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〇〇系女子×〇〇系男子。  作者: 相良亜貴
6/10

不良系男子とその許嫁。

親に決められた結婚。

玖珂(くが)組のトップになるなら仕方のないことだと知っているし、好きな奴がいるわけでもない。

ただ、相手に求める条件はある。それは―――――



「妹を優先することを承知して欲しい、ですか…?」

「ああ」


奈緒(なお)は俺の妹で、血の繋がった兄妹。困ったことがあれば助けてやりたいと思うのが、兄としての性分だと思う。


「兄妹ですから、もちろん、優先してください。私は気にしません」

「…いいのか」

「はい」


綺麗な微笑を浮かべる、婚約者の椿(つばき) 侑美(ゆうみ)。椿組のトップの一人娘で、あからさまな政略結婚だが、こいつの不満顔は一度も見たことが無い。


「それと、俺と本当に結婚してもいいのか」

「というと?」

「親が勝手に決めた結婚だ。好きな奴とかいないのか」

「私は幼い頃から大河(たいが)さんとお会いしていましたが、一度も貴方との結婚が嫌だったことはありません。それに、貴方との結婚がいいのです」


薄く頬を赤らめて話すこいつに、胸がきゅ、と締めつけられた。


「俺…」

「お兄ちゃん、侑美さん来てるの?」

「奈緒ちゃん」


扉を開けて入ってきた奈緒。慌てて言いかけた言葉を飲み込む。


「侑美さん、兄が変な事を言いませんでしたか?」

「何も言ってないわ。奈緒ちゃんが大事、って話をしていたところよ」

「お兄ちゃん、侑美さんが大変な時は侑美さんを優先してね。私は、(ひょう)君や夏稀(なつき)さんがいるから大丈夫」


奈緒には見透かされている。こいつを優先させないと、雷が落ちるんだろう。


「奈緒ちゃんは妹の鑑ね」

「そんなことないです。式は1週間後ですよね。お兄ちゃんは馬鹿だけど一生懸命なので、支えてあげて下さい」

「もちろん」


言いたいことは全部言ったのか、部屋を出ていった奈緒。こいつは俺の方を向き、微笑む。


「大河さん、言いかけてたこと、教えて下さい」

「…は?」

「奈緒ちゃんが入ってくる前、何か言いかけてましたよね」


気が付いていたことに驚く。言いたくはないが、こいつが変なところで頑固なことは、知っている。観念して、口を開いた。


「俺もだ、って言いたかったんだよ」

「…」

「親が決めた相手がお前で良かったと思ってる」

「……大河さん、名前で呼んでください」


そう言ったこいつの顔は赤い。多分、俺の顔も同じようなものだろう。


「侑美」

「はい」

「俺と、結婚してくれ」



史上最高に赤い顔で伝えると、侑美は涙を浮かべ、頷いた――――――



+   +   +


「大河さん、決められましたか?」

「いや…あと候補が3人残ってるんだ」

「どの子も良い子ですね…。でも、早く決めないといけませんよ」

「あいつには良い奴を婚約者にしてやりたいだろう、お前みたいな」


ぴたりと動きが止まった侑美を見る。


「…どうかしたか」

「いえ。何でもありません」


クスクスと笑う侑美。


「大河さん、一度作業を止めて、お花見しませんか?桜が満開になっているんです」


9年前に結婚式の日に植えた桜。

桜吹雪の中に立つ侑美の姿は、綺麗だった。

いかがだったでしょうか!Transparenzの相良亜貴です!


侑美さんめっちゃいい人だわー。心広いわー。美人だわー。と、思いながら書きました。


では、今回の裏話。実は、椿 侑美さん、元は19歳上のオジサマと結婚する予定でした。しかし、オジサマと侑美さんの恋は全く進展しません。ということで、チェンジしました。結果、初々しい夫婦の完成です。


今回のタイトル詐欺はしょうがないってことにしてください。


では、また会える日を楽しみにして。

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