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不死の姫

めまいがしてきた。

俺はアルマの発する邪悪な魔力の元を調べるために『看破』スキルを使ってアルマのステータスを確認したのだが……


------------------------------------------------------------

 名前:アルマ=ハツカ=ルジオス

 Lv37

 性別:女 年齢:12歳

 種族:人間(1/4不死:上位貴種)

   クラス:プリンセスウィッチ

 派生クラス:ウィッチクィーン

       ダークプリンセス

       マジカルプリンセス

 スキル

・上級隠れ里 ・中級祝福 ・初級魔力回復 ・初級領域支配


 スペル

・中級姫魔法:消費魔力30

・中級回復魔法:消費魔力10

・上級火魔法:消費魔力50

・上級氷魔法:消費魔力50

・上級風魔法:消費魔力50

・中級土魔法:消費魔力25

・中級闇魔法:消費魔力25


 能力値(最大素質値)

 生命力:520/520(2400)

 魔力:1300/1300(6000)

 筋力:2(5)

 体力:4(7)

 知性:7(9)

 敏捷:3(5)

 運 :3(4)


 感情:愛/64

 対象:クラフタ=クレイ=マエスタ


『ルジウス王国第二皇女、不死の皇子クラフタの血の呪いにより不死の種子を得た魔の寵姫。

 不治の病より救われた事でクラフタに愛を捧げる。 

 呪いの進行により不死度が強化される、主を超える不死化は出来ない』

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 俺が原因じゃねぇかぁぁぁぁぁ!!!!!!!


 文字通り頭をガツンと殴られたような衝撃だ。

 まさかアルマが俺と同じ不死の存在になってしまっていたなんて。

 『初級魔力回復』は俺が『中級予知』を外して付けたものだが『初級領域支配』は俺も知らないスキルだ。恐らく俺がドレインに覚醒した時のようにアルマもスキルに目覚めたのだろう。

 だが一体いつからそうなった?

 この前ステータスを見たときはまだ普通の人間だったぞ。

 考えられる可能性はやはりメルクリウスか。

 彼女との接触で俺のスキルが測定から看破に変化した。

 もしかしたらアルマも俺の変化に引っ張られたのかもしれない。

 不死の種子、おそらく俺がドレインを使ってアルマに魔力を流し込んだ時の事だろう。

 俺が流し込んだ魔力が時間をかけてアルマの体に馴染み、不死化の下地を作り上げたと言うことか。

 今思うと夜遅くても俺が動こうとするとすぐ起きていたし、子供の体なのに深夜でも平気で起きていた。あの頃からもう不死化は進行していた訳か。

 そして今回俺がアンデッドを浄化するメルクリウスに触れ傷を負った事で、アンデッドとしての親である俺と自分の身に危険が迫った事で眠っていた不死の種子が己の身を守るために目を覚ましたという事だろうか。

 そういえばアルマの嫉妬が暴走したのも地下室で、正しくは奴隷達を解放したあたりからだ。

 だとすれば、あの時既にアルマの中の不死の種子はそこに居たメルクリウスのスキルに反応して警戒をしていたのかもしれない。

 多少強引な気もするが大筋としてはそんなところだろうか。

 あー、どうしたもんか。

 

 それに俺の事が不死の皇子とか表記されていたがまさか俺自身もスキル以外のステータスが変化しているのか?


 うう、マジでめまいがひどくなってきた。

 なんか地面が近……い……


「クラ●◆様!? 大◆#????」


 あれ? なんかアルマの言葉が上手く聞き取れない。

 って言うか何故か地面が目の前に。


『地面

 空間魔法で作り出された擬似的な地面

 空間座●+=に範囲指%……


 おわぁぁぁぁぁ!?? 何だ!? 頭の中にとんでもない量の情報が入ってくる。

 目に付くもの全てのステータスが表示されてしかもバグってる。

 何だこれ何だこれ何だこれ!?


「スキルを外しなさい!!!」


「!?」


 突然の大きな声に我に返る。

 かろうじて声の意図を理解した俺は『看破』を外して大聖剣メテオラに収納した。

 すると今まで視界と脳内に洪水のように流れ込んで来た情報が瞬く間に消え去っていった。


「クラフタ様!クラフタ様!! しっかりしてください!!」


 見ればアルマが涙を流しながら俺にしがみ付いている。


「大丈夫、もう大丈夫だから」


 そう言ってふらつく体を起こし、泣いているアルマの頭を撫でてやる。


「本当……ですか?」


「ああ、ちょっと具合が悪くなっただけだ」


 アルマを落ち着かせてから俺は少女達に向き直る。


「すまんね、心配をかけて」


「え、い、いえ……」


「大丈夫……なんですか?」


 立て続けに起こった出来事に少女達も戸惑っているようだ。 


「ああ、最近ちょっと忙しかったからふらついただけだよ」


「そう、ですか……」


 流石に怪しまれているが、俺が大丈夫だといっているので彼女達もそれ以上追求するのはやめたようだ。


「ああ、そういえば今後の話だったな」


「ソレは後日にしましょう」


 だが俺の言葉は即断で断られてしまった。

 俺の言葉を断ったのは、件の帝国の姫だった。

 彼女こそ俺にスキルを外せといった声の主だ。

 っていうか、


「なんか具合悪そうだな」


 何故かお姫様は真っ青な顔をして今にも倒れそうだ。


「お互い様です。それはともかく、貴方の具合が悪いようですから今はこれ以上無理をさせるわけにはいきません。まずは体調を整えてから改めて話し合いを致しましょう? 貴女達もそれでいいわね?」


 お姫様は周りの少女達の意見を聞くがその光景は寧ろ正反対だ。

 彼女の言葉は提案の体をなしているが、実際は強制だった。

 彼女の言葉には逆らう事を許さない力が篭っていたからだ。

 これも王族のカリスマと言う奴なのだろうか、知り合いの第一王女にも見せてやりたい光景だ。


「え? ええ……」


「そうね、だんな様を休ませて差し上げないと」


「私達も迷惑をかける気は無いわ」


「良い子ね、……では今日の所はお互いゆっくり体を休めましょう。私達も昨夜から色々ありすぎて整理する時間が必要だわ」


「そうだな、じゃあ悪いが俺は部屋に戻らせてもらうよ」


 俺はアルマを伴って部屋に戻る。


「制御しきれない力に頼ってはだめよ」


 すれ違い際に、俺にだけ聞こえるような小さな声でお姫様はそう呟いた。 

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