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アヴェンジャー

これにて異世界人襲撃編は終了です、次回からはのんびり領主にもどります。

「好き勝手かましたドラ猫にはお仕置きが必要だよな?」


「ドラ猫と言うものは分かりませんがそれは例の女性のことですか?、でしたらご主人様のなさりたいようにするのが一番だと思います。」


俺の突然の言葉に面食らったミヤはそれでも律儀に答えてくれた、言葉が硬いのは俺が洗脳されかけた話を聞いた所為だろう、リリスを名前で呼ばなかったのがその証拠だ」


「すぐに対策を立てる、忙しくなるぞ」


「はい!お任せください」


「浮島を呼んで洗脳を解く為の解毒剤と洗脳対策の魔道具を作る。それに転移で逃げられないようにイザーの残した転移装置を調べる、浮島の研究所の機能をフルに使うぞ!!」


なるべく自分の力だけとかは今回ばかりは言わない、ここまでの事をやらかした女だ、これ以上逃げ回られる前にとっつかまえて神器でスキルを消滅させてやる。

内心で怒りに燃える俺に対しミヤは凄く嬉しそうだ、浮島の研究所をフルで使うということは職員の助手として生み出された自分の本懐を果たせるからだろう。


浮島が来るまでに俺達は出来ることを勧めていた。

リリスが俺を待ち構えていた部屋にあった薬は2種類有り即効性で意識を奪う薬と遅効性で精神の深部まで冒す洗脳薬だ。

最初に意識を奪う薬でこちらの抵抗力を奪った後洗脳薬で支配しようとしたらしい。

薬が効いている間に暗示をかけるタイプの薬で効果は高いが使い手の話術と言うかセンスが試される薬らしい。

それでも精神に抵抗力の無い人間にはかなりの脅威の様だ。


それに王都に仕掛けられていた洗脳の魔法具、恐らくアレと同じような道具をまだ隠し持っているだろう。


だが俺は師匠達の手によって半不死と化し知性と運のステータスが上がっていた、その為に洗脳から逃れやすくなっていたのかも知れない。

運が常人以上の高い数値だったのが大きいのかもしれない。


まぁそれは置いといて、運だけじゃないぞ!ち、知性だってあるんだからね!


残っていた薬から解毒薬のサンプルを造る、洗脳が無事解除されたらこれを量産して皆にも飲ませるつもりだ。

なにしろ誰が洗脳されているのか分かったもんじゃないからな。


解毒薬の実験台役には魔法少女達にやってもらうことにした。

彼女達に事情を説明して薬を飲んでもらうことに了承を得る為だ。


「私達がこの世界の人間だったなんて」


皆動揺しているが仕方が無い、自分がこうだと思っていたらそれが全くの嘘だったんだから。


「私飲むわ!」


真っ先に薬を飲むことを受け入れてくれたのはフィジカルカレンだった。


「私が最初にダーリンの薬を飲むわ!!」


「良いの?フィジカルカレン?もし本当に操られていたらのなら・・・」


「分かってる、もしかしたら洗脳が解けて元に戻ることでダーリンへの気持ちも無くなっちゃうかも知れないのが怖いんだよね、分かるよ」


「うん・・・」


「だったらなおさら!!私の恋心は洗脳なんかに負けないんだから!!!」


「じゃあ、洗脳を解く前にキーワードの確認をするよ」


「キーワード?」


「君達を操る合言葉さ、コイツで君達が本当に洗脳から解放されたのか確認する必要があるんだ。皆は耳を塞いでいて」


他の魔法少女達が耳を塞いだのを確認してからソリッドマリアが使ったキーワードでフィジカルカレンに命じる。


「マリオンドールズ、解毒剤を飲み干す」


俺の言葉を聴いてその顔から感情を無くしたフィジカルカレンが解毒剤を飲み干す。

その瞬間


「まっず!!不味!!なにこれー」


「フィジカルカレン」


名前を呼ばれた彼女は怪訝な顔をして俺を見る。


「な、なに?私の名前はカレンだけど?」


「マリオンドールズ、解毒剤を飲め」


「え?な、何?何のこと?」


どうやら洗脳は解けているようだ。


「カレン、自分が今までどうしていたか思い出せるか?」


「い、今までって?私はメイドとしてギストール子爵様の所で働くことが決まって、そして・・・」


カレンはポツリポツリとこれまでの事を話しだした。


メイドとしてギストール子爵に雇われた日に教育係として黒髪の女性と会いその時に洗脳されたらしい。

昼間はメイドとして、夜は魔法少女として戦闘技能を叩き込まれたらしい。


「あの、あなたが私を助けてくれたんですよね?」


「まぁそうなるかな」


「あ、有難うございます」


「俺も君に助けて貰ったからね。おあいこさ」


カレンの解毒に成功した俺は魔法少女達全員の解毒を完了させた。

結果を言えば全員この国の普通の女の子でどうやら連中の洗脳兵士を作るための実験台として使われていたみたいだ。


魔法少女達を解毒した俺達は捕らえた王族と貴族達にも解毒剤を飲ませた。

結果から言ったら彼等は白だった。

ある日王城にギストール子爵が連れて来たリリスを紹介されてその時洗脳されたらしい。


薬で操られていた時間の長い彼等は意識が朦朧としており治療には時間がかかりそうだ。

完全に治療が完了するまでこの国はまともに動かないだろう。

というのは普通の治療ならだ、だが俺には古代万能薬がある、王様の許可を貰ってシャトリアの人材を動かして貰って薬の材料を集めさせ、人数分の古代万能薬を作成し飲ませる。


この時俺を守る為に先の戦闘でリミッターを解除して無理をしていたカレンにも古代万能薬を飲ませて体を万全な状態に治療する。


そうして王族と官僚達の治療が完了した後、即座に王位の返還が行われた。

幸い使者が他国に到着する前に俺の飛行挺で彼等に追い付く事が出来たので、命令を撤回する指示書を見せ王都に引き返させた。

国民対しては王都を襲った侵略者の黒幕を引きずり出すための大々的な作戦だった、ヴィシャーナ姫は偽物で本物の姫は奪還したと発表された。

強引だったが王が直々に国民に対して発表した事で国民も納得してくれた。

さらに言うと王都に配置されていた洗脳音波を出す魔法具によって国民は偽ヴィシャーナことリリスの言葉を信じてしまった訳だ。

俺が回収する前に先回りされて回収できなかった魔法具をリリスは再度王都に仕込んでいたらしい。ただ戦闘の影響で壊れたモノも混ざっており、リリスの演説の最中に感じた不快な異音の正体はこの壊れた魔法具から発されたものだった。

破損した機材が混ざっていたお陰で全員が洗脳される事は免れたみたいだが、全ての魔法具が残っていたら今より酷い事になっていたかもしれない。

ともあれ、これで明日からこの国の政治は元通りだ。


次はリリスとギストール子爵を指名手配にして貰い俺とミヤはリリスを捕らえる為の道具造りに奔走する。

ミヤに頼んで研究所の資料から洗脳に対抗する為の道具を作る。


それと拠点攻略戦になりそうだから大規模殲滅も考えておこう。


そうして1週間ガッツリと新型の装備の開発に費やして調査隊にリリスの居場所を探して貰った。

その間の王都の警備はルジャ伯爵達アンデッドの皆さんにお願いしている。

何しろ死んでいる彼等には薬が効かないからだ、それに夜に寝なくて良いのも大きい。


その頃にはミヤが洗脳対策のアイテムを複数造ってくれたので指揮官クラスに配り、彼等には部下が操られた時の為に地面に叩きつけると解毒薬の煙が撒き散らされる煙球を幾つか渡しておいた。


準備は万端、調査隊がリリスの隠れている地域を見つけ出し今は詳細を探っている所らしい。

報告を受けた俺達は飛翔船に乗って現地に向かう、俺達が到着する頃には隠れ家も見つかっていることだろう。

今回の攻略戦に参加するのは俺とミヤそれにアンデッドの皆さんだ。王国の兵士達は周辺を固めて逃げられないようにして貰う予定だ。

本来なら自国の騎士達を使いたいのだろうが向こうにはイザーがいる、古代魔法帝国の生き残りと戦わせるのは危険だ、そこでルジャ伯爵達をシャトリアの兵としてカウントさせて貰うことにした。

これでシャトリアの面目も保てるというものだ。


空が夕日に沈む頃にリリスの潜伏している土地に到着した。

現地で合流した調査隊の報告ではまだ転移反応は無いらしい、攻めるなら今だな。

ここからは徒歩で移動だ、ミヤと護衛を飛翔船に残し調査隊の案内でリリス達の潜伏している隠れ家を包囲する。


「ミヤ、頼む」


「承知しました」


通信機でミヤに通信を送るとかなたから飛翔船が飛んでくる。

そしてそのままリリス達の潜伏している隠れ家の直上まで来ると真下の隠れ家に向かって大量のクズ鉄塊をばら撒いた。

ミヤの護衛として残ったアンデッド護衛の皆さんが汎用アイテムボックスに詰め込んだ鉄塊を取り出して落としているのだ。

だがクズ鉄塊といってもその大きさは1メートル単位だ、その質量は相当なモノである。

鉄塊が隠れ家に近付いたときガンと音を立てて半透明のドームのようなものが姿を現した。


「バリヤーか」


『そうよー』


拡声器から聞こえるような音でリリスの言葉が聞こえる。


『転移を封じたのは流石だけどイキナリ空爆とか非常識じゃない?

普通降伏勧告とかしないの?』


「お前相手にする義理は無い」


『ひっどーい。大体隠れ家にきたら潜入するのが礼儀でしょ、スニーキングミッションよ!!!』


「どうせトラップだらけなんだろう?悪いが遊びに付き合う気は無い、机の下で震えていろ」


会話が続いている間も鉄塊は振り注ぐ、かなり硬いバリヤーだがあの手の硬いバリヤーは許容量以上のダメージを与えれば決壊するのがお約束である。

一応ミヤに確認を取ってあるので確実だ。


「ミヤ、アレを使え」


「承知いたしました」


ミヤの持っているアイテムボックスはアンデッド兵に渡したものよりも上位のアイテムボックスだ。

そこから5メートルクラスの細長い円錐上の鉄塊を落とす、鉄塊には赤黒いラインが走っていた。


『幾ら大きくてもその程度の砲弾なんて無駄よー』


「それはどうかな?」


円錐上の鉄塊がバリヤーにぶつかった瞬間赤黒いラインが発光して


轟音と共に爆発した

赤黒いラインは火の属性石で魔力を通す事で発火するようになっており、一種の爆弾みたいになっている。


『キャー!!!』


「ミヤ、もっと大型殲滅弾を落とせ」


「次弾投下します」


次弾といわず次々弾も投下される。


『む!無駄なんだか・・・キャー!!』


リリスの悲鳴と共にバリヤーに亀裂が入る。


『ちょ、待って!!』


「ぶちかませ」


「ぶちかまします」


無慈悲な言葉と共に4発目の爆撃でバリヤーは砕けた、ついでに大量の鉄塊で見る間に隠れ家が破壊されていく。


「悪の終焉だ・・・・・」


「どっちが悪なんでしょうな・・・」


ポツリとルジャ伯爵が呟くと周辺に居た兵士達も頷く。


「リリス達が爆煙にまぎれて逃げ出すかもしれない、各員警戒を厳に!!」


「「「「はっ!!」」」」


だがリリス達は出てこなかった。隠れ家を粉々に破壊した俺達は包囲を縮めていってついにリリス達を発見する。

彼女達は気絶していた。


「あっけなさ過ぎる」


「ご主人様、普通アレだけの爆音を間近で鳴らされて爆風と爆煙と大質量の鉄塊で襲われたのですから生きているだけでも奇跡です、もっともその奇跡も種切れのようですが」


ダイナマイト漁みたいな結果になったな。

コイツラが気絶した所為で新作の落とし穴が試せなかったじゃないか。


そしてミヤの言う奇跡とは隠れ家の各所に仕掛けられた防御結界のことだった。

転移技術を利用した結界と通常の魔力結界だが転移結界はかく乱装置で無力化され魔力結界だけで持ちこたえていたらしい、それも壊れてしまったが。


リリス達が気絶しているうちにふん縛っておこう。

それとミヤと即効で作ったゴーレムに命じて使えそうな、特にイザーの魔法資料の回収を命令する。


隠れ家にいたのはリリスとギストール子爵、それにエルフと思しき女性に30人の男女だ。

仲間かそれとも洗脳されていたのか?


とりあえず全員のステータスを確認する。


だがやはりリリスのステータスだけは見えない、なので俺は大星剣メテオラを抜き放ちリリスの肌を浅く切ってスキルを消滅させる。

その後にステータスを確認するとリリスのステータスが見えるようになった、どうやらスキルでステータスを隠匿していたようだ。

さてリリスのステータスは?


名前:リリス=イシュタ=マルモ


Lv30

クラス:アルケミスト

種族:異世界人(人間:上位貴種)


スキル

・薬物無効 (上級)


能力値

生命力:50/150

魔力:80/200

筋力:1

体力:2

知性:4

敏捷:2

運 :4


なるほど、薬物無効スキルを悪用して洗脳薬をばら撒いて人を操っていたと言う訳か。

念のため大星剣メテオラでもう一度傷を付けて薬物無効スキルを消滅させておく。


他の連中でスキル持ちはいないかな?


ギストール子爵と、あとエルフの人……ってこの人のステータス!


名前:イザー=アザー


Lv125

クラス:アルケミスト

種族:古代エルフ


スキル

・千里眼


能力値

生命力:100/350

魔力:200/1000

筋力:1

体力:2

知性:8

敏捷:6

運 :4


コイツがイザーだったのか、とりあえず仲間か操られているのか分からないからスキルは消しとくか。

俺はイザーにも大星剣メテオラで傷をつけておいた。


他はスキル持ちは居ないか。


「ミヤ、解毒薬を全員に飲ませて」


「承知しました」


気絶しているイザー達に解毒薬を飲ませる。


「「「「不味っ!!!!」」」」


全員がその味の酷さに目を覚ます。


「なんなんだ一体?」


「あれ?ここ何処?」


目を覚ました者達が周りを見回して不安そうにしている。


「諸君、落ち着いて欲しい、我々はシャトリア王国軍である!諸君等には国家反逆罪の容疑がかかっている。

大人しく我々について来てもらう」


隠れ家を囲んでいたシャトリアの騎士達がリリスの部下達を連行していく。


「せめて水をもらえないかしら?」


そう兵士に呟いたのはイザーだった。


「質問に答えてくれたら差し上げますよ」


俺の姿を見たイザーは一瞬怪訝そうな顔をするが何か合点があった様でうんうんと頷く。


「君はクアドリカの弟子の子ね」


「知っているんですか?」


「リリスにアナタのことを監視するように言われていたから」


千里眼スキルか、悪いが消させて貰った。


「アナタはどっちなんですか?」


「恥ずかしい話しだけどリリスに操られていた方よ、ギストール子爵の紹介でこの子を弟子にってね、熱心に弟子入りを求められて仕方なく受け入れたのだけど。

でもいつの間にか操られていてね、今思うとリリスの炊いていた香水が怪しかったわね。

リリスがアレを使うようになってからおかしくなっていったんだもの」


「もしかしてギストール子爵って・・・」


「真っ黒よ、彼が彼女を連れて来たんだモノ、操られていた時のは覚えているけどばっちり陰謀を企てていたわ」


「でもどうやって洗脳を回避していたんだ?こいつの性格ならギストール子爵も洗脳しそうなもんだけど?」


「さぁ?そこまでは私も分からないわ、本人に聞いてみたら?起きてるわよ」


「・・・・・・」


目が合った。

思いっきり目覚めていたギストール子爵と目が合った、何かやな感じだなぁ。


「言いたい事は?」


「私はこの女に操られていたんだ!!」


すがすがしいクズっぷりだな。


「だったら操っていた本人にも話を聞いてみるか」



リリスをふんずけると「ムギュッ」と蛙のつぶれたような声を上げる。

案の定起きていたか。


「何か言いたい事は?」


俺の言葉にリリスは体を震わせながら無実を訴える。


『私は無実よ! この男に無理矢理手伝わされていたの!!』


「そ! そうだったのか!」


「なんて酷い男だ! 許さん」


周囲の兵士達が熱に浮かされた顔でリリスを擁護し始める。

恐らく洗脳の魔法具を隠しもっていたんだろう。

末端の兵士には対抗魔法具を用意できなかったのであっさり操られたわけだ。

俺もこうやって操られたわけだ。


指揮官にアイコンタクトを取ると頷いて支給した洗脳解除用の煙玉を部下にぶちまける。


「ゲホゲホ、あれ? 俺達何を?」


「え?嘘」


正気に戻った兵士達を見て驚くリリス。


「洗脳対策はしてあるさ」

俺は鑑定スキルでリリスの装備している装飾具を鑑定していく、すると一つのアイテムが引っ掛かった。


『言霊の首飾り

 自分の言葉を相手に信じさせる魔法具

 他の洗脳アイテムと掛け合わせる事で更なる効果を発揮する』


前はこれで俺を洗脳しようとしていたのか。


結果としてお互いに被害者を自称したリリスとギストール子爵は口汚い口論を繰り広げながら罪の擦り付け合い、結果お互いが企んでいた悪事を暴露しあう事と成った


そこから分かった事だがリリスは本当に日本から転移してきた日本人で、なんでも倒産した元社長令嬢だったらしくその頃の生活スタイルが抜けなくて借金がかさみ首が回らなくなってこちらの世界に逃げるようにやって来た定住組だったらしい。

そして日本政府が借金のことを知ったときには雲隠れしていたそうだ。


で、こっちの世界の住人とパーティを組んである古代遺跡を探索している時に洗脳薬のレシピを見つけそれを悪用することに決めたそうだ。

金持ちの貴族を洗脳すれば好き放題に生きられるというなんとも俗物全開の理由だが案外理由なんてそんなものなのかもしれない。

その遺跡と言うのがギンヤ子爵が治めていた領地にあった遺跡らしく、洗脳や人心操作といった外道な研究がなされていたらしい。


しかも遺跡の情報を教えたのはギストール子爵その人、なんでも遺跡発掘を頼んだのがギストール子爵本人だったとか。


こいつらのやらかした事明らかに許されざる犯罪行為だったので、

シャトリアを初めとした各国や日本政府からも一切の擁護は出ず鉱山での強制労働すら許されず処刑が相応しいということになった。


それと後日譚としてはギストール子爵がリリスに洗脳されなかったのはリリスのパーティに依頼した古代遺跡発掘の時に出てきたアイテム中に洗脳薬の毒を無効化するアイテムがあったかららしい。

リリスは洗脳薬のレシピの翻訳に夢中だったのでそのことに気付いていなかったそうだ。

そんな危険な薬が開発されていたからには対策も開発されていて当然だろう。

いずれ大々的に国民を洗脳する為にサーメンの花を大量に植え収穫を待っていた事や王都に洗脳用の魔法具を配置していた事も明らかなった。

見つけた魔法具は各国大使が見る中で破壊を確認して貰った。


ほかに転移装置を悪用して他国を襲ったのも肥大化した支配欲が原因らしい。

シャトリアが他国を支配すればいずれは自分が世界の女王になれると考えたそうだ。

洗脳と言う安易で便利な方法を知ってしまった所為で欲望を制御できなくなってしまったのが敗因か。

小さな世界で満足しておけばバレる事も無かったものを。


こうしてシャトリアから始まった侵略騒動は幕を閉じた。

ただ全ての原因がルジウス王国の転移装置にあるんだよなぁ、もうアレ破壊したほうが良いんじゃないかな?


「ま、とりあえず後の政治的な話しはお偉いさんに任せて俺達はやること済ませたら帰ろう」


「そうですね」


「じゃあアルマを呼んで帰り支度をするか」


だがそれを聞いたミヤが不思議そうな顔をする。


「何故アルマ様のお名前が出るのですか?」


「え?だってアルマも来てるじゃん」


「アルマ様は国に残られていますよ、現にアルマ様の位置情報を示す発信器の反応も本国の方向を差しておりますし」


「え?……」


じ、じゃあ俺達が見たアルマは一体?


まさか、生霊?


『クククク』


突然アルテア様の笑い声が響き渡る。


「ちょっ! もしかしてアルテア様の仕業なんですか!?」


『さてのう』


なんかよく分からんがとりあえずこの人が何かしたのだろう。

それにしても今回はすっかりアルテア様のお世話になっちゃったな。


ああ、早く帰って本物のアルマの顔が見たい、俺の胸中はそれでいっぱいだった。

しかしまたしても古代遺跡か、ちょっと古代遺跡には警戒を強めた方がいいなぁ 

今回の章は作者の表現力不足で皆さんにずいぶんと不快な思いをさせてしまったようで申し訳ない思いでいっぱいです。

今後は本筋というか作風から外れるようなストーリーは控えようかなと思っています。

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