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フィッシュ

すみません、話が途中までしか入力できていませんでした。


湖の水質調査して数日たったある日、湖側の水路を作っている職人から呼び出しがあった。


早速湖に行ってみると呼び出された理由がわかった。


湖の中で作業をしていたゴーレムのスルガとサズが戻ってきたのだ。

ただしその姿はボロボロだった、腕はもげてるしところどころ噛み砕かれている。


「うっわ、ゴーレムを噛み砕くとかどんなん?」


行動不能寸前で戻ってきたか、ということは一応魔物は全滅したのかな?

そう思った瞬間だった、湖の水が爆発し巨大なメガシャークが水面からジャンプした。

15m以上はあろうかという巨体のその口には大型の魔物を咥えている、どうやら狩りをしていたようだ。

ゴーレム達は周辺で確認できずに任務完了と思ったのかそれとも別の通路があるのか。


「どちらにせよアレは何とかせんとなー」


『何か策があるのか?』


精霊石の中のアルテア様が聞いてくる。


「所詮はデカイ魚ですよ」


というわけで早速代官の屋敷に帰ってきて対策を練る、つってももうやることは決まっているんだが。

新しいゴーレムの術式を組んで必要な物を用意してもらう、あとは物が揃うまで待つだけだ。


午後からはミニゴーレムを解して師匠達の授業が始まる。

最近はアルマも混じっている、3人いるので誰かがアルマの相手をしてくれるのだ。


『そう、この薬はしっかり潰して煎じる必要がある、全部ペースト状になるまですり潰すんだ。』


「はい先生!」


アルマは薬学が気にいったらしい、彼女と知り合ったきっかけを考えたら当然の選択ともいえるが。


『おーい、聞いてっか?』


「は、はい」


『奥さんが上司とニャンニャンして嫉妬しておるようじゃぞ』


『あーそりゃ集中できないわ』


師匠達がゲラゲラと笑っている、無視していいよね。


『おーい、無視すんなよ、ほれ新しい武器作るんだろ?』


そうだった、七天魔杖が金属疲労でぶっ壊れたままだった。


「どうしましょーねー、元通りに直してもまた壊れますし、もっと剛性が強い材料を使うか機構を簡略化するかですね。


『技術者としては複雑な構造を減らして剛性を上げるのをお勧めするなー』


「ですよねー」


悩ましい、使える道具なら強度を優先させるが趣味を優先させれば強度が足りず。


『で、どうすん?』


「とりあえず手持ちが無いのは不安なんで繋ぎの武器を作っていい素材が入ったら改修します」


『ま、それがいいんじゃね?』


こうして午後は新装備の開発に費やした。



翌日


メガシャーク対策に必要なものが届いたのでさっそく湖に行こう。小型ゴーレムに荷物を持ってもらう。


「お早うございます、今日は早いですね」


「お早う、早速サメ退治としゃれ込もうと思ってね」


水路建設をしている作業員達が挨拶をしてくる。


「さーて、始めますか」


俺はゴーレムコアを地面に埋め込んで魔法を発動させる。


「クリエイトゴーレム!」


地面の土が盛り上がって巨大なゴーレムが完成する。

身長12mの巨人はその巨体に負けない釣竿を小型ゴーレムから受け取る。


「でっけー」


作業員達がゴーレムを見上げる。

ゴーレムは小型ゴーレムの持ってきた荷物、今回のために用意した『大型の魔物の

肉』を針につけて湖に入っていく、太ももが沈むくらいの場所まで行くと竿を振る。

リールが回り糸がどんどん伸びていき餌の付いた針が飛んでいく。

餌が沈むとそこには釣具の浮きだけがプカプカと水面を漂っていた。


そう、今回の作戦はズバリ釣り!!

魔物狩りをしている連中に頼んで用意してもらった大型の魔物を餌にしたのだ。

湖の主を釣りで捕まえる!釣りマンガの基本です。


竿の糸はジャイアントスパイダーの縦糸を寄り合わせたものを用意させた、

非常に強靭なジャイアントスパイダーの縦糸のみを利用した事に糸集めを頼まれた仕官希望者は驚いていた、どうやらこの世界に蜘蛛の縦糸は粘着力が無いということを知っているものはいないようである。

ついでなのでそいつ等は専属職人として雇いジャイアントスパイダーの糸取りを命じた、もちろん口止めもしてだ。

ジャイアントスパイダーの縦糸は非常に強靭で色艶も美しい、服や網など様々なものに使える。

しばらくの間は糸を使った様々な商品を独占できるだろう、どうせ情報は漏れる、今のうちに儲けておこう。


暫く待っていると浮きが動き出した。


「リールを巻け!」


俺の声に従いゴーレムはリールを巻いて獲物を巻き寄せる、

だが獲物も素直につかまらない、右へ左へ動いて逃げようとする。

ゴーレムの体が揺れる、間違いなく大物だ。

左右の触れが無くなり糸がぴんと1方向に伸びる。


「糸を開放しろ!」


再びリールが回転し糸が放出される、どんどん糸が伸びて行くがその動きが緩む。


「糸を巻け!」


再び糸を巻くゴーレム、今度はどんどんこちらに巻かれて来る。

糸の動きが鈍い、餌に入れた麻痺薬が聞いてきたようだ。

単純に釣ることが目的なので毒を使わせてもらった、大丈夫時間経過で分解される毒なので後でスタッフが美味しく召し上がれる。

獲物のシルエットが見えてくる20mはある、間違いないメガシャークだ!


「よし吊り上げろ!!」


オレの声に答えゴーレムが竿を振り上げると空中に巨大な魚影が浮かび上がった。


「よっ・・・」


だがその瞬間黒い影が横切り魚影が消えた。


「なんだ!?」


視線を空に向けるた俺たちは絶句した。

そこに居たのは


巨大なドラゴンだった。


全長40mはあろうかと言う巨体を航空力学を無視するように浮かせている。

あれ絶対羽根で飛んでない。

青い空に青銀色に輝く鱗の龍、間違いないあれはオーリー山の主ストームドラゴンだ。


だが俺たちは獲物を掻っ攫ったドラゴンがご機嫌で帰っていく姿を見れなかった。

なぜならドラゴンが途中で落ちたからだ、ポトッと、殺虫剤で死ぬ虫のように。


「あ、麻痺薬」


ドラゴンにも効くんだ。


「ストームドラゴンってオーリー山に何匹いるか知ってる?」


「え?いや俺たちはちょっと・・・」


どうやら知らないみたいだ、まぁドラゴンに近づきたくは無いよなぁ。


『ストームドラゴンは繁殖以外では群れぬ、縄張りには常に1頭。チャンスじゃぞ』


「ですね」


それだけわかれば十分だ。

急いでゴーレム達に大きな岩を持ってこさせる。

その間にドラゴンのクビをフリーズボールで凍らせていく。

麻痺しているドラゴンに抵抗は出来ない。

ゴーレム達が巨大な岩を持ってきたので加工の魔法で斧の形にする、

本来は金属が良いのだが薬が切れる前に終わらせなければいけない。


巨大ゴーレムに斧を持たせストームドラゴンのクビに振り下ろさせる。

狙いはフリーズボールで凍った部分だ、凍った鱗を斧の重量で無理やり砕く、

だが腐ってもドラゴンの鱗頑丈だ、何度も何度も叩いていく。

次第に鱗にひびが入りついには血が噴出す血が出たら魔法で凍らせまた叩ききる、20分後にはドラゴンの首と胴体は分離していた。


作業員達の歓声が響きわたる、こうしてオレはまったくの偶然でオーリー山を開放してしまった。

やったね仕官希望者達、鉱山の警備員の仕事が手にはいるよ!

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