ペットと一緒に帰宅
「キュー」
「おー泳いどる泳いどる」
「早いですねー」
ドゥーロはご機嫌で泳いでいた。
ここはマエスタ領はモネ湖、魔物渦巻く魔湖である。
そんな湖で魔物の王の一角キャッスルトータスの幼生はご機嫌で泳いでいた。
そんなドゥーロの手前にザバーと音をたてながら2mほどの大きさの魔物魚が現れる、
口に小型の魔物を加えているので食事中だったようだ。
だが運が悪いことに彼のすぐ後ろには絶対的捕食者の子供がいた。
「あ、食った」
「大自然の摂理ですね」
傷の治療が終わったドゥーロは王都の近くに流れる大河フラテス河に放流される予定だったのだが。
河に連れて行っても俺から離れようとしなかった。
それどころか俺が河から離れようとすると「キュー」と鳴いて付いてきてしまうのだ。
コレには皆まいってどうしたものかと相談したのだが結局良い考えも浮かばないので本人が飽きるまで好きにさせることにした。
つまり俺について来たのだ。
流石に代官の屋敷に住まわせるわけにも行かないので人工湖に連れていったのだがいつの間にかモネ湖に住み着いていた。
最初は危険な魔物が多いことで心配していたのだが湖の主であるメガシャークを倒してご飯にしていたので放置確定とした。
ペットの住む場所が決まったので後は師匠達に今回の一件を報告だ。
『なるほど異世界人か』
『しかも別の異世界とはな』
『うーん、気になるねその科学と言う技術体系』
「師匠達はバキュラーゼという世界を知っていますか?」
『私は知らないな』
『俺も知らんなぁ』
『僕も知らないね、ただ・・・』
コル師匠だけが言い淀む。
「何か知っているんですか?」
『うん、僕じゃないけど異世界と言うか転移について研究している技術者がいてね、彼女のことを思い出していたんだ』
転移技術を研究していた技術者か。
「その人の研究していた技術を誰かが利用しているって事ですか?」
『可能性の問題だけどね』
「異世界人の侵略を防ぐことは出来るんですか?」
『相手の転移方法がわかれば対処できるかもしれないけど現状では無理だね』
「ですよねー」
こうなると現状するべきことは戦力の強化、詰まる所領地の発展に帰結するわけだ。
領地が発展しなければ兵を満足に育てることなんて出来やしない。
残り二つの問題にも着手しなければいけないな。




