お供爆誕
試練の谷は観光の谷
さて試練の谷に連れてこられたは良いけどどうしたモンかねー。
細い通路を下って谷底まで連れてこられた、ここがスタート地点らしい。
谷は迷路状になっていて出口である門を超えれば試験は合格らしいが試練の谷は以外に広い、
迷路のお約束である右手左手の法則で脱出しようと思ったが魔物も結構いるので安易に動くのは止めたほうがよさそうだ。
まず現状の把握だ。
自身の力のみで攻略しなければいけないので師匠から受け継いだ便利道具は宝物庫ごと没収になった。
とはいえ赤の他人に渡す気も無いのでアルマに預かってもらった。
俺から預けられたアルマはそれはもう嬉しそうに
「命に代えても守って見せます!!」
と言って服の中に仕舞いこんだ、もう一度言う服の中に仕舞いこんだ!!ヤダこの子判ってる、なんで秀吉。
アルケミストというクラスの特性上自分で作った道具や薬は持ち込みOKらしい。
あと薬なんかの買込みも良いらしい、さすがに魔物の闊歩する場所で回復アイテムや武装無しは無理ゲー過ぎるからね。
装備を整えたら王都から2時間の位置にある試練の谷に連れてこられた、超近い。
この谷実は観光名所で谷の上からのぞく分には自由らしい、でも無断で谷底に降りたら自己責任とか。
名物の試練ランチは結構美味しいらしく人気メニューらしい、終わったら食べに来よう。
うんそれはどうでも良い情報だわ。
飛翔機は大きいので持込むのは止めた、っつーか持ってこなくて正解だった入り口につくまでのくだりの通路が結構狭いから持ってきてもどの道置いてくることになったからだ。
現在の装備は武器である七天魔杖とナイフ、浮島の所長服(現代アレンジ版)ポーション、マジックポーション、解毒薬(蛇毒)、3cm大の地水火風の属性石を各2個、3cmゴーレムの核を10個持って来ている。
あと服の裏地にはランドドラゴンの鱗を要所に仕込んである。
あとはステータスの確認か、
名前:クラフタ=クレイ=マエスタ
Lv36
クラス:アルケミスト
種族:異世界人(人間半不死:上位貴種)
スキル
・術式強化(使用者限定 中級)
・素材抽出(初級)
・生魔吸与(上級)
・鑑定(物品限定 上級)
・接収(初級)
・剛力(初級)
・物理防御(初級)
・気配遮断(初級)
・空中跳躍(初級)
・拡散(初級)
・操作(初級)
・重唱(初級)
・領域(中級)
・料理(初級)
・収束(中級)
・結界(中級)
スペル
・初級薬調合 :消費魔力2
・初級素材合成:消費魔力3
・初級属性付与:消費魔力5
・初級言語読解:消費魔力1
・ピットホール:消費魔力3
・ストームウォール:消費魔力25
・ウォーターボール:消費魔力3
・ファイアダガー:消費魔力3
・クリエイトゴーレム:消費魔力10
能力値
生命力:1598/1598
魔力:2797/2797
筋力:6
体力:10
知性:7
敏捷:5
運 :8
若返ったばかりの時より筋力と知性が上がっているのはドレインの影響だな、多分ランドドラゴンとカインに使った影響だろう。
カインから奪ったスキルはここで色々試していこう。
・・・あれ?
ドレインがない?どういうことだ?
もう一度スキルを確認してみるとやはりドレインは無く変わりに生魔吸与(上級)と言うスキルが書かれていた。
説明を見てみよう。
生魔吸与(上級)
『自身の生命力、魔力を接触している相手に与える能力、逆に接触している相手から奪うことも可能。
上級は一度に吸与する量に制限がない。
与える側の了承があれば最大生命力と魔力を分け与えることが出来る。
ただし与えた最大値は回復しない。』
んーもしかしてアルマの治療で本来の用途とは違う使用法を行ったことが原因でスキルが変質したのかな?
師匠に聞きたいところだけど使用を禁止されているからなぁ。
「妻を娶るための試練なんだから自分で何とかしないとね」
とか言われて試験が終わるまで連絡をさせてもらえなくなった。
しかしスキルって変質するのか、新発見だな。
さてスキルチェックだ、治療のごたごたですっかり試すのを忘れていたので再確認しよう。
・術式強化(使用者限定 中級)
『自身の使用したスペルの等級を1ランク上昇させる上級スペルはそれ以上のランクにはならない。
スペルの効果が50%上昇する』
1日5回
・素材抽出(初級)
『物品の中から任意の成分を抽出』
1日10回
・生魔吸与(上級)
『自身の生命力、魔力を接触している相手に与える能力、逆に接触している相手から奪うことも可能。
上級は一度に吸与する量に制限がない。
与える側の了承があれば最大生命力と魔力を分け与えることが出来る。
ただし与えた最大値は回復しない。』
・鑑定(物品限定 上級)
『品物の名前、用途、使用方法、製造年月、純度、状態が判る。
生物は鑑定できない。』
・接収(初級)
『相手のスキルを自分のものにする事が出来る。
使用条件は相手のスキルの名前を知っている、相手に接触する必要がある。
一度奪った相手からは奪えない。』
1日1回
・剛力(初級)
『瞬間的に筋力を2倍に出来る』
1日2回
・物理防御(初級)
『1度の使用につき50までの物理ダメージを無効化』
1日2回
・気配遮断(初級)
『自分の存在を気付かれにくくする、直接見られた場合スキルの効果は発生しない。
1回の使用で1時間有効』1日2回
・空中跳躍(初級)
『足元に3秒間足場を発生させることが出来る。
足場が発生できるのは地面から高度10mまで』
1日10回
・拡散(初級)
『単体用魔法の効果が複数対象になる。
最大3つまで拡散できる』
1日2回
・操作(初級)
『自身の飛ばした魔法、物質が別の物質に接触するまで操作が可能。
操作範囲は10m』1日2回
・重唱(初級)
『複数の魔法を同時に唱えることが出来る』
1日2回
・領域(中級)
『自身を中心に50m以内に存在する生物、魔力を認識できる』
常時発動
・料理(初級)
『自身の作ったご飯が少し美味しくなる』
常時発動
・収束(中級)
『魔法の範囲を狭めて威力を上昇させる』
1日5回
・結界(中級)
『自分よりLvが低い存在が侵入できない空間を発生させる
効果時間は1日』
1日5回
こうしてスキルが揃うとおおよその傾向がわかるな。
基本スキルの使用回数は初級が1日2回、中級が1日5回、上級が制限なしかな?
ただ料理や領域はパッシブスキル扱いか。
回数制限は強力な能力や他人に何かしらの効果を及ぼすスキルほど回数が制限されるみたいだな。
ん、だいたいわかったからまずは地形の把握だ。
空中跳躍(初級)を使って上空から観察してみよう。
コイツは格闘ゲームで言う2段ジャンプだな。
中級なら空中ダッシュとか出来そうだ。
早速使ってみよう
トンと軽くジャンプして足場を念じてみる
すると重力にしたがって下に落ちることなく空中の見えない床に着地する、コレが足場らしい。
足場が消える前に更にジャンプを繰り返したが途中から足場が出なくなってしまった、
おそらく今の高度は10mなんだろう。
谷の上まではまだまだ有る、どうやらこの谷は結構深いらしい。
密接した高層ビルに囲まれてる気分だな。
仕方が無いので降りてくる、緊急回避にはいいかな。
3回使ってしまったので今日は残り7回か。
次は領域を使ってみよう。
…んーこの辺にいるなーって感じがするな。
動いている奴と動かない奴で感じが違う、もうちょっと判りやすくできないかなゲームのレーダーマップ見たいに。
その瞬間脳裏のイメージが霧が晴れたようにハッキリする。
それこそゲームのマップ機能のように敵の位置が分かる様になった。
色が違う奴も有る、ただしマップスキルじゃないから地形までは描いてない。
けどこれはありがたい、今までは明確なイメージが無かったからスキルが中途半端だったのか。
これもスキルの応用性というわけだ。
まずは動く敵をよけて動かない色の違う光点に行ってみよう。
気配遮断スキルを使用してレーダーで確認しながらこそこそ隠れて移動する。
それほど苦労せずに動かない光点にたどり着く。
この辺に何かあるっぽいんだが特に何も無いな。
周辺をうろうろして探してみると壁に何かが埋まっていることに気付く。
「属性石か」
鑑定スキルを使用する
『地の属性石 純度70%
地属性の魔力が満ちている緑色の宝石。
地属性魔法を使用する際の代替魔力として使用可能。
素材を生成するとゴーレムの核になる、武具の素材として使うと強度UP、防御力UP、重量増加する』
壁には小型の属性石が埋まっていた。
七天魔杖をアクス形態にして壁を掘り起こす。
10cm大の地の属性石が出てきた、属性石はわりかし良い金になるんだよね。
属性石を袋につめて移動を再開する。
結果として周辺の動かない光点は全て属性石だった。
「困ったな」
調子に乗って属性石を採取した結果、袋がいっぱいになってしまった。
宝物庫が無いとこういう事態に陥るんだな。
捨てるのももったいない、コレだけの量があれば日本円で5、60万はする。
コレだけ属性石が豊富なのもきっと王家の直轄地だから採取する人間がいなかった為だろう。
「台車でも欲しいところだなぁ」
車って本当便利だったんだな、いや待てよ、
俺は袋から属性石を全て出すと素材抽出スキルで地の属性石の純粋な部分のみを全て抽出する。
少し小さくなってしまったそれを鑑定する
地の属性石 純度100%
地属性の魔力が満ちている。
地属性魔法を使用する際の代替魔力として使用可能。
素材を生成するとゴーレムの核になる、武具の素材として使うと強度UP、防御力UP、重量増加する。
属性石をある形状に並べていく、そしてそれを素材合成スペルで一つの塊にする。
また属性石を重ねていってひとつの形になっていく。
その姿は樽に手足のついたような姿だった。
ゴーレムの核を埋め込み魔法を発動させる。
「クリエイトゴーレム」
全身緑色のゴーレムが動き出す。
「よし!お前の名前はタールだ!付いて来い!!」
タールと名づけたゴーレムは両手を挙げて樽の上で拳をあわせポーズをとった後シュパッと腕を両脇に戻す。
昔のロボットアニメの名乗りポーズみたいだ。
こうして俺はお供を引き連れて本格的な試練の谷攻略を開始した。




