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陛下との謁見と世間話

通常馬車で2週間かかる所を空を飛んで3日で王都に到着した。

もっと早くこれたけど早すぎると空を高速で動く奇怪な雲の姿を見られるのでやめた、

移動をごまかす為のステルス雲の大量発生は近隣に良くない影響を与えかねないしね。


王都の近くまで来たら飛翔機に乗って王城まで一直線、飛竜に乗った竜騎士に職質されるまでがワンセット。


「お久しぶりですマエスタ男爵、アルマ様」


「お久しぶりですクヴァルさん」


「お久しぶりです」


軽く挨拶を済ませたら龍舎の近くに飛翔機を下ろす、相変わらず宝物庫に飛翔機をしまう動作を眺める人たちがいる。

アイテムボックスが欲しいのか飛翔機が欲しいのか、両方か。


さて、王城に着いたので陛下への謁見の申し込みをしてそれからフィリッカとバクスターさんに挨拶をするか。

どうせフィリッカと話してるときにアルマ会いたさにやって来るに決まってる。


「マエスタ男爵様」


今後の予定を考えていると連絡役と思しき男性がやって来る。

これは先に謁見か?


「遠路はるばるお疲れのところを申し訳ありませんが陛下がおよびです」


「対応が早いですね」


「マエスタ男爵様の飛行魔法具が見えたら即座にお連れするようおおせつかっております」


なるほど飛んでくることは分かっていたのか。

今回呼ばれた件は高い確率で予知が関係しているだろう。




「陛下マエスタ男爵をお連れいたしました」


「うむ、ご苦労下がってよいぞ」


「はっ」


「久しいなクラフタそれにアルマよ」


さりげなくアルマの名を呼ぶときに頬が緩んでいます陛下。


「ご無沙汰しております陛下」


「お久しぶりです父様」


「うむ・・・さて、来てもらったのは他でもない、キャッスルトータスの幼生の件だ」


「ドゥーロがどうかしましたか?」


「うむ」


陛下は執務室の机の引き出しを開けると中に入っているオブジェに触れる、その瞬間部屋の空気が変わった。

陛下の私室にあった結界と同じものか。


「余の予知があのキャッスルトータスの幼生が攫われると出た、フィリッカも同様の予知をしたそうだ」


「王城からですか?」


「そうだ」


つまり城内に裏切り者がいるということか?


「キャッスルトータスの幼生の保護はわが国が得た権利である、ゆえに幼生の誘拐を許すわけにはいかん」


「治療自体は既に完治しているはずですが?」


「今は別の意味で開放できん」


「?」


別の意味?政治的なという意味か?


「キャッスルトータスの幼生とは顔を合わせたか?」


「いえ、まだですが」


「見れば分かる、アレの件については早々に何とかしないと更に状況が悪くなる故な」


「いっそモネ湖にでも放しますか?」


「何?」


「治療は完了していますので早々に開放したほうが良いのでは?もともと傷の治療が終わるまでの予定でしたし」


「出来るならそうしたいの」


治療が終わって解放した後に襲われるならこの国が責を負う事は無い、とはいかないんだろうな。

少なくとも襲われるのは他国で無いとまずいだろう。


「時にクラフタよ、オーリー山のストームドラゴンを討伐したと聞くが誠であるか?」


「尾ひれが付き過ぎていますが概は」


陛下に事のあらましを話すと爆笑された。


「お主らしい話よ」


「そしてこちらがストームドラゴンのドラゴンドロップと逆鱗です、ここでは出せませんがストームドラゴンの頭蓋骨も持ってきております」


「おお、コレがストームドラゴンのドラゴンドロップか」


陛下は俺の持ってきたドラゴンドロップを手に取り様々な角度から見る。


「時にクラフタよ、コレを余に売る気はないか?」


「陛下にですか?」


「正しくは国に、だがな」


「それはかまいませんが」


「おお、それは助かるぞ、コレだけの魔力を持った品ならわが国の魔法具の研究も捗るであろう」


ああ、なるほどバッテリーとして使いたいわけか。

とりたてて必要なものでもないし良いか。

あ、アレも渡しておかないと。


「陛下、これを陛下に」


「む?コレは何だ?ただの彫刻ではなさそうだが」


「遠方の人物と連絡の出来る魔法具です、コレで俺とアルマに話が出来ます」


「何!遠方と連絡とな?で、どれぐらい遠くまで届くのだ」


陛下が凄い勢いで椅子から立ち上がって食いついてきた、なんかツボに嵌ったのかな?


「いちおうマエスタ領の私の屋敷までは届くはずです。

なにぶん古代文明の遺跡から発掘したものですので詳細は俺にもわかりません」


「そうか、古代文明の遺産であるか」


陛下はがっかりした表情で椅子に座る、そんなにガッカリしたのか。


「ええと、何か気になることでも?」


「おぬしがコレを作ったのならぜひとも量産して欲しかったのだが、いや贅沢は言うまい。

ありがたく使わせてもらうぞ」


陛下に一通り使用法をレクチャーすると後は雑談タイムとなった。

とはいえ陛下も忙しい身なので早々にお暇する事となる。

ついでなので噂のドゥーロの様子を見に行くか、たしか庭園にいたよな。






庭園にいるはずのドゥーロを見に来たのだが、何というか予想外だった。

俺の記憶では1mくらいのでかいカメだったが目の前に見えるカメは5mを超えていた。


「でけぇ!!!」


「おっきいですね」


「くぅぅぅぅぅ?」


俺の声に反応したドゥーロがこちらを向く。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「くぅぅぅぅぅ!!」


地響きをあげて突進してきた、超怖い。

アルマを抱えて跳躍スキルで空に逃げる、俺を見失ったドゥーロが切なげに泣き声をあげる。


「くぅぅぅぅぅ」


中身は変わってないって事か。

また突撃されないように今度はドゥーロに近づいてから呼びかける。


「ひさしぶりドゥーロ」


「くぅぅぅぅぅ!!」


俺の姿を見つけ頭を擦り付けてくるドゥーロ、カメの甲羅ってサルモネラ菌とか付いてなかったっけ?この世界ではどうなんだろう。

久しぶりに再会した俺は一方的に感動を満喫されるのだった。

しかしどうやってコイツを攫うんだ?

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