。つっこまないでください。

でも、遅くなりましたごめんなさい!


はい、ちょっとタイトル詐欺。

あんまりシスコンじゃないよね、悠月君。

姉系っつうか、姉だよね、沙月さん。

でも、これ以外に思い浮かばなかったんですよ…。何?何だったら合うの?と思いつつ、妥協してしまいました。思いついたら編集させていただきます。


次は、もう少し早めにアップできると思います。頑張ります。


Transparenzの相良亜貴でした。

では、また会えるのを楽しみにして。



*2017/02/12 加筆修正しました。

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