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情報の共有

バギャンたちの襲撃があって俺達襲撃を受けた貴族と騎士団の幹部は謁見の間に集まっていた。

そこで今回の襲撃についての情報を陛下に報告することで情報の共有をしていたのである。


敵から入手した情報をまとめると。


襲撃者はバキュラーゼと言う異世界から来た人間

ルードの戦士と名乗るバギャンとその部下バリシャーと兵隊

この世界の資源や財宝などを求めている

科学と言う魔法に変わる技術パワードスーツにレーザーセーバー

空を飛ぶドラゴン型ゴーレム(ロボット)

世界に協力者がいる

隣国シャトリア王国と関係が有る可能性がある、もしかしたら複数の国とも。

この世界には異世界との大規模な転移を封じる封印があり大人数の転移ができない。

そのため結界を解除する鍵が欲しい、だからこの国を襲った。


分かったことは大体このくらいか、他は防衛に手一杯でとても情報収集まで出来なかったらしい。


「クラフタよ、敵を撤退させただけでなく良くこれだけの情報を集めてくれた、感謝するぞクラフタよ」


「お褒め頂き恐縮です」


「私の部下達の治療をして頂きありがとうございますマエスタ男爵」


「我々もアルマ様とマエスタ男爵の治療に助けられました」


「む?アルマもであるか?」


「はい、我々マエスタ男爵とアルマ様に傷の治療をしていただきました」


「クラフタよ、アルマは治療の心得があるのか?」


「本人たっての希望で薬師の修行を望んでおりましたので」


「さようか、・・・・・・成長しているのだな」


「夫婦で薬師とは仲がよいですな」


「恐縮です」



少しの間雰囲気が和やかになる、俺の嫁は最高なんやで。



「異世界の住人も気になりますが敵に協力者がいるというのが気になりますな」


「ですな、アルマ様を人質に取ったのも我々の情報を漏らした者がいるということですからな」


貴族達や軍人達の空気が張り詰める、つまりは自分達の中に裏切り者がいるということなのだから。


「やめよ、今それを言っても詮無き事だ」



結局具体的な対策案は出ず今回の件で得た情報の一部を秘匿することと成った、具体的には異世界辺りの情報だ。

解散する中で俺とアルマは陛下の私室に来るように言われた。


「来たかマエスタ」


「失礼いたします陛下」


「アルマ、マエスタ、此度の働きご苦労であった」


「お褒めに預かり恐縮です」


「ありがとうございます父様!!」


「うむ・・・してクラフタよ、敵は結界の破壊の為わが国を襲ったといったのだな」


「はい、王が知っているといっていました」


「・・・・・・丁度良い機会か・・・」


「陛下?」


「父様?」


「お主達に伝えておくことが有る」


「「はい」」


「異世界から来た侵略者に関係することだが、実はわが国にも異世界からの住人がいるのだ。」

 

「「ええ!?」」


アルマと俺は陛下の突然の言葉に驚く、まぁ俺は知っていたが。


「わが国には異世界と交流を行う目的で作られた遺跡がある」


「遺跡と言うことは古代魔法文明ですか?」


「そうだ、王である余と一部の者達のみしか知らぬ国家機密である」


「遺跡の有る場所は何処なのですか?」


「それは機密だ、余と直接遺跡を管理するものしか知らぬ」


「では遺跡の管理者が今回の事件を?」


その可能性も高い、だが陛下はかぶりを振って


「いやそれは無いだろう、あの遺跡は一つの世界としか繋がっていない。というより繋がらなかったのだ」


「一つの世界ですか、それはどのような世界なのですか父様?」


「なんでも科学と言う魔道具が発達した世界らしい」


「科学といえば今回の襲撃者も使っていた技術です」


「いや、わが国に滞在する異世界人に確認を取ったところバキュラーゼやルードと言う名は知らぬということだ。

またわが国を襲ったドラゴン型ゴーレムのようなものを作る技術力も無いそうだ」


「では別の遺跡から別の世界の人間を召喚したということですか?」


「恐らくな」


むろん彼等が自力でこの世界にきた可能性もあるがどちらにせよ協力者がいることには変わりない。

そういえば気になることが一つ。


「陛下、此度の襲撃の際マックスと名乗る冒険者に命を救われました」


「マックスか、アレは性格に難はあるが戦士としては優秀だな」


「ご存知で?」


「あの者は余の昔からの知己でな、色々と手伝ってもらっておる」


なんとマックスのおっちゃんは陛下の知り合いだったのか。


「マックスは王城から動けぬ余に変わって様々な仕事をこなして貰っておる」


「マックス・・・さんが敵と戦闘しているとき手にした武器が神器と呼ばれていましたが神器とは?」


「そんなことまで話しておったのかあ奴は」


陛下が眉間に手を当ててため息をつく。


「父様、それはもしかして七色の石の神器のことですか?」


「そうだ」


アルマの言葉に陛下は再びため息をつくと疲れた声で答える。

七色の石?



「7色の神話ですよクラフタ様」


「えっと、なにそれ?」


「え?クラフタ様知らないんですか?」


「うん、知らない」


「凄く有名なお話ですよ」


「そうなんだ」


「それはあとでアルマに聞くと良い、それよりも世界の壁を維持する結界を破壊する手段だ」


「陛下は知っていらっしゃるのですか?」


「うむ、お前も良く知っているぞ」


「俺がですか?」


「お前が保護した元獣キャッスルトータスが結界の鍵だ」


「「え!!」」



予想外のつながりに俺とアルマは素っ頓狂な声を上げてしまった。

なんで亀?


「四元獣は魔獣の王といわれている、その理由は元素を喰らいあらゆる魔物の頂点に立つ存在だからだ。

だがそれは表向きの理由、四元獣とは世界そのもの、世界を具現化した存在なのだ」



あの腹ペコ亀が世界を具現化した存在とか大事になりすぎだろ!


「四元獣を殺傷することは出来ん、たとえ肉体を破壊されても世界が存在する限りまた復活する。

だが肉体を破壊され再構成する間は世界が揺らぐと伝えられている、連中の狙いはその揺らぎであろう」


「陛下の予知はそれを示唆していたと?」


「おそらく我が娘達、もしくは国民を人質として聞き出そうとしていたのであろうな」


「ですが敵の陛下が知っているという根拠は何だったのでしょうか?」


「恐らくは神器を継承する国家の伝承を狙っていたのであろう」


神器か、さっき出た会話がまた繋がるのか。


「神器の伝承は世界創世の神話に繋がる、それを所持する国なら世界を守護する結界の知識があると考えたのであろう」


むー、敵が不透明すぎていまいち絞りきれないなー。


「それで陛下はドゥーロの扱いをどのようにされるおつもりですか?」


「国で保護といきたいがそれを行えば他国から吊るし上げを喰らうであろうな」


「傍目から見ると独占しているようなモノですからね」


「うむ」


「ですが今ならまだ敵も四元獣が鍵とは分からないはずです、それにドゥーロもかなり大きくなったのでそこらの魔物や密猟者に不覚はとらない

と思いますのでさっさと開放するのも手だと思います」


「やはりそれが一番か」


こうしてデューロの放流が決まった

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