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キスをしたら恋人ですか?

「初めてだったの、責任とってよ」


俺は魔法少女達に詰め寄られていた、その数実に27人。

彼女たちの世界ではキスというのは相当に大切なもので恋人でもない相手にすることなど考えられないらしい。


「そりゃ、操られた私達を助ける為なのは分かったけど、でも・・・」


魔法少女たちが皆顔を真っ赤にしてモジモジしながら俺を見てくる。

ソリッドマリアに操られていた記憶はあるらしくその件に関してはオレに感謝してくれた。

限界を超えて損傷した彼女たちの肉体はオレの薬で表面上は治ったが、相当な怪我だったので体の中はどうなっているのかは詳しく診察してみないと分からないので安静にするように言って俺は一人で戦場に戻ろうとした。


だが俺は魔法少女達に引き止められた。

もしかしたら俺がこのままいなくなってしまうかと思ったのかもしれない。

しかし拙い、このままバカ正直に責任をとったのでは側室を27人も連れてマエスタ領に帰ることになってしまう。

妻の目が大変なことになってしまうのは言うまでもない、アルマは割と独占欲が強いのだ。

だがうかつな事を言えば27人の魔法少女の鉄拳で俺は死んでしまうだろう。


「そんな事より」そう言おうとして慌てて口をつぐむ

それを口にしたら恐ろしいことになる予感がしたからだ、ラブコメ漫画的に。


だがそんな窮地に陥ったオレに思わぬ所から救いの手が差し伸べられた。

オレに対して遠方から幾条もの閃光が放たれたのだ。

なんと言う好機、神は俺を見捨てなかった。

閃光は明らかに俺を狙った攻撃で、俺はそれに感謝しながら何者かの攻撃を回避し魔法少女達の方を確認する。

流石に格闘戦主体だけあって俺よりも優雅に攻撃を回避している、あそこまで綺麗に避けるとまるで踊っているようかのようだ。


魔法少女たちが無事なのを確認した俺は何者かが攻撃をしてきた方向に視線を戻す。

そこにいたのはバギャンの仲間と思しき鏡の騎士達にカラフルタイツ軍団だ。

それに巨人の騎士、いや巨大ロボットと言うべきか?もいた。

良く見ると全員そこらじゅうに土がついている。

どうやら仲間に掘ってもらって落とし穴から解放されたようだ。

時間をかけすぎたか。


「さっきはよくも俺達に恥をかかせてくれたな」


何というテンプレ台詞、バギャンの仲間と思しき鏡の騎士達はこちらを包囲したことで気が大きくなっているようだ、全員油断無く武器を構えている。


「動くなよ、俺達の一斉射撃を浴びたくなければな」


「卑怯よ!!バキュラーゼの戦士には誇りが無いの!?」


「おいおい、なんでミリアムランドの魔法少女がそっちの味方してんだよ、

お前等裏切るのか?」


「この子には借りがあるのよ、その借りを返すまで敵対することは出来ないわ」


「そりゃ義理堅いこって、つまりは敵だな」


そもそもこいつらの関係性がイマイチ良く分からないんだよな、明らかに違う世界だし魔法少女にいたっては侵略行為をする理由が希薄なんだが。


「お前達の目的は何だ?なぜシャトリアを襲う?」


本当ならもっと早く聞いておくべきだったんだが、勢いって怖いな。


「ふん、このような田舎世界の住人が我々と同格などと言うのが片腹痛いのだ、他の世界の連中もそう思っただけだろうさ」


こんなことを言っているが実際には他の世界の連中と共謀してあらかじめ反乱を起こす事を決めていたんだろうな、一世界だけが行動を開始して他の世界も追従するとはとても思えない。


「ではお前達は元々シャトリアと手を組んでいたわけか」


「そうよ、この世界の統一の為に力を貸して欲しいといわれてな、

その対価としてこの世界にある様々な品を貰っていたわけだ」


「今になって襲うのはこの国の戦力を確認できたからか?」


「正解だ、この程度の技術力なら我々の科学力の足元にも及ばん、わざわざ闘いに手を貸さずともこうして力ずくで国を支配してしまえば良いのだからな。

そしてその後ゆっくりと転移技術について調べれば良い」


シャトリアもせめて1つの世界とだけ交渉していればよかったのに欲を張って扱いきれない数の異世界と関わったのが敗因か。

しかし好都合だ、証人として魔法少女たちもいるしこれを公表すれば異世界人に襲撃を受けたシャトリアは周辺各国から紛争鎮圧と治安維持の名目で軍を常駐されるだろう。

そして異世界人と手を結んで世界征服を企んでいたとあれば周辺国からの圧力で王族と一部高官は処刑か一生幽閉を強要される。

平民達も自分達が襲われた以上王族を守る義理なんてない、むしろ盲目的に王族を攻め立て周辺国に都合の良い言葉を発してくれるだろう。

その為にも王族の捕獲はしておきたいところだな。


「つまりお前達はこの世界を支配するのが目的か」


「この世界を第2のバキュラーゼにしてやろう」


「イヤ待てこの世界は我々ケレメンティアが管理するのだ」


巨大ロボットが首を横に振る。否定しているようだ。

ホントこいつら協調性が無いな、せめて分割統治ととか考えろ。

だがまぁ足並みがそろっていないのはむしろありがたい。


俺はミヤに通信を送りアンデッド達に連絡を取って、

オレ達に意識を集中させている連中を背後から叩くよう指示を出す。


アンデッド軍団の不意打ちが始まったら反撃を開始するとしますか。

それまでは誰がこの世界の支配をするか口論している馬鹿共を放置しておくとしよう。

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