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〇〇系女子×〇〇系男子。  作者: 相良亜貴
2/10

狼系男子とその彼女。

俺のベッドに座り、スマホに一生懸命な(あずさ)。でも、LINEとかTwitterとかじゃない。乙女ゲーム。


「あ、春陽(はるひ)からLINE来てる。エンドのことかなー…」


誰に聞かせるでもなく呟き、返事を打っている。

向かい側に座っている俺には目もくれない。溜息をついて手元にある雑誌をめくるが、内容は頭に入ってくるわけもなく。もう一度溜息をついて、真剣にスマホを見ている梓の横に座った。横から彼女のスマホを除くと、長文が送られてきていて、それに対し、梓は"羨ましい"と"そろそろ彼氏に構ってあげろ"と送る。自分の事は棚に上げた状態で。


LINEを閉じて、さっきとは違うゲームアプリを開こうとした梓。咄嗟にスマホを取り上げる。


「あー!何するんですか、大雅(たいが)さん!」

「うっせ」


スマホをサイドボードに置き、梓を押し倒す。


「構ってあげねーと拗ねるんだろ?」

「それは佑樹君の話であって、先輩の話じゃ」

「先輩って言ったな」

「げ…」


梓が「先輩」「夏目(なつめ)さん」と先輩後輩だった時の呼び方で呼んだ場合、梓からキスするという約束をしている。

どうせ、慣れてきたから、と油断したんだろうけど。


「ほら、早く」

「無理無理無理無理!大雅さん絶対セ…ヤるもん!」

「当たり前だろ」


2人っきりなのにシないわけがない。


「そうじゃなくても、お前は約束破るつもり?」

「う…」


約束を破ったり破られるのが嫌いな梓。ポリシーに反する事はしたくないだろう。

少し間が空いて、梓は目をつぶって、小さく自分の唇を俺の頬と合わせた。


「は?」

「許してください」

「何、今の」

「キス……じゃないですね、ごめんなさい」


手で顔を隠す梓。

その手を片手でまとめ、頭の上で固定した。


「観念しろ、ばーか」

「大雅さんの方が、」

「馬鹿とか言ったらすぐ挿れるぞ」

「ごめんなさい頭いいです」


生意気な口に、噛み付くようなキスをした。


「ん…」


甘い声を出す梓に満足する。


ただ梓は、自覚してないけど、キスが好きで、甘えたがりになる。嬉しいけど、時々、困るほどに。


それでも


「大雅さん?」

「あ?」


「んー、だいすきですー」


唐突な告白に頬が緩むほどには、俺は梓に溺れてるんだろう。


「梓」

「ん…?」


今の梓の顔はめっちゃエロい。そして、俺の好きな顔の1つ。


「俺以外にその顔見せんなよ?」

「ん、約束するー」


頬に添えていた俺の手に顔をすり寄せる姿が愛おしく、欲情する。


「大雅さん」

「ん?」

「大雅さんも、私以外にそうやって触れないでくださいね?」


ギリギリで保っていた理性が吹き飛んだ。


「梓、悪い」

「え?」

「もー無理。ヤりたい」

「私も、大雅さんに触れたいです」


笑った梓に、激しいキスをした。


多分、というより絶対に、こいつに飽きることは無いんだろう。

小さく笑いながら、今日もまた、快楽へと身を投げた。

どうも、Transparenzの相良亜貴です。


タイトル詐欺。次回は、ちゃんとします。多分。


そしてそして、裏話。

実は、もっとラブラブさせるつもりでした。でもまあ、歯止めがきかない相良さんなので、今回は自制しました。R-18とまでは行かずとも、R-15は行っちゃうので。

いつか、続きを書くと思います。このカップルは好きです。大雅さんが好きです。梓も大好きです。


次回は、今回と前回の彼女達の親友が登場です。


では、また会える日を楽しみにして。


*2016/08/27 加筆修正しました

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