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タマゴを割れ

アリスの苗字をササガワに変更しました。

夜皆が寝静まった頃を見計らって俺はフル装備で捕らえたナスを始末しに館を出る。


「こんな夜更けにどうされたのですか?クラフタ様」


即嫁に見つかった。


「あーいやちょっとね」


「またなにか危ない事をされるのですか?」


またって信用無いなー。


「どちらかと言うと危ないことにならない様にする為にいくんだ」


俺の言葉にアルマは複雑そうな表情を浮かべていたがやがて諦めたのか小さく頷いて屋敷の中に戻っていった。


「お気をつけて、・・・その、なんだか胸騒ぎがします」


入り口を閉める時にアルマがポツリと呟いた。

さてこれは王家の予知能力の発露か只の女の感か・・・・・・どっちにしろやばいじゃん。

こういう厄介なことはさっさと終わらせよう、漫画なんかでもグダグダしてる内にボスがパワーアップしたりするからな。



夜の闇にまぎれてナスが拘束されている平野にたどり着く。

捕獲したは良いもののコイツを街に連れて行くわけにはいかなかったので、そのまま捕まえた場所で拘束し監視する事になったのだ。

だがしかし、ここならこっそり始末しても大丈夫だろうと思ったのだが、

先の戦闘で油断が原因でナスの反撃を受けそうになった領民達は交代でしっかりとナスを監視する様になっていた。

領主としては喜ぶべきことなのだがちと面倒なことになった。


だから皆睡眠薬で眠らせたよ。


情け容赦なくその場に居た全員を眠らせた俺は拘束されているナスの元に向かう。

ナスはその胴体とその4本の足にロープを巻きつけられ地面に固定されている。

さてさっさと始末してしまおう、オレがそう思った時彼方から地響きが聞こえて来た。


ああ、やっぱりあいつが来たか、

そう、元獣がナスを好んで食べるのなら真っ先に来る元獣はお前だよな。


ナスを食べるために真っ先にやって来た元獣は近所の湖に澄むオレのペット、いや保護していたキャッスルトータスのドゥーロだ。


折角だコイツに食べさせてしまおう、正直迂闊なことをしたら魔力を吸収するナスのことだ、それが原因で孵化をしてしまうかもしれない。


「ドゥーロ遠慮なく食べて良いぞ」


俺の許可を得たドゥーロは嬉しそうにナスに近づく。

だがそう都合良く解決しないのも世の中のお約束だ。


「こいつは、どういうつもりだい領主様よ」


そこに現れたのはグアツを初めとした数人の男達だった。


「領主様のペットが湖から出てどこかへ向かっていると聞いてな急いでここに来たんだ」


なるほど、既にドゥーロをマークしていたって訳か。


「コイツは皆が思っている以上に危険な存在なんだ」


俺は皆に魔卵獣のことを話し、このままだと何か危ないことが起きるかも知れない、だから迅速な処置が必要だと皆に説明する。


「そんな事と言われても、今までそんなヤバイ事は起きなかったしなぁ」


「今まではたまたま上手くいっていただけでこれからも上手くいくとは限らない。

と言うか領主命令な、元獣の素材がほしけりゃドゥーロを説得しろ。

大体死んだナスじゃ駄目とかって訳でもないだろ!!」


「い、いや、俺達もその辺はちょっと・・・」


どうやら自分達でも正確に分かっていないようだ。

だったらこのまま押していこう。


「ドゥーロ、さっさと食べちゃいなさい」


ドゥーロはキューと鳴きながらナスを齧る、しかし次の瞬間盛大にナスを吐き出した。

口に会わなかったのか?いや、元素を食べる元獣に人間みたいな味覚があるのかもわからんか。


念の為ナスのステータスを再確認する。


『名称:イヴィルキングエッグ

種族:魔王卵(孵化開始)


魔力溜まりから産まれた卵が魔王に進化する為の姿』


いやいやいやいや、魔王って何だよ、世界ファンタジー世界だからいてもおかしくは無いけど魔王は卵から生まれるってのか?

いや考察は後で良い、今は一刻も早くこいつを始末するのが先決だ。


ブロックアームを飛ばして背中に背負ったバインダーから大剣を取り出し攻撃を行う、魔力は食われてしまうので只の斬撃だ。

その結果ナスは真っ二つに割れた、割れたのだがなんと言うか余りにもあっさりとしすぎてイヤな感じがする。


ナスのステータスを再確認する。


『名称:アリス=ササガワ

種族:魔王

混沌の神との契約で魔王として転生した異世界人

頭部の角キングホーンで莫大な魔力を生み出し額の宝石イヴィルアイで授かった魔王の力を使いこなす』


なんですと?

魔王?

真っ二つに割れた卵は粒子となって消えて行く。

だがその中に消えずに残っている者がある。


それは人間の少女の形をして、額に黒ずんだ透明な宝石を頂き両の即頭部からは王冠のような角が生えている、髪の色は黒、瞳の色は赤。頭部の角さえなければ

人間の少女だと思うだろう。

少女は目を開き立ち上がって最初の言葉を世界に放つ。


「わー!これが異世界かー」


完全におのぼりさんだった。

誠に勝手ですが

来年からは毎日更新を改め週一更新に変更いたします。

その代わりこれまで以上に話を煮詰めて一話あたりの密度を高めて行きたいと思っておりますので皆さんにおかれましては変わらぬご愛好を頂ければ幸いです。


それでは皆さん良いお年を。

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