後が怖いラブパワー
データが吹っ飛んで書き直し
「ストレイト!ブリッドー!」
「シャインブレイカー!」
魔法少女の拳が音速を超えれば、青の騎士は光を切り裂く。
だが少女の拳はいかなるモノも切り裂く蒼の騎士の剣を軽々と破壊する。
「ばかな!三武神の一角たる俺が出力で負けるだと!
この子娘戦艦並みの出力だというのか!!」
「魔法少女はラブ!イズ!パウワァァァァァ!!」
フィジカルカレンは圧倒的な力でバシャーを押していた。
彼女が殴ればバシャーは吹き飛び、吹き飛ぶ速さよりも早く追いついてその腕を掴み何度も地面に叩きつける。
「・・・・・・え?・・・・ええ?」
「魔法少女は恋をする事で50倍から100倍の戦闘能力を発揮します」
俺の傍らに立ったメガネの魔法少女が教えてくれた・・・っていうか
多っ!3倍どころじゃねーぞ。
だがその言葉に偽りは無いのだろう、二人の戦いは大人と子供いや大怪獣とアリだ。
「どうやら俺の出番は無いようだ、もはやあの二人の戦いに割ってはいることは出来そうもない」
まさかこんな漫画みたいなセリフを吐く日がこようとは。
バシャーの相手は彼女に任せて俺は捕獲した4人を確保することにした。
「あ、彼女に声援を送ってあげて下さい、瞬間的に1000倍の出力を発揮しますから」
聞こえない、聞こえなーい。
「現実逃避してもいいですから声援をお願いします」
「あ、あー。えーと頑張れーフィジカルカレン」
「!!!!!!!そ、そんな人前で名前を呼ぶなんて恥ずかしい!これはもうハネムーンしかないわね!」
それはおかしい。
「彼女の平常運転です。あと私は知識系魔法少女、ノウレッジマリーです。
得意技はサブミッション、朝から晩までお役に立ちます」
そういいってノウレッジマリーは腕を絡めてくる。
「所で彼女怪我は良いのか?俺の薬では完治させることが出来なかったんだが」
ぶっちゃけ薬が足りませんでした。
だって魔法少女27人も居るんだもん、全員の怪我をある程度治して危険な所を脱させるので精一杯だった。
「わ、私が治療したので、だ、大丈夫だと思います」
小柄だが体の一部がやたらと発育のいい少女が俺の疑問に答えてくれた。
「魔法少女ヒーリングシアンです、得意技は回復魔法です。あ、あの貴方のお怪我の治療をさせていただいて宜しいですか?」
「その前にする事があるんだ」
「作業をしながらでも構いませんので」
そういうことなら頼もうかな、俺が許可を出すと、ヒーリングシアンは何と俺の傷を舐め始めた。
「ん、ちゅぷ、ピチャ」
いやいやいやいや、何で舐めるんだよ、おかしいだろう!!
「私の魔法は体液を介したほうが回復が早くなるんです、んちゅ、ちゅぱぁ役得・・・」
だがヒーリングシアンは当たり前のように答えてくる。
言うだけあって彼女に舐められた箇所はまるで温泉にでも入っているかのようにポカポカとしてきて痛みが和らいでくる。
確かにこれは大したものだ。
だが彼女は俺のシャツをめくってその中まで舐めまわそうとして来る。
待て待て待て、怪我をしているところは全身嘗め回すつもりか!
「はい、んぷぅ、そのつもりです、べろり・・・美味しいです」
ヒーリングシアンはうっとりとした顔で俺の傷を舐めまわす、このままではやばいところを舐められてたまったもんじゃなくなる。
あわてて回復を切上げさせてその場を離れる、この子に回復魔法使わせちゃ駄目だ!
捕獲した4色のバキュラーゼの戦士達の元に来た俺は未だ意識のある青と黄色の鎧を外そうと思ったがどんなスキルを隠し持っているか分からないので
まずはステータスを確認する、全員俺の知っているスキルばかりだが赤いのだけスキルが多い、きっと接収で他の連中からも奪っていたんだろうな。
だが赤いのを見ていたらおかしいことに気付いた。
「強奪スキルが無い?」
そんなはずは、確かにコイツにスキルを奪われたのに、赤からは接収と強奪の二つのスキルが消滅していた。
接収はこれまでの経験から同系統の上位である強奪に統合されたのだろう、だが残りのスキルに強奪と統合しそうなスキルはない。
他の連中も確認する、青からは能力喰のスキルが消えていた。
「バキュラーゼはスキルを使用すると使ったスキルを失うのか?いや、強奪は使ってないか」
「そのような事例はありません、というかスキルはこのアルケルティア世界の人間しか発現しない能力です」
ん?俺達地球人は発現したぞ?知らないのか?
だが流石に地球のことを話すのはまずいのでそこは内緒にしておいた。
「でもあいつ等スキルを使っていたぞ?」
「それが謎なのです」
「うーん、スキルがなくなるか、スキル無効化ならここにあるけ・・・ど・・・」
まさかなぁ。
「どうかしましたか?」
「うーん、ちょっと実験」
俺は大星剣メテオラを構えると青に向かって振り下ろす、当然振り下ろされた剣は青を切り裂く。
そしてステータス魔法で確認すると青のスキルから短距離転移が消滅していた。
神器、それは神話の時代から悪しき心を持ったものからスキルを奪い換えす神のアーティファクト、
詰まる所神器の真の力とは、切り裂いた相手のスキルを消し去るというものだったのだ。




