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襲来

久しぶりに帰郷したらペットが凄く成長していました、そんな感じ。

2ヶ月ぶりに再開した元獣キャッスルトータスのドゥーロは5倍の大きさになっていましたとさ。

でけぇ。


「このまま育つといつか王城を踏み潰しそうだな」


「そうなっては困るのですが」


振り向くと桶いっぱいの魚を持ってメイドさんが餌やりに来ていた。

ああ、こうやって皆餌をやりまくったんだな。


「元獣は元素さえあれば生き続ける事が出来るから餌は特に必要ありませんよ」


「え?そうなんですか?」


「はい」


誰も調べなかったのか?

もともと元獣の世話は拾ってきた俺の担当だったからなぁ。

さしずめこのメイドさんは餌やりをサボった息子の代わりにペットにご飯を上げるお母さんか。

んで息子よりお母さんに懐くわけだな・・・・・・俺より懐いてないよな。

だが俺の予想を裏切るようにドゥーロはメイドさんに懐いていた子犬が飼い主に甘えるようにキューと鳴きながら擦り寄っている。

この世界のカメって鳴くんだなぁ、うんどうでもいい事だけど。


「はーいドゥーロちゃん、ご飯ですよー」


「きゅー」


野生を失ったとしか思えない姿を晒す4元獣の一角がメイドさんからご飯をもらっている、それでいいのか魔獣の王?

しかしコレだけ大きくなった以上城に置いておくわけにはいかんなぁ。

浮島に有る大型の飛翔船なら乗せられるかな、ただそれをやると飛翔船を所持していることがバレるんだよなぁ。

むー、だがこれ以上はリアルに城に置くスペースがなくなってしまう、

そうなったらコイツは身動きの出来ない檻に入れられたような状態になってしまう、それは良くない。

もうコイツの怪我は完治しているし陛下の許可を取ってここから出そう。


そう思って王城の中に引き返そうとした時だった、



空が割れた。



音もなく、気配もなく空に亀裂が走り不気味な模様が空に浮かぶ。


最初に感じたのは「危険」、次に感じたのは「逃げろ」、最後に感じたのは・・・・・・


「敵」


だった



それを自覚したときには空の亀裂から敵が降りてきた。


銀の鎧を身をまとった戦士が俺の前に降り立つ。

銀の戦士が俺を見る、迂闊。


「少年よ、ここはマエスタ王国の王都か?」


鎧の奥から聞こえてきたのは成熟した男の声だった。


「そうですがどちら様でしょうか?」


「私は・・・異世界バキュラーゼはルードの戦士バギャン」


まさか答えてくれるとは思わなかった、しかも異世界ですと?

ふざけているとも思えない、だが素直に信じれるかと言うとNOだ。


「この国の王に会いたいのだが案内を頼めるかな?」


「陛下が不法侵入して来た人と会うとは思えませんけど」


「それならば力づくで会うまでだ」


あくまでカンだがこの人物は俺より強い、アルテア様クラスの実力が有る気がする。

城の中で戦ったら拙い。

どうしたものかと考えあぐねていると城の離れた場所で爆音が上がる。


「っ!」


「始めてしまったか、こらえ性の無い奴らだ」


「なにを!」


「すまんな、私の仲間が戦闘を始めてしまったようだ、これ以上騒ぎを大きくする前に王に面会をしたいのだが案内してくれたまえ」


「お仲間を止める気は?」


「言っても止めんし指揮系統が違う」


歩み寄りは出来そうもない、兎に角誰かと合流して交渉のテーブルについてもらおう。


「分かりました、僕では陛下に直接お会いする権限はありませんので謁見の申請をされる方の所にご案内いたします」


「手間をかける」


誰かと合流するにしても情報が無いのはまずいな、何とか情報を収集しなくては。


「先ほど異世界とおっしゃっていましたが物語に書かれているような魔界や精霊界からいらっしゃったのですか?」


ストレートに聞きすぎだ俺。


「そう思ってもらってかまわない、こことは別の、閉じた壁の向こうの世界から来た」


「みんな貴方のような凄い鎧を着た騎士様ばかりなんですか?」


「コレは戦士の鎧、誰もが纏う事を許されたものではない」


またしても応えてくれた、どうやら幹部級のようだますます戦いたくなくなるな。

だが願いもむなしく戦闘の足音は近づいてきた。


城のホールに差し掛かったところでバギャンが横に飛ぶ。

ホールの上から騎士達が飛び降りざま攻撃してきたのだ。


「そこまでだ!!侵入者!!」


「ご無事ですかマエスタ男爵!!」


「ありがとう、彼は強いよ大丈夫?」


「御安心を、そのための騎士団です」



騎士団対謎の自称異世界人の戦いの始まりだ。

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