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尊い犠牲(汚れ役)

今週はAパートBパートを分けて投稿いたします。

Bパートは翌日に投稿予定です。


今回も少々下品なお話なのでお食事前の方は食後に読まれる事を推奨いたします。

俺は高純度属性石をシュヴェルツェの目の前に差し出して言った。


「コレを食べてウンチをしてくれ」


「へ、変態ですわー!!!!!!!!!」


失敬な、俺は紳士だぞ。


「コレを食べてレドウに加工して貰う高純度水晶を出して欲しいんだ」


「言い方を変えてもやっぱり変態ですわー! そ!そんな排泄物を加工するだなんて変態チックな行為幾らなんでもハイレベル過ぎますわ!! そういう事はもっと関係を深めてお互いに離れられない関係になってからでないと……」


それは将来的にはOKと言う事だろうか? だが俺は今必要なのだ。


「そんな事言ってコレには興味津々なんだろう? ほらこれだけ高純度の属性石なんてそうそうお目にかかれるモンじゃないぜ」


「ごくり……」


この属性石は素材抽出スキルで不純物を排除した高純度高密度の属性石だ、はっきり言って下手な天然モノの属性石よりも質が良いと断言できる。養殖モノがマズイと言われたのは過去の話なのだよ。


「で、でもそんな殿方の前でなんて……はしたない」


うむ? もしかしてこれは頼めば見せてくれる予感?


「だ! だめですわ!! 一時の欲望に任せて取り返しの付かない事をするのはレディ失格ですわ!!」


ちっ


「いやいや、別に隠れてしても構わないから」


「え? そうですの? ……それなら……」


なおも 逡巡するシュヴェルツェ、だが時間が無いのでサクサクいこう。

俺は優しく、とあるコツを思い出しながらシュヴェルツェの首筋をなでる。


「ふぁぁぁぁぁぁあ!!」


なんともエロイ声を上げてシュヴェルツェが全身を振るわせる、すると不思議な事にその姿がブレていきブレが収まった後にはシュヴェルツェの姿は無く、そこには茶色の毛に覆われた1m程の大きさの子ペンギンが居た。


「クエー!」


「やっぱり元獣の化け弱点はそこか」


同じ元獣であるキャッスルトータスのドゥーロも、首筋を撫でるとくすぐったがって直ぐに変化を解いて元の元獣の姿に戻っていた、どうやら元獣の共通弱点っぽい。


「ク!クエ!!」


シュヴェルツェだった子ペンギンは「何故私の正体が分かったんですの!」と言いたげに羽根をパタパタさせている。いいなぁ子ペンギン、モフモフでたまらん。


「ふ、お前がダークフェニックスであることは先刻承知だ」


「クエ!?」


シュヴェルツェは「そんな!私の変化は完璧だったはずですわ!!」とでも言いたげに驚くがどう見ても餌が欲しくてバタバタしている子ペンギンにしか見えない。というかアレだけヒントがあって分からん方がおかしい。第一ウチにはキャッスルトータスのドゥーロが居るのだから元獣が人間に化けれる事は知っている訳で。


「さぁシュヴェルツェ、コレを食べてさっさとウンチをしてくれ」


言うが早いか俺はシュヴェルツェのクチバシに高純度属性石をねじ込む、正直口論をする時間がもったいないので実力行使だ。最初こそ嫌がっていたものの、口の中に広がる高純度属性石の味の前にはその抵抗も時間の問題であった。ドゥーロもそうだったが子供の元獣は成長のためなのか食事に対しての抵抗と警戒が非常に薄い。シュヴェルツェもその例に漏れず、その瞳は次第に熱を帯び、その口からは属性石をしゃぶる音が響いてくる、もはや抵抗の声は聞こえない。


バリ、ガリ、ボリ


色気の欠片も無い音を立て属性石を貪り喰らうシュヴェルツェ。


「ほーら、お代わりは一杯あるぞ、火属性、風属性、水属性、土属性、更にデザートには光属性と闇属性の属性石だよ」


「ク、クエ、クエェェェェ……」


「良いんだよ、好きなだけお食べ……」


珍しい光と闇の属性石に心を奪われ夢中で喰らいつくシュヴェルツェ。

子ペンギンが一心不乱に食事をする光景の何と素晴らしい事か、俺は無意識のうちにシュヴェルツェの全身の毛を撫で回していた。


「ふふふ、ここか? ここがいいのか? ここを撫でられると気持ちいいのか?」


好きなだけ美味なる食事をしながら優しく毛皮を手櫛で梳かれたシュヴェルツェ、もはやその姿に野生は欠片も見当たらないほど弛緩しきっていた。


「よーしよし、良い子だ」


地球の子ペンギンの毛は脂ぎっているらしいが元獣であるダークフェニックスの毛はとてもフワフワで素晴らしいさわり心地だった。コレを抱き枕にしたらモフモフし過ぎて眠れないことだろう。


と、そこで急にシュヴェルツェが変な声を上げ始めた。


「ク、クェ、クェェェェ……」


短い羽根をお腹に当ててよたよたとふら付きながら草むらに入っていく。


「ククク、計画通り」


普段食べない高純度属性石や珍しい光と闇の属性石を食べ過ぎたシュヴェルツェは胃がひっくり返ってしまったのだ、分かりやすく言うとお腹をこわした状態だ。


シュヴェルツェが草むらに隠れてまもなくプリプリと音が聞こえてくる。

暫く待っていると草むらから菩薩のような笑顔をした子ペンギンが出てきた。


「クエー……」



こうして俺達はお目当ての高純度水晶を手に入れる事に成功した。

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