骨と騎士
敵増援が表われるのはシミュレーションゲームのお約束。
PS:ブックマークが100を越しました。
毎回読んで下さっている皆さんありがとうございます。
さすがに5体はきついのでストームウォールを正面に発動する。
もっと遠い場所に自由に発動できれば相手を分断したりできるんだけどとりあえずコレで5体一気に突進されることは無くなった。
ストームウォールを迂回するためにスピードを落としたところを狙う。
獣の魔物は右2体、左3体で左右に分かれて向かってくる。
右から来た獣の魔物にファイヤダガーを打ち込み左の獣の魔物には七天夜杖を突き込む。
右の魔物が燃え左の魔物の頭が真っ二つになる、残り3体!
そう思った瞬間、獣の魔物の下から白い何かが飛び出してくる。
増援!?いや違う!
それは白い獣の骸骨だった、予想外の速さに武器を戻すのが間に合わず牙に噛み付かれてしまう。
痛みをこらえて七天夜杖を突き込もうと牙を離してするも避けられてしまった、残った3体もストームウォールを
迂回してやって来る。
ストームウォールを解除し武器を構える、よく見るとこの魔物たちアンデッドだ、骸骨の上に黒い毛皮が乗っている。
毛皮を盾にして避けたわけか。
コイツラ結構早いからバカ正直に戦うのもやってられんな、ここは誘うか。
七天夜杖を真中から半分に割って変形させる、第4形態ツインソードモードだ。
双剣を振って右の2体に切りかかるがさすがに簡単には当たってくれない、サイドステップで避けられる。
その隙を狙って左の3体が襲い掛かってくる。
3体がジグザグに飛び跳ねながら飛び掛ってくる、だがそれが狙いだ。
横っ飛びで避けながら自分の居た位置に向かってピットホールの魔法を唱える。
俺の居た場所に飛び掛った骸骨の獣はそのまま魔法で作った落とし穴に落ちていった。
コレで後2体、落とし穴を迂回して攻撃してくる2体を双剣で削っていく。
数発攻撃を当てられた2体は足の骨が折れて動きが鈍ったところをアックスモードで一気に叩き割る。
その後残り3体を落とし穴の上からランスモードで突いて終了っと。
5体の魔物に手間取ったので念のため周辺の魔物が近づいてないかチェック。
レーダーには3体の魔物の反応が自分を示す光点のすぐ傍に表示される。
え?
周囲を見回すが動くモノは無い、どこかに隠れているのか?
ふと気付くと反応のうち二つは落とし穴のあたりだ。
骸骨の魔物が生きているのかと除いて見るが散々砕かれた骨は完全にご臨終だ。
おや?
よく見てみると毛皮がうごめいている、もしかしてこの毛皮生きてるのか?
とりあえず毛皮を数回突き刺して見ると動かなくなりレーダーの光点も減る。
やっぱりこの毛皮が生き物なのか。
残った毛皮も狩っとくか、そう思って振り向いた瞬間風を切る音がした。
慌てて飛びのくと俺の居た場所に剣が振り下ろされる。
今度は何が来たよ?
そう思って攻撃してきた先を見ると茶色い鎧を来た骸骨が居た。
またアンデッドか、っつーか6体目?
いや、毛皮を入れると11体目だ、けど領域のレーダーは5体しか表示していなかった。
どういうことだ?
『王に…なるのは…』
喋った!
『オオオレェだぁぁぁあぁぁ!!」
どうやら王の試練に失敗して朽ち果てた死体がアンデッド化した様だ。
『シィィィネェェェェ!』
王座に興味は無いけど殺されるわけにもいかんしさっさと倒すか。
バックステップで敵の攻撃を回避しつつファイヤダガーの魔法を放つ。
『あぁぁぁまいわぁぁあぁ!!!!!』
骸骨騎士が盾を構えると魔法が弾かれた。
対魔抵抗の盾か、厄介だな。
『むぅうだぁぁぁあぁだぁぁぁ!!!!』
骸骨騎士が剣を構えて思いっきり振る、おいおい間合い空きす…ってぇえ!!
何と骸骨騎士が振った剣から赤黒いオーラが飛んできた。
慌てて避けた直後背後の岩壁が弾け飛ぶ。
『見ぃぃぃたぁぁぁかぁぁぁぁぁ』
衝撃波か、こうなったらこっちも奥の手だ。
「ならば!俺の奥義を受けてみろ!!」
『おおぉもしろぉいい!来ぅるがぁいいいいい!!』
良しかかった!
「ピットホール!!」
こちらの攻撃を受ける為に構えた骸骨騎士の足元に骸骨騎士がギリギリ入るの狭さの落とし穴を掘る。
『さぁぁぁあ来ぃぃぃぃぃ!!』
雄叫びと共に落ちていく骸骨騎士。
『あれ?』
間の抜けた骸骨騎士の頭部に思いっきり七天夜杖ランスモードをぶち込む。
ギシッ!!
あ、何か嫌な音がした。
『貴ぃぃぃ様ぁぁぁぁぁ!!!』
間髪いれず第2波をぶち込む。
『ズ、ズルイぞ!正々堂々と戦わんか!!』
エコーが掛かってませんよアンデッドさん。
時折ファイヤダガーの魔法もぶち込む
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
身動きできない骸骨騎士に執拗な攻撃をかまして完全に沈黙させる。
「良し勝った!!」
しっかし死体を放置とはなー、世知辛いねぇ。
骸骨騎士が復活しないのを確かめてから装備を回収する。
茶色い鎧と剣と盾か、とりあえず鑑定かけとくか。
『聖騎士の鎧
聖なる加護を受けた純白の鎧、魔法に対する防御効果がある。』
『聖騎士の盾
聖なる加護を受けた純白の盾、魔法に対する防御効果がある。』
『聖騎士の剣
聖なる加護を受けた剣、デーモン、アンデッドに対する攻撃力が2倍になる』
一応回収しとくか、タールに放り込もうと思ったがもう入りそうも無い。
とりあえず剣と盾は持たせて鎧は置いとくか。
結局コイツらがレーダーに反応しなかった理由って一体なんだったんだろう?
動く毛皮しか認識していなかったみたいだけどアンデッドは認識しないのか?
毛皮の一部を切って鑑定してみる。
『モップキャタピラーの体毛
織物の素材になる』
毛虫でしたか。
んじゃこっちの骨は?
『ボーンウルフの牙
頑丈な釣り針の材料になる』
うーんいらんなぁ、けど小さいし2、3個確保しとくか。
さて、出口の探索を続けますか。
領域のスキルじゃアンデッドは探知できそうに無いから気をつけないとな。




